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旅好きの30代、東京在住です!

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太陽バンザイ(富士山)

その暖かさ、そして偉大さを最も感じたのはこの時かもしれない。富士登山2日目の朝5時。8.5号目の山小屋から見た日の出は立体的な雲に上下を挟まれた隙間からでも、十分過ぎる存在感と光を放っていた。 3,000m近い標高で夏でも震えるほど寒く、遮るものがなく強風が吹く状況で、太陽は僕らのライフゲージを一気に回復させた。 しかも前日は登山道が川のようになるほどの大雨、さらに雷が鳴り響くなかでの登山だった。バックパックの中に入れていた着替えまでもが水浸しになった。そんな背景も相まっ

    • 海に向かってヨーイドン(南伊豆)

      早起きして朝のビーチを散歩していたら、珍しい光景を目の当たりにした。夏の南伊豆、弓ヶ浜海岸。 朝7時過ぎ、カラフルな水着やラッシュガードを着た6人の若者がやってきて入念にストレッチしたり、ビーチをジョギングした後、彼らは海に向かって全力ダッシュ、そのまま沖の方まで泳ぎ、折り返して戻ってきた。 ライフガードたちだ。彼らの後ろ姿を眺めながら、頭が下がるとともに人々の安全と夏の楽しい思い出の為に尽くす姿に朝から感動した。 そういえば小学生の頃、修学旅行で南伊豆に来た際、朝6時

      • 沖縄の塩工場(沖縄/浜比嘉島)

        沖縄本島旅行の最終日、東京に戻るフライトは夕方だったので車で行ける島に寄ってみた。海沿いを走っていると、塩工場の看板が島の内側を指している。狭い道をゆっくりと走っていくと塩工場の建物が見えてきた。 車を停めて、併設された販売所兼塩作り体験施設に行くと、工場の方が塩作りの工程を説明してくれた。工場の裏手には見たこともない木製の設備があった。 海水を循環させて、この木の箒のような傘の部分に流すことで水滴の水分が少しずつ蒸発して海水の塩分濃度を上げていく。記憶が定かではないが、

        • 海水と氷の境界で(北海道/紋別)

          冬に訪れた北海道紋別市、流氷を観る為に船に乗った。ガリンコ号という可愛らしい名前とは裏腹に、左右に付いているドリルを回しながらゴリゴリと迫力のある大きな音を立てて氷を砕きながら進んでいく。 沖に出るほど氷は分厚くなり、サイズも大きくなる。フィギュアスケーターが存分に滑れそうなサイズのものもあった。 逆に港近くにあるのは薄氷である。僕が気に入ったのは、所々海水が見えたり、氷の微妙な厚みの違いや重なりにより作られた、エメラルドグリーンから白色までのグラデーションの美しい部分。

        太陽バンザイ(富士山)

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        記事

          千人風呂のポスター(青森/八甲田)

          前日の夜に東京を出発し、途中のサービスエリアに車を停めて車中で仮眠、早朝からまた運転して昼前に青森県にある酸ヶ湯に着いた。 その日は平日で広い浴室には数人しかいなかったが、木製の風情ある浴室と滑らかなお湯に癒された。 入浴後、このポスターが目に留まった。カメラに向かって微笑む人々。老若男女問わず、またよく見ると日本人以外の方もいる。とにかくみんな良い笑顔だ。 こんなふうにみんなで同じお風呂に入れたら、さぞかし楽しいだろう。お風呂は人を幸せにする。

          千人風呂のポスター(青森/八甲田)

          ヨセミテ国立公園でラーメンを(アメリカ/ヨセミテ 国立公園)

          インスタントラーメンでも、カップ焼きそばでも、必ず何かしらを加えて、ボリュームとオリジナリティを出すのがマイルールだ。 アメリカ西海岸エリアを10日間、レンタカーで3,000km以上を走ったあの旅でも、そのスタイルは変わらなかったようだ。 ヨセミテ国立公園に着いた初日、駐車場に車を停め、早る気持ちを押さえてまずは腹ごしらえと、調理したのはインスタントラーメンだった。前日に買った、スーパーの陳列棚に並んだ中で最も安価なペッパーベーコンを贅沢に載せた一品。これから始まるヨセミ

          ヨセミテ国立公園でラーメンを(アメリカ/ヨセミテ 国立公園)

          1両編成の電車に揺られて(北海道/北見)

          東京生まれ、東京育ちの私にとって、電車といえば中央線や山手線、はたまた丸ノ内線などの地下鉄である。そんな自分にとって、1両編成の電車に乗る機会はこれまでなかった。 2023年2月、北海道湧別町を目指す旅路にて、航空券代を節約するために最寄りのオホーツク紋別空港行きのANA便を取らず、LCCが運行している女満別空港を利用した。女満別空港から北見へバス、北見から遠軽へ電車、そして遠軽からは親戚の迎えの車で湧別町へ、という行程だった。 女満別空港から北見行きのバスに乗り、40分

          1両編成の電車に揺られて(北海道/北見)

          旅の匂い(ラオス/バンビエン)

          旅において、「嗅覚」というのは非常に重要な役割を担うものである。 それは国内外問わず、たとえば、旅館の和室にチェックインする時の畳の匂い、山中に吹くそよ風が纏う草の匂い、アジアの屋台がこれでもかと放つ香辛料の匂いなど。 それでも旅と匂いといえば、やはり海外の空港から一歩踏み出した時の、その国独特の匂いだろう。 長時間バスに揺られ、タイから国境を超えてラオスのバンビエンに着いた時の一枚。バスを降りたターミナルで、大きなバックパックを背負った女性とその先に見える雄大な山々と

          旅の匂い(ラオス/バンビエン)