ゴミ問題の解決策となるか?世界中のユニークなアイデアを5つ紹介
ゴミ問題は年々深刻化し、世界中でさまざまな対策が進められています。
特に海洋プラスチック問題は早急な対応が必要で、このままでは2050年までに海洋プラスチックが魚の量を上回るとされています。
レジ袋やプラスチックストローが世界各国で規制され始めており、日本でも2020年の7月からレジ袋が有料化されました。
そんな中、ゴミ問題をユニークなアイデアで解決しようと、多くの企業や研究者が動いています。
どのような取り組みがあるのかすべて紹介したいところですが、きりがないので今回は以下の5つを選びました。
・Ooho
・Looop
・Goedzakken
・プラスチックバンク
・循環型素材(セルロースナノファイバー、LIMEX)
それぞれ掘り下げて解説していきます。
ゴミ問題の解決策① Ooho
「Ooho」とは、イギリスのスタートアップ企業「Notpla」によって開発された、食べられる包装材のことです。
そのまま捨てたとしても4~6週間で自然に分解されるため、ペットボトルをはじめとしたプラスチック容器を代替することでプラスチック問題の解決につながります。
原料は養殖可能な海藻であり、1日で最大1メートル成長する種を使用しているので枯渇する心配はあまりありません。
2019年に開催されたロンドンマラソンではランナー向けの飲料として導入され、3万個以上を配給。
結果として20万本ものペットボトルを削減できたそうです。
プラスチックの年間生産量は50年間で20倍に増え、今まで作られたプラスチックでリサイクルされたのはたったの9%。
合計1.5億トンのプラスチックが海を漂い、さらに毎年800万トンが流れ出るこの星で、生命を救う救世主となってくれるかもしれません。
ゴミ問題の解決策② Looop
日本でも人気のあるスウェーデン発祥のファッションブランド「H&M」は、2030年までに使用するすべての素材をリサイクルまたはサスティナブルに調達されたものにすることを目標としている、ゴミ問題の解決に積極的な企業です。
そんなH&Mが、2020年10月からスウェーデンのストックホルムに導入した仕組みが「Looop(ループ)」です。
Looopとは、回収した古着を洗浄して裁断し、新たな糸にしてニットアイテムやブランケット、スカーフなどの新しいファッションアイテムを作るリサイクルシステムです。
強度を保つために加えられる素材はサスティナブルに調達しており、使用料も最小限。
水や化学薬品を一切使わないところも、環境負荷を下げる大きなポイントと言えるでしょう。
H&Mは、ファッションの「ループを閉じる(closing the loop、ゴミや有害物質を外に出さない)」ことを目指しており、Looopで得られた収益をすべて研究費用にあてることで、循環型システムのさらなる普及に繋げていくそうです。
ゴミ問題の解決策③ Goedzakken
「Goedzakken」とは、必要がなくなったけどまだ使えるものを入れておくことで、ほしいと思った人が抵抗なく拾えることを目指したオランダ発のデザインゴミ袋のことです。
一般人だけでなくリサイクルショップの人が回収することもあり、実際にリサイクル効率の向上に成功しています。
シンプルなアイデア1つで環境が良くなる素晴らしい例と言えるでしょう。
ゴミ問題の解決策④ プラスチックバンク
「プラスチックバンク」とは、ブロックチェーン技術を用いて使用済みのプラスチックを仮想通貨と交換し、回収した廃プラスチックを小売業者に販売する仕組みのことです。
世界中でポイ捨てされ、放置されているプラスチックの価値は総額4兆ドルにも上るとされており、その市場に目を付けたわけです。
仮想通貨を使えば食料や日用品などの生活に必要なものを購入できるため、途上国の貧困層が抱える問題の解決にも寄与しています。
プラスチックバンクの創設者であるカナダ人起業家デビッド・カッツ氏のTED動画を載せておきます。
ゴミ問題の解決策⑤ 循環型素材
「セルロースファイバー」とは、木材のパルプなどのバイオマスからセルロースを抽出し、直径を数十ナノメートル以下まで微細化した繊維状バイオマス素材のことです。
天然由来であるため資源が枯渇せず、カーボンニュートラルの性質も併せ持つ環境に優しい持続型資源として期待されています。
「LIMEX(ライメックス)」とは、株式会社TBMによって開発された、炭水カルシウムなどの無機物を50%以上含む日本発の新素材のことです。
地球上に無尽蔵にあると言っても過言ではない石灰石を原料とし、紙やプラスチックの代わりとなります。
環境に優しい素材については以下の記事にまとめたので、興味がある方はぜひ読んでみてください。
ゴミ問題の解決策まとめ
今回は、深刻なゴミ問題の解決策となり得る世界中のユニークなアイデアを5つ紹介してきました。
私たち1人1人が意識を高めて活動を継続しつつ、イノベーションによって文明の発展が引き起こした環境問題にけじめをつける日が来るのを待ちましょう。
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