异常的世界への扉 82…修羅場編2~
第二の修羅場。
前の修羅場からだいぶ期間があいていたが、前の出来事を教訓に、ラブホデートの時には忘れずに風呂場にも携帯をタオルにくるんで洗面器に入れたりして、湯船近くに持ち込むようにしていた。
まずは電話に出られる体制、メールを確認できる体制を作ることを教訓にしていた。
プライベートな連絡は、基本は最初に携帯にかかってくるからだ。
さて、その日は二人で休みを合わせて、少し早めに仕事を切り上げて、平日半日、ラブホにこもってデートをしていました。
その時は、昼間なら旦那からは緊急でなければ連絡は来ないはずだとたかをくくっていたのだが…
たまたまらしいのだが、旦那が彼女の職場に内線を入れたらしい。こんなことはごく稀な事なのだが、何かたまたま仕事絡みで彼女の職場に連絡しなければならなかったらしく、そのついでに彼女に代わってもらうよう依頼したところ、彼女が午後休んでいると答えてしまった事が発端になった。
風呂の中で彼女の携帯が鳴り、それに出ると旦那から
『お前勝手に仕事休んで、どこに行ってるんだ!』
と私にも聞こえる位のボリュームで夫の怒号が…!!
ヤバい!
休んでいるのが既にバレていて、黙ってこっそり休んで何かしているのが気に入らなかったらしい(そんなことでそこまで怒る!?)。
浮気をしているのがバレている!?という感じではなかったらしい。
彼女がたまたま繋いで貰おうとした職場にいなかった事や、自分に言わずにこっそり休みを取っていた事が職場にも分かってしまった事が恥ずかしかったのか…怒りのボルテージが一気に上がって、怒りの電話をかけてきた状況でした。
もう職場で休みを取っている事を確認したとなると『職場にいる』『出張していた』などは通じない。
彼女は咄嗟に
『急に友達から連絡が来て、その友達と出掛けていた』
と嘘をつきました。
しかし旦那は信用せず
『とにかく早く帰ってこい!』
とだけ言い残して電話を切ってしまいました。
これは困った…。
どうも、頭が怒りで沸騰したら、もうどうにもならない性格の夫のようなのです。
彼女は、すぐに私と関係を持っているのを知っている友達に電話をかけて相談しました。
自分と出掛けていたと話を合わせて欲しいと。
お友達は
『だから不倫なんてしちゃダメだって言っていたでしょ?』
と彼女を諌めましたが、とりあえず協力してくれるとのことでした。
車の無い彼女のために、仕事を早く切り上げて、家まで送っていってくれるとのこと。
私達は大急ぎで身支度をし、そのお友達の職場の近くへ。
顔は合わせませんでしたが、お友達に頼み、彼女を引き渡しました。
私は後は彼女とそのお友達に上手くごまかしてもらうように祈るばかりです。
旦那は家に帰っていたようだったので、お友達と一緒に帰って、友達も一緒に説明をしてあげようとしたらしいのですが、旦那は玄関から出てきて彼女の顔を見るなり殴り付けて来たらしく、彼女は外に倒れ込んだようです。
特に理由も聞かない状況なのに、いきなり殴りつける…
そんなことをしたのを鑑みると、自分に秘密に何かしている行為が許せなかったのか、職場に妻の休みすら知らない夫だと恥をかかされたのかと思ったのか…
何にせよ、女性に手をあげる行為も、理由も聞かずいきなり殴る行為も、DV男の頭の構造はよく分かりません。浮気相手の癖に何を!?
と言われそうですが、それ以前に女性に手をあげる男なんていうのは最低だと私は思っています。
まあ、彼女的には負い目があったので、何か仕方ない部分で受け入れたのでしょうが…
仕事から逃げ、休職していて稼ぎもないクセに、子育てから逃げ、家事もせずにパチンコばかりしている夫…。
なぜ別れないのか…いつも思っていました。
とりあえず、お友達と一緒に帰った事で、浮気の疑いというのは特に追及されなかったようで、その日の夜には普通に状況説明のメールが届きました。
そんな旦那なんか別れちゃえば!?
とその時も伝えましたが…
子供の事も考えたのか、離婚は思いとどまったようでした。
それからは、とりあえずしばらくは仕事帰りの短いデートだけどなりましたが、まあ、普通にまたデートは続けられ、特に疑われる事も有りませんでした。
休みを取ってのデートは、ちゃんと旦那に理由(もちろんデートという本当の理由は言いませんが)を話してすることにし、回数は減りましたがなんとか修羅場は乗りきっていきました。