これからもっと感覚が鈍化して穏やかになれますように
新卒で入った会社は1年で辞めている。
辞めてからの日数の方が長くなった最近、少しずつ他の同期も転職し始めた。
おしゃべり好きで快活な彼女が辞めた時の色紙にはメッセージをびっしり書いていた彼に、過去のことだと切り離せない私はやっぱりちょっぴり気持ちが沈んだ。
私の色紙には
元気で!
の一言と余ったスペースには適当なイラストを書いてくれた彼。
過ごした日数も、築いた関係も遠く及ばないと理解しているはずなのに、そうだよねと1度だけため息をつきたくなるような気持ち。
きっと彼は自分が同じことをされても何とも思わないのだろう。自分とはそんなに関わりがなかったのだからと。
私もきっと知らず知らずのうちに意図せず誰かを傷つけている。きっと誰しもがそうなんだと思うと、悲しいけれど、それと同時に安心してしまう。
だれかといると、ふとした喜びにも出会うし、ふとした悲しみにも出会う。
きっと、これからもきっと私は耐えていけるのだと思う。歳と共に、少しずつ感覚が鈍化しているのを感じる。それがなんだか切ないけれどなんだか心地いい。
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