私と光栄ゲームパラダイス(14)
1996年に創刊された、歴史とゲームの投稿誌『月刊DaGama』。
積極的に読者と編集部の交流イベントを企画していた同誌が、ついにその総本山である編集部を見学できるという企画を打ち出した。
同時企画として、当時発売されたての格闘ゲーム『三國無双』の大会も行われるのだという。
もちろん応募して、抽選の結果見事当選。
なけなしの貯金をはたき、新幹線で神奈川県は日吉に向かう。自身初めての関東入りにドキドキしながら、待ち合わせ場所に到着すると、旗を持った編集部の方が待っていて、その後全員が揃った事を確認して、編集部のある建物へ。
いわゆる光栄(現コーエーテクモ)の本社ビルではなく、少し離れた徒歩圏内の雑居ビルだった。
正直このあたりの事は、都会の雰囲気に舞い上がっていたからか、あまり覚えていなくて。(なにせ30年近く前の話なので)
でも、漫画や小説好きとしては、いわば聖域とも言える、出版業界の編集部を見学できた時の嬉しさは、まだ胸と脳裏に幸せな感覚として焼きついている。
肝心のゲーム大会はというと、3本勝負のトーナメント制で行われた。8人の参加者に、同じく8キャラのプレイヤブルキャラがそれぞれあてがわれた。(キャラが被らないように調整あり)
私のチョイスは夏侯惇。多彩な連続技が魅力のキャラだ。
それが災いした。
連続技を駆使するには、繊細なコントロール操作やタイミングが必須。緊張で手が震えて、全く思い通りに動いてくれない惇兄い。
あっという間に2本を先制され、勝負有り…。大人しく地元に帰ろう。
ところが、席を立とうとする私に「5本勝負(3本先制)だよ」と編集部の方。緊張のあまりルールもあまり聞いてなかったみたい。
そこで肩の力が抜けたのか、連続技が見事に決まり出した。攻略本に載ってる以上のコンボ数を出した時は、ギャラリー(編集部の皆様と他の参加者)がどよめいてくれて気持ち良かった。
そして2連敗からの3連勝で逆転勝利。やればできる子。
その後も準決勝、決勝と勝ち進み、見事優勝の栄冠を手にしたのであった。
あくまで抽選で選ばれた8人なので、中にはゲームが苦手な方もいたのだけど、それでもゲーム販売元の社屋で「無双」できた事は、素直に嬉しかった。
そして、次号に乗るらしい記念写真をパシャリ。
まさかこの写真が、後々あんな事になるなんて…。
(つづく)