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私と光栄ゲームパラダイス⑧

1993年に光栄(現コーエーテクモス)から創刊された『光栄ゲームパラダイス』は、ゲームと歴史をテーマにした、読者作品主体の投稿誌だった。

ネットの普及前夜において、好事家達の交流&憩いの場として実績を重ね、隔月刊化の後、歴史寄りの『歴史パラダイス』としてリニューアル。

毎号、数百のアマチュア投稿作品が掲載され、令和の現在には誰もが知っているあの漫画家さんの無名時代の作品が載ってたり、逆に私のような門外漢による質より(熱)量的な作品も掲載されるなど、多様性に過ぎた構成が魅力だった。

清濁併せ持った誌面から発せられる、えも謂われぬ香ばしさは、SNSで気軽に作品を発表できる今となっては、もはや再現する事は叶わないだろう。(する必要があるかはともかく)

1996年、創刊から3年が過ぎた頃、そんな希代の投稿本の編集部から、全読者&投稿者を揺るがす一報が発表された。

「月刊化決定!」

「次号から月刊DaGama(ダガマ)としてリニューアル創刊!」

隔月刊から月刊へ。書籍から雑誌へ。

全投稿者がそうではなかったにしろ、私のような日陰に生きる投稿者にとっては、目の前を急に太陽で照らされたような、ポジティブなエポックメイキングだった。

相変わらず胸を張れるクオリティではないが、作品も毎号掲載されるようになって来た。

さらにベットするなら、今このタイミングしかない!

意を決した私は、さらなる実力アップよりも、小細工に力を入れる事にした。

より編集部に覚えてもらえるように、何万枚という作品の中から目に付きやすくなるように、考えたのは…

「ペンネームを変えよう」

まずは見つけやすさ。ポイントランキングを眺めると、漢字だけのペンネームがとても多い。字面のカッコ良さについて漢字名前に軍配が上がるが、見つけやすさは、平仮名や片仮名まじりの方がスッキリしてて目立つ気がする。


(歴史テーマの書籍だけに、漢字ネーミングが多数を占めていた)

そしてテーマ性。やはり、歴史ゲームを主力商品としている光栄の出版物である以上、多少なりともそれを連想させる名前にはしたい所。

ちなみに、ここまで使って来たペンネームは「お馬休」。三国志の登場人物「馬休(ばきゅう)」と、誰もが知る国民的漫画作品をミックスしたスーパー名前だ。長く使って来たから愛着もあった。

ここから脳内で連想ゲームがスタート。

より上を目指すという意味で、馬休と同じ「馬」一族の中での最上位武将、「馬超(ばちょう)」をフューチャーできないものかな。

組み合わせるのは、『お化けのQ太郎』に勝るとも劣らないあの名作のキャラでどうだろうか。カタカナも入れられそうだし、なんなら記号も組み込んで字面のビジュアルとバランスににメリハリを付けてみよう。

そんなこんなで出来上がった新ペンネーム。

以来、30年近く名乗り続け、今では本名よりも定着してしまった「ドン・ガ馬超」が誕生した瞬間であった。

(つづく)

(30年近く経ったいまでも名乗っています)

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