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『ふゆから、くるる。』の百合ゲー検証(製品版)と感想
【前回の記事】で百合ゲーか検証を行ったエロゲー「ふゆから、くるる。」が発売され、一通りクリアをしたため百合ゲーであるか?という点からレビューをしたいと思います。
この記事を書き始めたときはう~んこれは百合じゃない・・・って思っていたのですが、書きながら内容を整理していくと実は結構百合だった気がしています。
結論としましては、
・ベースは百合
・最後は全カプ(片側)ふたなり
懸念点として
・ふたなりの呼び方が悪い
でしょうか。
上記に注意し、ふたなりが許容できるならプレイしてもいいと思います。
ちなみにどうやっても回避できない為、ネタバレは全開で行きます。
1.概要のようなもの
体験版の記事で記載したものは省略します。
【プレイ時間】
序盤終盤をオートモードで、中盤を文字だけ追って読んで約12時間くらいかかったと思います。なかでもHシーンのテキスト量が多め(総量の半分くらい?)となっており、中盤飛ばし気味に読んだのもそこです。
【構成】
日常パート(Hシーン×6)→事件パート→ふたなりHパート(シーン×3)
→→SFパート?
という感じでした。
【価格】
フルプライスです。後悔のないよう十分検討してから買いましょう。
【Hシーン】
後述します。
2.百合とふたなりについて
※超絶ネタバレです※
残念ながら物語中盤で半数が生えます。
半数というのも、各カップリングに対して片方がきっちり生えます。
なので最終的には全部ふたなりカップリングになります。
【何故?】
作中の諸事情により、全員お薬で生えます。
なので、一応ベースとなる心も身体も女性です。
ざっと理由を説明しますと
主人公たちは死んでも新しい体で生まれなおせる不死の存在で、女性のみの箱庭で暮らしていたのですが、諸事情により生まれなおすことが出来なくなる(つまり本当に死ぬ)個体が増えていき、そのままでは将来全滅してしまうことが判明します。
その対策として女性同士で交配し子孫を作るため、お薬でふたなりになる
というわけです。(極力配慮した説明)
以下はこの事情を前提に話を進めていきます。
【類型】
・身体的変化
もとの身体が女性ということもあって、胸あり穴あり竿あり玉なしです。
主人公曰く「クリトリスが肥大化した」とのことですが、射精もします。
詳しくはわからないです。
・精神的変化
お薬がなんなのか分からないのですが、ふたなりになった主人公が多少暴力的になり性欲も強まったと言われる描写があります。
でもぶっちゃけふたなりになってない他のキャラの方がいろいろと行動が過激であったり性癖がヤバかったりするのでえ、そうなの?って感じです。
主人公は性欲ランキングも暴力性ランキングも9人中4位くらいだと思います…。
【カップリング】
体験版の記事での判断とは少し異なっています。
作中正式なパートナーとなっているのは中央の主人公カプと左下の会長カプです。
【Hシーン】
全部で9シーンあり、上記カップリングで行われます。
基本1カプにつき2回で、最初から生えてる主人公カプ以外は百合HとふたなりHが1回ずつといった感じです。
・百合Hシーンについて
純粋な百合Hは上にある画像の左側の2カプと右上の双子カプで、3カプ3シーンです。
※注記しておきますと、それなりに激しい凌辱プレイをするカプ?もあり、またそのシーンでは道具を用いるシーンもありました。
・ふたなりHシーンについて
作中の諸事情により子孫を作ることが目的でのHとなっています。
結構飛ばしたため内容については後日追記するかもしれません。
上記より、Hシーン目的でプレイするのも、アリです。
3.よかったところ
【ベースは百合であること】
前述しましたが、主人公含めこの世界の住人はもとは全員女性です。
そしてどのカップリングも基本的に元から結ばれていたり、百合Hをした後から生えてふたなりHをします。
最初から生えている主人公とヒロインのカプも、女性としてお互いを選びパートナーになったということが作中で強調されていました。
なのでこういう経緯であれば私個人の見解としましてはふたなり百合と呼んでいいのではないかと思います。
【百合Hシーンのボリューム】
前述したようにこの作品のHシーンは結構ボリュームがあり、百合Hシーンでも手が抜かれるなんてことはなく、1シーンにつき受け攻めが入れ替わったり、攻め方が2通りあったりとかなり丁寧です。CGも差分なしで1シーン3~4枚です。
4.悪かったところ
【言い方】
中盤以降、各カプで片方が生やして子孫を作るわけですが、その際やったら男、男、男になる、男になる、と連呼します。これが百合好きからしたら結構耳障りなわけです。
このせいでプレイが終わったとき結局男女になったかぁ・・・という哀しい気持ちになったのですが、よくよく考えると元は女性同士ですし、精神は女性のままであり身体的変化も竿だけなので、作中で言われてるほど男か?と思い直したわけです。
ふたなりは男じゃない😡
ただ作品の雰囲気を守るために「ふたなり」という言葉が使えないのは分かりますが、せっかく作中で付き合っている女性同士をパートナーと呼んだりと配慮が見えるのですから、
私の勝手な希望ですが、男でなく「生やしたほう」男になるでなく「生やす」などと柔らかに表現して欲しかったです。
これからプレイする方は好きなように脳内で変換してもいいと思います。
まあ、このシリーズのテーマとしている仏教的な元ネタが輪廻からあれして男女のそれがそういうあれなのかもしれませんが。
そもそも■(ネタバレ)が交配するのに竿必要ある?なんだったら身体もいらなくね?なんてことも考えましたが、そこは成年向けゲームであることと、シリーズ的に本来百合好き向けでないことも考慮すると
普通のエロゲユーザーよりも百合好きよりに配慮した落としどころであったように思えます。ありがたいことに
5.結論
ふたなりです。
しかし、作中パートナーとなったキャラ達は「ふたなりだから結ばれた」のではなく「結ばれたから子孫を残そうと生やした」というわけなので、十分ふたなり百合であると言ってもいいと思います。
なので、ふたなりが許容できる方には、百合ゲーであるか?という観点であればオススメできます。
丁寧でボリュームのある百合Hシーンだけでも価値はありますし。
SF部分が多少ややこしいのでそこら辺の相性もありますが、総じて自分は十分楽しめました。
ふつうのエロゲメーカーから出た貴重な(ふたなり)百合作品ですので、もしこの記事で少しでも興味を持った方は是非買ってみてください。
6.体験版での検証の反省
以降は飛ばしてもらっていいです。
まぁさんざ予防線を張っていたので、予想外の致命的なダメージを食らうことはなかったです。
【性自認が女性】
これは無事でした。
【プロローグ】
本編より後の時系列だと思われる話がプロローグで描写されるのですが、そこで(生まれ変わってた)主人公は「角オナ」を画策するところでヒロインと遭遇します。男の角オナというのはあまり聞かないため、本編中ではふたなりだとしても最終的には女性×女性という関係になる可能性が高いとふんでいます。
プロローグの主人公は生えていました。私の見識不足です。謹んでお詫び申し上げます。(わかるかこんなん)
【9人4.5カプ】
これだけキャラがいて、これだけカップリング(そういえば一応固定カップリングのようです、以下画像を参照下さい)があれば1組くらいは純粋な(ふたなりを介さない)百合カプがあってもいいはずです。
・・・ただの希望的観測ですね。
・・・ただの希望的観測でしたね。
【シナリオライターのツイート】
渡辺僚一@watanaberyoichi
『ふゆから、くるる。』に百合的な側面はありますが、百合作品ではありません! 性を仕掛けにしたSF作品です。おもしろい作品を作ろうとした結果そうなりました
せん!と断言していた割にはそこまでだったので、我々百合好きが勘違いしないように忠告してくれていたのだとも思えます。
【メインはSFであること】
経験的に、こういうSFにおける百合(特に導入部の)であったり、ふたなり(両性具有)というのは物語終盤でだいたい性という概念を超越したり根源がどうとかでヘテロに還ったりすることが多いのでサブキャラの純粋な百合どころかふたなりもの(心は百合であるという意)としてすら期待するのは危険であることが多いです。
公式のジャンル区分も『学園SFミステリー』であり、百合でも恋愛でもないです。
ヘテロに還るというのは予想の中で一番恐れていたオチだったのですが、前述したように中身の描写がキャラに対して真摯であったため、なんとか精神は保たれました。
ふたなりものであり心も百合でしたし、恋愛に関してはちゃんと百合として恋愛してから生やしていました。ここは嬉しい誤算です。
【生えたり生えてなかったりするキャラ】
先ほどの『生えている1人目』ですが、ギャラリーでは生えているのに体験版では生えていなかったりします。そういうことのある世界観のようです。困ります。
キャラ数が奇数でカップリングからも溢れるので、フレキシブルな存在なのかもしれません。
的外れもいいとこでした。フレキシブルってなんだよ。
7.百合的視点を除いた作品についての所感
ネタバレ部分の話になるのでプレイした方以外は飛ばしてください。
【失敗した主人公について】
願いについて悟る描写が欲しかったですね。ヒロインとの別れもあんなんですし。
祈りのチェスが生まれたということはそういうことなんでしょうけれども。
【多様性について】
勝手な解釈にはなりますが。
作中では交配の目的は多様性の獲得であると謳っていましたが、そもそものダメージの原因が電磁波であるので、針が電磁波に強い多様性を獲得したというよりは、頭数を絞って受けるダメージ総量の低減を図る狙いだったのではないでしょうか。エントロピーというより単純なリソースの話のように思えましたし。
以下妄想
HP100の人間4000人が船に乗っており、101日で目的地に着く予定の旅に出ました。 しかし航行を開始したところ、毎日全員のHPが1か2減っていくことが分かりました。
【50日目】2000人のHPは0に、もう2000人の人間のHPは50になっていました。
このままではたどり着けないので、HP50の人間2人を費ってHP100の人間をつくれるようにしました。
その結果、HP100の人間が1000人できました。
【75日目】500人がHP50になったので、HP100の人間を250人つくりました。
【100日目】残りの500人がHP50になったので、HP100の人間を250人つくりました。
そうして101日目に、HP50~100の健康な人間500人が無事旅を終えることができました。
ちなみに最初4000人、半分時点で2000人、到着時500人は作中情報と一致します。
【オチ】
願いが届くのも想うのもシロツメクサもとても良かったです。ハッピーエンドです。
どんなに未来がなくても前向きに終わるのが私は好きですので。
【大オチ】
大ハッピーエンドです。
・情報
anonymous callっぽいですね。
あの世界は針とで単純なソフトとハードという話ではなさそうだったので難しいですが、届いているということは届いているということなのでしょう。