フィルムシミュレーションという楽しみ
FUJIFILMのデジタルカメラにはFilm Simulationという機能があります。
新しいカメラが開発・発売されるたびに、少しずつ数を増やしてきました。その思想や詳細は、例えば下の記事を読むと分かります。
[参考]Film Simulationの世界(FUJIFILM)
フィルム・シミュレーション(fs)と7種類のカスタム登録
最初こそ、カメラが搭載しているfs(以下、基本fs)を選んで、その時に応じて、WBを変えるとか微調整しながら楽しんでました。しかし、
[参考]X WEEKLY
というサイトを知り、様々な設定をセットで保存して呼び出せる「カスタム登録」の機能を生かして、「KodaChrome64」とか「Fujicolor Pro400H」などの名前を付けて使うやり方があることを知りました。
さっそくいくつか試しにカスタム登録して使っている内に、いやあ楽しい、奥が深い!というわけで、今ではX-T4にもX100Vにもそれぞれ7つずつ登録して切り替えて撮影を楽しむようになったのでした。
ちなみに、これが今(2022年4月)の私のカスタムセットです。
フィルム・シミュレーションは「エフェクト」か
あるときカメラ仲間とフィルム・シミュレーションのことを話をしているとき、「つまりは、エフェクトでしょ。」と言われて、そのときは「まぁそうだな」とは思ったものの、何だかもやもやしていました。
X Storiesの記事みたいに「色の傾向」じゃなくて「色の世界」だよ……なんて文学的な表現をしたいわけでもありません。どうも「エフェクトをかける」という感覚とちがう気がしたのです。
どのFilmで撮るか……そんな感覚
で、ある日……今でもFilmカメラを使っていますが、あるとき「さて、今日はKodakのGold200にしようかな、FUJIのC200にしようかな」と考えてるときに、「ああ、この感覚だ!」と思ったのです。
フィルムカメラの場合、今回はポートレートだからPortra(Kodak)にしようとか、今回は街の様子をモノクロのAcrosⅡ(FUJIFILM)で撮ろうとか、目的や意図に応じて予めfilmを選んで装填しますね。それです。
新緑が綺麗だからVelvia.cstmにしよう。今日のフォトウォークは月島の街だし、NostalgicNegaのあの感じで撮ってみよう。そんな感じなのです。
エフェクトだけどフィルム特性みたいに選んで撮る
例えばX100Vだと、
①フィルム・シミュレーション(X100Vは17種類 *X-T4は18種類)
②グレインエフェクト(粒状感 強度:強・弱、粒度:大・小)
③カラークロームエフェクト(赤・黄・緑の階調拡張 強・弱)
④カラクロームブルー(青の階調拡張 強・弱)
⑤ホワイトバランス(AUTO,K,晴れ・日陰・蛍光灯1〜3,電球)
⑥ホワイトバランスシフト(赤:−9〜9、青:−9〜9)
⑦ダイナミックレンジ(AUTO,100%,200%,400%)
⑧トーンカーブ(High:+4〜−2/ Shadow:+4〜−2)
*X100Vは1step、X-T4は0.5step
⑨カラー(+4〜−4)
⑩シャープネス(+4〜−4)
⑪ノイズリダクション(+4〜−4)
⑫明瞭度(+5〜−5)
などの項目がカスタム登録の内容になります。撮影後に変更していわゆる「カメラ内現像」をすることもできます。グレインエフェクトなどの名前にもあるとおり、確かに「エフェクト(効果)」なのです。①のフィルム・シミュレーションもやはり後から「掛け替える」ことができる「効果」なのですが、これらをトータルしてセットにした一つ一つの「カスタム・フィルム・シミュレーション」は、選んで使う「フィルム特性」みたいなモノなのだと思うわけです、ユーザーにとって。それをX Storiesはカッコ良く「色の世界だ」と言ったのでしょう。
フジのJEPGの再現は一般ユーザーには無理です^^
私は撮影の際には、JPEG+RAWで同時に記録する派です。ポートレート作品などではRAW現像もやります。
でもフジのJpegをRAW現像で再現するのは難しすぎます^^
Lightroomをお使いのみなさんはご存じでしょうけど、LightroomではフジのRAWに対して、「撮ったカメラで使えるフィルム・シミュレーションまで」のプリセットが使えます。
*例えば、X-T4で撮ったRAWの場合「エテルナブリーチバイパス(EB)」のプリセットが使えますが、X100VにはEBが搭載されていないので、X100Vで撮ったRAWのプリセットにはEBが出てきません。
で、例えばクラシックネガのプリセットを当てると確かに「それっぽい感じ」にはなりますが、「JPEGとほぼ同じにできた」と感じたことは一度もありません。きっといろんなトーン階調が複合的に調整されているんでしょうね、フジのJPEGは!
一番好きなのはClassicChromeによるカスタムセット
今、一番のお気に入りは?と聞かれたら、ほぼ常用しているのが、
Classic ChromeベースのNostalgic Negative(X WEEKLYのレシピ)です。*状況に応じて、一部を調整して使います。
ここまで長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
また、X WEEKLY が提供するフィルム・シミュレーション研究の成果は、本当にありがたく利用させていただいています。感謝を込めて。
*記事中で示した作例は、すべてJPEG撮って出し画像です。