緊急時のマニュアルほど、会社の体質がよく現れる。
型通りの「とりあえず作ったマニュアル」で、満足していないだろうか。
そんな上司の自己満足で、ロッカーの奥に眠っているようなマニュアルは、法律や役所対策では許されるかもしれないが、現場から言わせれば「ゴミ」である。
開店当時から何も改良されておらず、十分に共有すらされていない。
確かに、上司の立場からすれば、共有するのは大変であろうし、いちいちブラッシュアップしたところで、評価されるとも限らない。
でも、だからこそ、緊急時のマニュアルほど、その会社の体質がよく現れる気がする。
緊急時の時に、どこまでお客様にサービスするかどうかというのは、評判に直結するにも関わらず、多くの場合は「まぁ、でもここまでしかできないかな」と懐具合で決めてしまう。
少なくとも中間管理職の立場がマニュアルを作れば、そうならざるを得ない。予算の全権を握る社長あたりが「いや、お客様にすでに不愉快な思いをさせているのだから、身銭を切ってでも埋め合わせをしないといけない」という鶴の一声を伝えない限り、この対応は改善しない。
こうした鶴の一声がない時点で、「お客様の立場に立っている会社」とは言い難い。口先だけだ。
また、一口にマニュアルといっても、事故報告の仕方ばかりで、いざという時の対応の仕方についての指導や指針を示していないことが多い。
具体的に何に困るかを想定したマニュアルになっていないのだ。 判断基準が結局は曖昧で抽象的。こんなマニュアルも「ゴミ」に等しい。
こうした「失敗を前提とした対策」がされていないということは、「会社は、社員に失敗することを許さない」とメッセージを発しているようなものだ。
上の立場からしたら、時間もないのに耳が痛くて面倒な話でしかないわけだが、でも、だからこそ、経営者の人格や目指している方向を裏付けるものとなる。
ここで会社の負担になろうと、きちんと誠心誠意の対応をすると決めているだけで、良心のある従業員からしたら会社を信頼するきっかけとなる。
逆に「まぁ。法律上裁かれないようにすればいいんだよ」というような会社は「うちの会社は胸を張れる会社ではないな」という評価に繋がりかねない。
そういう会社を好きになる社員は、正直少ないと思う。
ちょっとイラつきが爆発した下っ端のわんこでした。(上司さん、難しいことはよくわかってるわん! 生意気だと思われても仕方ないけど、でも、問題なことに気が付いて! 社長も体質を改善しようと思ってほしいわん...!)