20240705 日録(老い・誠実)

出来事:リアルでは特になし。漢とかdutch montanaが田母神支援に回ってるらしい、とのツイートを見てうんざりしたりはした。

読んでる本:ドストエフスキー『悪霊』。
奇妙なカリスマ性を持つ青年・ニコライを中心に繰り広げられる男たちの狂騒。登場人物は軒並みひとかどの「思想」を持っていると思われたいインテリ(志望)ども(今だったら外山合宿の周りをうろついているようなひとびと)。彼らを描写するドストエフスキーの筆致は皮肉に満ちており、現代の人文インテリどもにも突き刺さる、いささかも古びていない書きぶりには驚かされる。「誠実」ぶりたがる俗物の思想家・ステパン氏などなかなかに愛らしい。
思想小説と呼ばれることすらある本書だけれど、今のところ(第二部の途中)、そのような形容はピンとこない。作中人物が表明している思想は、それなりに凝ってはいるけれども独創的ではない。むしろ「思想」を介して描写されている人間/関係こそが肝ではないか。

見たアニメ:新米オッサン1話。
串田アキラ御大のOPに不意を突かれて大笑いしてしまった。
中年になってキャリアチェンジして夢を追いかけることにしたおっさん(とはいえ32だよ?)が自分を馬鹿にする周りの若者を薙ぎ倒していく話。需要に適切に応えているな、と思った。
私ってこのアニメのかませみたいな人間なのに、あと数年したらおっさんぐらいの年になってしまうのか。やだなあ。以前、せやろがいおじさんが「何も考えずにスカッとできるからなろうアニメが好き」という旨をラジオで語っていたんですけど、私が将来、真面目で努力を怠らない人間にはついになれず、現状のまま、つまり怠惰で卑怯な人間のまま老けていったとしたら、何かで「スカッと」したくなったときに何を見ればいいんだろうか。ニッポン無責任時代とか?
いや真面目に生きろや、という話なのだが…。

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