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好調ピューロランド以外もスゴい! 今、世界中でテーマパークが次々オープンする3つの理由【エンタメ専門家品田英雄が語る、テーマパーク市場動向2020】

経済バラエティ『がっちりマンデー!!』(毎週日曜あさ7時30分~放送中/ TBS系)をもっと深く楽しめる、『がっちりスクール!!』お金やビジネスについて、一緒に学んでいきましょう!

今週の内容は、エンターテインメント業界の動向に詳しい品田英雄さんに聞いた「儲かるテーマパーク」解説です。2月9日の放送では、V字回復した東京都多摩市にあるサンリオピューロランドを紹介しました。実は今サンリオピューロランド以外でも、国内で世界で、テーマパーク市場全体がとっても好調なんです! 

雑誌『日経エンタテインメント!』創刊編集長でエンターテインメント業界に詳しい品田英雄さんに、ここ数年のテーマパーク市場の好調やその背景について解説してもらいました!

2月9日の放送を見逃した方はコチラ▽▼▽
サンリオピューロランドが「オトナ女性向け」と「仲良し化」でV字回復! がっちり女性社長の手腕が光る大改革とは? 

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品田英雄(しなだ・ひでお) 日経BP総研 上席研究員。1980年大学卒業後、ラジオ関東(現ラジオ日本)入社、音楽番組を担当する。87年日経BP社に入社。記者としてエンターテインメント産業を担当する。97年に『日経エンタテインメント!』を創刊、編集長に。発行人を経て編集委員も務めた。著書に『ヒットを読む』(日経文庫)ほか。デジタルハリウッド大学大学院客員教授(ヒットコンテンツ事例研究)も務めている。日経MJにて19年『品田英雄のヒットの現象学』を連載中。メディア出演も多い。


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ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの『マリオ』、東京ディズニーランドの『美女と野獣』と続々オープン!

2020年の国内では、テーマパーク市場に大きなニュースが続きます。

まず、2月19日にユニバーサル・スタジオ・ジャパンが、前回のハリーポッターエリア450 億円をしのぐ総投資額600億超をかけたマリオエリアこと『SUPER NINTENDO WORLD(スーパー・ニンテンドー・ワールド)』をオープンします。

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4月15日には東京ディズニーランドが工事着手から約3年、総投資額約750億円という東京ディズニーランド史上最大の大規模開発を経て大きく進化。映画『美女と野獣』の新エリアや、ミッキーたちのライブが観れる屋内シアター、『ベイマックス』の新しいライドなど10を超える施設が一斉にオープンします。

オープンする各施設のイメージ_3

2020年4月15日にオープンする各施設のイメージ-2

東京都・練馬区にあるとしまえんが段階的に閉園し、その跡地に『ハリー・ポッター』のテーマパークを整備する交渉が進められているというニュースも最近出ましたよね。

世界全体で、テーマパーク市場が盛り上がっている!

世界に目を向けても、テーマパーク業界は好調です。

昨年は、本物のようなミレニアム・ファルコン(作品内で描かれる宇宙船)に乗れる『スター・ウォーズ』シリーズ新エリアなどが米カリフォルニア ディズニーランド・リゾートと、米フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートでオープンしました。

中国は特に市場が大きく、16年に開業した上海ディズニーランドを筆頭に、中国国内企業によるテーマパークも右肩上がりに増えていて、その市場規模はなんと年平均で20%近い成長率(出典元:前瞻産業研究院)。

2021年北京に開業予定のユニバーサル・スタジオなど開園・建設ラッシュは続いていて、中国のテーマパーク訪問客数はアメリカを抜き世界最大となる勢いです。

世界全体で、テーマパークへの観客も投資額も増えているのです。

エンターテインメントが日常化したことで‟体験“へのニーズ増

テーマパークが今求められている1つめの理由は、お客さん側の楽しみ方の変化です。

デジタル技術が進化したことで、自宅にいながら映像配信サービスでいくらでも映画を観て、VR(バーチャルリアリティ/仮想現実))技術を活用したゲームも楽しめるようになりました。音楽だって、自分好みに合わせた音楽のプレイリストすら自動で作ってくれる時代です。

かつては‟非日常“だったエンターテインメントが、生活の中で受け取れるようになりました。どんどん日常化したわけですね。

ところが人間の欲求はいつだって、日常になると‟非日常”を求めます。

参加型や体感型のエンターテインメントに‟わざわざ出かけて体験したい”というニーズが生まれました

単純に映画を楽しむのではなく4Dや5Dで観る。自宅でディズニー映画はいくらでも観られるけれども、わざわざ香港にあるディズニーランド・リゾートへ足を運ぶことに価値がある。そんなふうに趣向が変化したのです。

インターネットでいくらでも自分の遠い世界の様子がわかるのに、旅行産業の需要が伸びているのも同じ理由でしょう。

テクノロジーとリアルの融合も

2つめは、テーマパーク業界の作り手側の変化です。

ものすごい速さでテクノロジーが進歩しているため、今のテーマパークは、昔のようなただジェットコースターや観覧車に乗るというだけの内容ではありません。

VR技術を活用したアトラクションは当たり前で、現実の風景にバーチャルの視覚情報を重ねるAR(拡張現実)や仮想の世界に現実のデータを反映させたMR(複合現実)など最新の技術を取り入れて進化しています。

昨今のトレンドとしては、テクノロジーとリアル(人)が融合したもの。プロジェクションマッピングを使った演出の中で、生身の人間がダンスパフォーマンスを見せるパレードやショーなどは迫力も感動も大きいですよね。ハロウィンやクリスマス、イースターと季節ごとにイベント内容も変わるから、お祭りに行く感覚で何度も足を運びたくもなります。

技術が進んだことで、テーマパーク内で実現できることが深くも広くもなったわけです。

コンテンツ、グッズ、パークの3本柱で儲ける

最後の理由は、映画業界などコンテンツ業界側の変化です。

映画やゲームの世界を、リアルに体感すると楽しいことがどんどんわかってきましたよね。

するとディズニーやワーナーなどの映画会社は、これまで映画制作で儲けて、その作品から派生したキャラクターグッズで儲けてきました。

そこへさらに、作品世界を反映させたテーマパーク事業を絡めて売り上げを立てる
ようになっています。テーマパークをつくることは、もはや映画会社の戦略や収益に盛り込まれているのです。

映画作品をつくり、テーマパークの中に各作品のライドなどアトラクションをつくって両方で作品世界を盛り上げるすると、キャラクターグッズが売れる。そういった広がりですね。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンで、マリオの世界を等身大で体感できるエリアをオープンすることや、『進撃の巨人』や『新世紀エヴァンゲリオン』などのシーズンイベントを行うことなどは、キャラクターやストーリーの世界観があれば実現することは難しくありません。

お客さんのニーズ、技術進化と、映画会社の戦略――。テーマパークは、お客さんにとってはこれからどんどん面白くなるし、関係する企業はますます儲かりそうです。


(おわり)
画像提供:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン ©Nintendo
©Disney

◇◆◇

編集・構成協力/コルクラボ エディターズギルド(平山ゆりの)

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