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アラフォー新郎はいかにして結婚式の衣装を決めたのか?
昨年末の記事で、結婚式をしたと書いた。ベストバイである。そこで、新郎衣装をどうやって決めたかについて書くと予告したので、この記事では、新郎衣装を決めるまでの過程と、結婚式本番の様子を書きたいと思う。
結婚式基本情報
まず、自分たちがやった結婚式について。会場は、主に日本酒やビールを作っている醸造所に併設するイタリアンレストラン。古民家を移築した建物で、自然に囲まれた落ち着いた雰囲気。いわゆる結婚式場ではないので、こういうことをやりたいとプランナーさんにいえば、だいたい実現可能な自由度の高い会場で、衣装もレンタルでも持ち込みでもOKだった。
そんなこともあり、デザイナーでもある妻は、式のあれこれをたくさん企画・デザインしてくれたのだが、なんと、自分のドレスも手作りした。それなら新郎の衣装も? と思うかもしれないが、さすがに技術的にも時間的にも作れんよ、とのことで、自分の衣装はレンタルか購入かすることになった。
結婚式の衣装は、まず新婦のものが最優先で、それが決まり次第、新郎の衣装も決まる、というのがわりとよくある話だと思う。我々の場合、そういう一般論をそこまで意識していたわけではないが、おおむねそんな感じの順序で決まっていったと思う。すなわち、妻がドレスを作ると決まって、ある程度デザインが決まってから、自分も衣装の雰囲気を決める感じ。
前史:衣装屋さん
先を急いでしまったが、念のため、妻が衣装を作ると決めるまでのことを書く。
何はともあれ、まずやったのは、お店に行って、雰囲気を掴むことだった。初っ端、青山にあるわりとしっかりしたお値段のする衣装屋さんに試着をしに行った。ここで妻は洋装も和装もいろいろと試着して、雰囲気を掴んでいた。自分も試着することあるかなと思って身構えていたが、その日は新婦だけで終わった。そして見積もりを見て、オー……となった。
そのあとは妻が自由に試着できるタイプの衣装屋さんに行ったりしつつ、もう一軒、最初に行ったお店よりは幾分グレードの下がるお店にふたりで試着しに行った。ここではじめて自分も試着することになり、3着ほど着た。その時は緑や茶、濃紺のスーツを選んだ。それは会場の雰囲気的にこういう色がいいかなと思っての選択だった。
着てみた感想としては、なるほど……という可もなく不可もない感じ。残念だったのはサイズがぴったりのものがなく、着られている感がすごかったというところだった。妻もドレスのサイズ感が微妙だったらしく、もうこのあたりで、自分に合うドレスを自分で作る決意を固めていたようだった。
そうなると、どこかのお店で一緒に衣装を借りるということもなくなるし、レンタルするなり買うなりを自分で決めねばならない。どうするかなあと思いつつもまだ結婚式まで9ヶ月ぐらいあったので、たまにネットで調べたりするぐらいで行動を起こせずにいた。
前史:相談・物色
この間、通ってる美容師さん(同じぐらいの年齢で既婚、おしゃれ)に結婚式をやることを言って、衣装を考えてるというと、いくつかセットアップがかっこいいブランドを教えてもらって、実際に見に行ったりもした。そのうちのひとつは例えばAURALEEのセットアップで、たしかにかっこいいけどかなりカジュアル寄りで、これを結婚式に落とし込む力量が絶対的にないので、断念した。思えばこの頃は、同じ会場で式をしたみなさまの写真を見せてもらって、それらがけっこうカジュアル寄りの衣装の方が多く、印象的に見えてしまって、それに引っ張られてしまっていたんだろうなと思う。
そんなこんなで、頭の片隅に衣装のことを据えつつ、本格的にはじまったプランナーさんとの打ち合わせで衣装のことを聞かれると、
妻の「作ってます!」に対して
自分「考えてます……!」
という答えしかできず、じりじりと日が過ぎていき、気づいたら本番4ヶ月前になっていた。
これくらい直前になると、レンタルだと希望のものを借りれるのか(在庫があるのか)という時期だし、(セミ)オーダーということになったら仕上がりがギリギリになりそうな雰囲気がある。妻のドレスが着々と仕上がっていく中、もうどうしたらいいかわからん! と頭を抱えていると、妻が「伊勢丹行ってみたら?」という。
伊勢丹
「伊勢丹に行く」とは、単に伊勢丹に行って物色するということではなく、伊勢丹のコーディネートサービス使ってみたら? という意味である。妻は以前、三越で骨格診断とコーディネートを提案してくれるサービスを使ったことがあって、同様のサービスが同じグループの伊勢丹メンズ館でもあるらしいとのこと。サイトを見てみる。
カラー診断+骨格スタイル分析+店内アテンド 22,000円
22,000円! 妻が受けたサービスはエムアイカードがあれば無料みたいな感じだったらしいので、なかなかの値段にビビる(いま見たら伊勢丹の女性向けのも同じ値段なので、三越と伊勢丹の違いだったかもしれない)。とはいえ背に腹は変えられないし、ちょっとおもしろそうなので、申し込んでみることにする。
申し込み時にいろいろとアンケートに答える。どういうシーンで着るのか、予算は、サイズは、普段着るブランドは、好きな色は、等々。シーンやスタイリストさんへの要望は、こんなことを書いていたようだ。
Q1 ご用途や着用シーン、着用日程など詳しくお教えて下さい。例:通勤着で毎日
結婚式(フォーマルよりはカジュアルより)の新郎としての衣装。10月後半予定。
Q9 スタイリストへのご希望や、事前に伝えておきたい事がございましたらご記入下さい。
カジュアル寄り、フォーマル寄り、真ん中ぐらいと、いろいろな可能性を探れるとうれしいです。
カジュアルの可能性に引っ張られていることがよくわかる。予算は選択肢になっていて、5万からのスタートだが、セットアップは10万からと書かれていたので、ですよね〜……という気持ちで10万〜20万を選ぶ。同伴者OKとのことなので、妻にも来てもらうことにした。
アテンド当日
いよいよ当日。伊勢丹メンズ館の8階の奥、香水とか売ってるところのさらに奥に向かうと、男性が2人立っている。名前を言って部屋に入る。
スタイリストさんは2人。ひとりがメインで話を進めて、もうひとりはサブなのかな?という感じだった。無論ふたりともキマっている。紹介などを済ませて、本題に入る。事前のアンケートで結婚式の衣装と伝えてあったので、結婚式について詳しく話す。ドレスや演出、会場の雰囲気など、妻が話してくれて助かる。話を聞きながら、スタイリストさんはどんな提案をするか考えていたようだが、だいたいこの時点で、ある程度フォーマル寄りがよさそう(というか無難)と言ってくれていた。
結婚式の雰囲気はレストランウェディングでカジュアル寄りだが、新郎衣装までカジュアルにすると、浮きすぎてしまう(ゲストはそれなりにドレスアップしてくるので)。一方で、タキシードのようなものでかっちりしすぎてしまうのも式の雰囲気や新婦のドレスとも合わなくなる。となると、スーツにするのが良さそうですね、とのこと。言われてみるとたしかにそうなるよねという話なのだが、悩みまくってたせいで妙に納得してしまった。
診断
骨格診断
だいたいの説明が終わると、診断に移っていく。まずは骨格診断から。骨格診断、話には聞いたことあってネットで簡単な診断をやってみたことはあるが、あんまりよくわからなかった。科学的根拠があるのかも謎だが、だいたいの傾向としてこういう体つきの人はこういう服が似合うよ、ぐらいのものだと思っておけばよさそう。
タイプはストレート、ウェーブ、ナチュラルの3種類(だいたいの説明は上のリンクを見てほしい)。我々の診断は、3種類に適したジャケットを着て、どれが合うか見ていく。
まずストレートを着ると、なるほど、いいですねという感じに言われる。次にウェーブを着ると、ですよね〜、みたいな雰囲気になった。スタイリストさん的にはパッと見でウェーブだったらしい。いちおうナチュラルのも着てみるが、これは違うねとなる。診断はウェーブだった。
ストレートのジャケットが若干細身だったからか、あまりウェーブとの違いはわからなかったが、ナチュラルのはぜんぜん違う、これはがっしりした人が着ると似合うやつだとよくわかって、おもしろかった。ウェーブはざっくり言うと、スリムフィットとか着丈短めが似合うらしい(もらった資料がわかりやすいのだが、ここには貼れない)。
パーソナルカラー診断
次にパーソナルカラー診断。肌の色とか目の色などに合わせたときにどういう色が似合うかを見ていく。これは4種類に分けられて、イエベ春、ブルベ夏、イエベ秋、ブルベ冬、みたいに分かれる。イエベはイエローベース、ブルベはブルーベース。下の記事はまさに伊勢丹メンズ館のものだが、そこでは「ディライト・ソフィスティケート・ハーベスト・パーマネント」と言っていて、そういう言い方もあるらしい(もらった資料ではそう書いてあるが、イエベ・ブルベで説明された気がする)
椅子に座って、鏡を前にして、スタイリストさんが自分の顔の下にさまざまな色の布を持ってくる。それから、布を一枚ずつ、すばやく切り替えていって、顔の印象を見る。

最初、どうしたらいいかわからず、布が切り替わる様ばかり見て顔の様子をまったく見ていなかった。顔に注目するようにしても、色での違いがあまりわからない。スタイリストさんと妻は、この色は明るく見えますねとか、ひげ剃りあとが目立つねとか、この色はおじさんぽいねとか言っている。言われるとそんな気がして、なるほど~とか言ってみるものの、やっぱりわからない。自分の顔をまじまじと見ることもそんなにないし、ひげ剃りあともデフォであるものという認識だとそんな感じになってしまう。女性はお化粧とかでそのあたりの解像度が細かい(というか男性が荒すぎる)のかもしれない。主語がでかい。
そんなこんなで進めていくと、やがて、とくにブルー系が合いそうという結果になり、ブルベ夏(ソフィスティケート)という診断になった。ブルベ夏だからといって青ばかりが似合うわけではないが(例えば赤でも似合う赤と似合わない赤がある)、自然と手に取ることが多くて、無難かなあと思っていたぐらいの色なので、無意識的に似合うと思っていたのかなと少し納得した。ちなみのこの日も水色のシャツを着ていた。
最後に、このブルベ夏という診断から、このあとスタイリストさんが提案する衣装のカラーを決めた。ブルベ夏に合う色の中で、結婚式で新郎が着る衣装の色としてふさわしい色(自分も突飛な色を着るつもりはないので、ある意味無難な色)だとブルー系(紺、青)かグレーが考えられるが、グレーよりもブルーのほうが守備範囲が広いことを考えると、紺とか青のものを提案したい、というようなことを言われて、自分も妻もわりと好きな色だし、会場その他の雰囲気にも合いそうなので、それでお願いします、となった。これにて診断終了。
店内アテンド
骨格ウェーブ、ブルベ夏という診断結果を携えて、次はいよいよ衣装の提案をしてもらう。スタイリストさんの頭の中では提案したいブランドが2つあり、両方とも5階にあるので、部屋を出てエスカレーターで向かう。伊勢丹メンズ館の5階は、フォーマルやドレススタイルのフロアである。
世間話的なことを話しつつ、エスカレーターを降りて行くと、突然スタイリストさんが6階でアッ!という感じになり、ちょっと見てみましょうと言って店に吸い込まれていった。6階はどちらかというとカジュアルで、わりと日本や世界の旬なブランドが多く並んでいる階である。スタイリストさんはその一角のポール・スミスでディスプレイされていたスーツを見てピンときたらしい。妙にライブ感がある。ポール・スミスはもちろん知っているが、着たことがなく、自分よりも若者向けなのかなあと思っていたので、意外だった。
店の方(坊主に剃り込み入ってて、がっちり体型にスーツがバチッと決まっててめっちゃかっこいい)に事情を説明して、ディスプレイされているものを用意してもらう。ブルー、あるいは明るめの紺といった感じの三つ揃いのスーツ。シャツなどはとりあえず適当に借りる。このスーツ、吊るしのものだが、サイズがかなり絶妙に自分に合っていて、ビビる。臆せず写真を貼る。

自分は身長に対して細すぎるので、既製品で細さを合わせると着丈袖丈が足りない場合があるのだが、これはかなりちょうどよかった。腰回りもほぼぴったりで、誂えたようでかなり着心地が良かった。ベストだけはちょっと短かった。
スタイリストさんの直感で急遽着てみたにも関わらず、これだけぴったりのものが出てくると、かなり気持ちが傾く。この時点ではまだ買うレンタルかも決まっていなかったが、これでだいぶ脳がやられたと思う。
さてポール・スミスでの試着は一旦ここまでにして、本来のスタイリストさんの候補を見に、あらためて5階にいく。大量にあるスーツの中から、ティモシー・エベレスト・ロンドンというブランドのものを着せてもらう。知らないブランドだったが、ダニエル・クレイグの007のPOPがあり、いきなり緊張する。ダニエル・クレイグ・ボンドのスーツ姿のかっこよさは尋常ではないので、畏れ多い。誰もそんなことは気にしていない。
ティモシー・エベレストはポール・スミスよりも濃紺で、シルエットも細身ではあるが気持ち余裕がある気がする。購入して、結婚式後の何かの時に着るとすると、こちらの方が使い勝手がよいかもしれないと思った。ちなみに値段はこちらが少し高い。

スタイリストさんの考えていたもうひとつの候補は、ポール・スミスの登場によって消えた。いま思えば、ブランドだけでも聞いておけばよかった。
とりあえず試着が終了。正直このあたりでどういう話になったか覚えていないのだが、まず、買うのか買わないのかを考えた。このアテンドは、もちろん商品を購入する必要はない。このおすすめ提案を持って他の店に行き、これらに近い、より安い商品を探す、というのはありうる。ただ、それが見つかる保証はないし、時間も限られている。レンタルも同様だ。それならば、買ってしまうのがいいんじゃないか、となった。
そしてこの2ブランドのどちらにするか、あるいは別のを紹介してもらうかでいうと、気持ちはポール・スミスの方にだいぶ傾いていた。スタイリストさんの偶然と直感で出会ったというのもあるし、自分の体にもほぼぴったりで、大げさに言えば運命的だった。結婚式以外でも着るとなるとティモシー・エベレストのほうがいいかもしれないが、せっかくの結婚式、ちょっと華やかな方がいいかなあという判断もあった。
ポール・スミスにする、とこの時点でほぼ決まってはいたが、最後にもう一度試着したいということで、再度6階に行く。また同じ店員さん(かっこいい)に準備してもらって、試着する。うむ。良い。やっぱりこれで行きましょうとなった。
そうすると、あとやることは、まず各丈の調整。そのままでもだいぶジャストサイズではあったものの、スタイリストさんのこだわりで微妙に袖丈を調整した。ズボンの裾もおまかせ。ベストに関しては、同じサイズだと短すぎるということで、サイズを一つ上げ、腰回りを調整して見栄えが良くなるようにした。直しはこの3箇所。
あとは他のアイテム。シャツに関しては、普通の白いシャツでいいかなと思っていたが、刺繍が入っているドレスシャツがあり、近くで見ないとわからない小粋な感じで、華やかでいいんじゃないかと提案された。妻も気に入っていた。先取りになるが、式の中座後にジャケットを脱いで登場することになったので、ちょっと遊び心のあるものにして良かったかなと思っている。
あとはネクタイやポケットチーフ、ベルト、靴下、靴などがあったが、それは直しが完了して受け取るときに決めましょうとなった。
この時点で高い買い物をするということで頭がオーバーヒート気味だったのだが、ここは伊勢丹、支払いはエムアイカードがお得ですよということで朦朧としながら入会することにした。ゴールドだけどこの金額なら入会金免除ですとか、ここから登録するとクーポンがもらえますとか、お直しはこのクーポンを使えますとかいろいろ説明してくれた(どうするのが一番お得かめっちゃ考えてくれた)が、ひたすら頷くだけだった。一時的に8階に戻り、カードカウンターでエムアイカードを作る。ちなみにポール・スミス側にもアプリがあるので、それも貯めた。
戻って会計。目玉が飛び出そうになるが、平静を装う。シャツの入荷と直しが完了次第連絡をもらうことになって、その日のアテンドは終了。疲れた。
続・店内アテンド
しばらくしてシャツの入荷と直しの完了の報告を受け取り、再度伊勢丹へ。妻もついてきてくれた。
直した三つ揃いと、シャツをあらためて着てみる。ぴったり。シャツもいい感じ。ネクタイとチーフはとりあえずスタイリストさんが選んでくれたものをつけてみる。良さげ。ただ、他にもいくつか出してもらった。正直どれも良くて難しかったのだが、ネクタイは妻がかわいいと手にとってくれた、水色にうっすらパターンが入っているものにした。チーフは白地に青い縁取りがされているもの。パーソナルカラーをこれでもかと攻める。
ベルトはどうします?と言われたが、これは手持ちのスーツ用のベルトでいいかなと思って買わなかった。ジャケットやベストで隠れるので、そこまでこだわる必要はないかなという判断。靴下も一旦保留。普通の黒靴下でもいいが、ちょっとドットの入ったようなものでもいいんじゃないですかと言われた。
靴は、別途提案してもらうことにして、地下1階に向かう。フォーマルなので、ストレートチップ。スタイリストさんと、紳士靴販売員の方に2つ提案してもらう。
まずは三陽山長の友二郎というモデル。三陽山長の定番だそう。ここで足のサイズを測ったら、24cmですねと言われてビビる。そんな小さかったの? と思ったが(実際小さい)、諸々考慮してこれがベストとのこと。かなり締めつけられる感覚があったが、履いていくとコルクが沈んでなじむらしい。かっこいい靴だ。そしてそれなりのお値段。
もう一つがスコッチグレインで、自分も昔履いたことがある。こちらは三陽山長に比べるとだいぶ値段が下がる。実際履いてみると、たしかにこんな感じだったなあと記憶が蘇る。
値段が全然違うので、履いたら三陽山長に軍配が上がるのは当然っちゃ当然なのだが、しかし買ってしまっていいものか、迷う。その日は決められずに、退散した。
後日、意を決して、地下1階に行き(スタイリストさんはなし)、三陽山長を買った(プラス、シューキーパー)。毒喰らわば皿まで。毒ではない。
最後に靴下は、黒い普通のやつと、ポール・スミスでちょっと洒落っ気のあるやつを買った。
これで、衣装が、揃った。
結婚式本番
さて、ここからはいよいよ結婚式本番。前日ギリギリまで準備をし、慣れないホテルで夫婦共々全然寝られず、朝早くから準備に向かう。
妻が着替えやメイクをしている間ボーッとする。そして、そろそろと言われて着替えて、メイクをしてもらう。打ち合わせの段階では、新郎メイクはいらんかなあと思っていたが、妻のメイクリハのときにメイクさんに「新郎もメイクしたほうがいいですよ!」と言われたらしく、わりと直前で追加した。ちなみに、髪のカットと顔剃りは2日前に行っている。髭はもちろん当日に剃った。
メイクしたことないので、そんなに違うかなあと思っていたのだが、やってみると、妻は明るい!とか若い!と言っている。鏡を見ても、眉毛の形がいつもと違うかなぐらいはわかるのだが、血色良さそうに見えるならやってよかったなと思った。寝不足だったし。
スーツたちは厳重に保管していたので、問題なかったが、シャツだけは折りたたんだまま保管してしまっていたので、スチームアイロンを借りてギリギリまでシワを伸ばしていた。これはちょっと失敗だったなと地味に思っている。
そして、ふたりとも着替えとメイクが終わって、前撮りへ。ここまで書いたからには、写真を晒しますよ……。全身はこんな感じ。

笑顔を求められると緊張してこの顔一択になる。カメラマンさんはいい笑顔!と言ってくれたが、妻はそのことをよくわかっているので、笑っていた。

最初に書いたが、会場は日本酒やビールを作っている蔵元にあるレストランで、敷地内にはこういう雰囲気の良い施設がたくさんある。当日着て(来て)みて、この雰囲気に、ちゃんと衣装が合っているなあと思って、安心した。ちなみにブーケとかブートニアも、お花屋さんがめちゃめちゃ雰囲気に合う素敵なものを用意してくれた。時間が経って、いまあらためて見ると、色合いも合っていて、良い。最後に室内での1枚。

以上が、基本パターン。冒頭にも書いたが、新婦衣装は妻の手作りである。本当にすごい。
ふたりとも衣装はこの一着ずつで、中座のときにお色直しとして、少しアレンジをした。妻は髪をまとめて、お花を変更し(お花屋さんが2パターン作ってくれていた)、リボンをつけた。自分は、ジャケットを脱ぎ、蝶ネクタイにした。これは妻の提案。
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蝶ネクタイは妻が作ってくれたもので、色と素材をリボンと同じものにしている。いろんなものの準備の合間に、ちゃっと作ってくれた。かわいい。

ちなみに、誰も気づいていなかったと思うが、このタイミングで靴下も履き替えている。
以上が本番での実際の着こなし。これで最後まで駆け抜けました。
まとめ
というわけで、だいぶ長くなったが、以上が結婚式の衣装についての記録である。
自分の衣装は、結局、ベルト以外のほぼすべてのものを購入することになり、なかなかの買い物になってしまった。これにアテンドの料金も入ってくる。総額はご想像にお任せするが、それなりのところでレンタルしたら同じくらいの値段はするかもしれない、ぐらいのボリュームになったので、そういう意味では自分の納得いくものを購入して所有できた、という満足感はある。レンタルで安く済ませるのが目的というわけでもないし。
アテンドに関しても、かなり満足感があった。骨格診断とパーソナルカラー診断は純粋におもしろかったし、商品の提案もよかった。結果的に2回時間をもらって、丁寧に対応していただいたので、非常にありがたかった。自分はたまたま結婚式の衣装だったが、いろんなシチュエーションでコーディネートを提案してもらうことができるので、服装に困る人は一度受けてみるといいかもしれない。診断なしのアテンドは無料で受けられる。
そして本番。実際に着た衣装は妻の衣装とも会場の雰囲気ともバッチリ合っていたと思う。お色直しではアレンジでバリエーションを出すことができた。これは妻が蝶ネクタイを作ってくれたことで、全体の結婚式のテーマでもある手作り感にもつながって、良かったと思う。妻に感謝である。
正直、この衣装一式をふたたび着る可能性はだいぶ低い気もしているけど、それでも、衣装を含めて結婚式全体をすばらしいものにできたという満足感には代えがたいと思っている。そういう意味で、妥協せず、納得のいく衣装選びができて、良かった。伊勢丹ありがとう。結論がそれでいいのか。
以上、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。そもそもこの記事は、結婚式の衣装ってどう決めればいいの?と悩んでいたとき(「前史」の部分)、衣装選びの体験談があればいいのに、と思ったのがきっかけだった。自分が探したかぎり、新郎の衣装選びの体験談は(とくに自分の年齢層のものは)、ネットにはほとんど転がっていなかった。だから、めちゃめちゃ個人的ではあるけれども、自分の体験談をネットに放流しておけば、誰かの役に立つこともあるかもしれない、という気持ちでこの記事は書かれている。そうなったら、幸いである。
最後になりましたが、我々夫婦の結婚式に関わってくれたすべてのみなさまに感謝申し上げます。ありがとうございました。