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わたしへ、今年はどうでしたか?

「今年一年は、どうでしたか?」

と訊かれた時に、

"実りある一年でした!"と応えられるかな

自分はそんなに頑張れたかな
ちゃんと動けてたかな
怠けてなかったかな 

暮れが迫り、そんなふうに反省しています

「今年はどうでしたか?」

"コロナは収束しないし、北欧は戦争するし、日本のかつてのリーダーが日本人に殺されるし、政治家はカルトの話しかしなくなっちゃったし、増税するし、レジェンド級の芸人が自殺するし、レジェンド級の漫画家は急逝するし、アニキも闘魂もいなくなっちゃったよ"って

こんなのごく一部で

次々に不幸な出来事ばかりが頭を過って
または実際に言葉に出されて耳で聞いたりしているうちに


だんだん腹が立ってきた

あまりに偏ってないかなって思う

世間は病んでる、確かにそうかもしれない

世間の風潮が気持ち悪くなってるのは否定しない

でもそれだけじゃないじゃん


"若い子は忍耐を知らない"
"なんでもかんでもパワハラ、セクハラ"
"政治家はみんなカルト"
"会社の上司は時代遅れの無能"
"教師は変態で無能"
"ポリコレこそが表現の世界の新たなルール"
"女を凛々しく自立させて、マッチョな男はどんどん虚仮にしよう"

このへんかな、いま流行りの風潮的なのって

すでに多くの人がこの風潮を真に受けて、萎縮しちゃってる

でもこれって誰が言い始めたのって思う

メディアの受け売り、じゃないのかな?

でも、メディアの陰謀だ!  って話でもなくて、なんだろう、"それしかないの?"  って思う

あとさ

今年一年どうでした?  って誰かに訊いたとする

すると、たぶん↑に書いた不幸な出来事ばかりを捲し立てる人、絶対多いんじゃない?

その人の顔を想像してみるとさ

たぶん笑ってるんだよね

楽しそうに、卑屈に、悪魔的に

待ってましたと言わんばかりに、テンションをあげて


たぶんこれがそのまま、今の萎えた時代の"顔"なんだと思う

自分で動かず立ち上がらず、横臥したままメディアをスナック感覚で消費して、お湯を注いでインスタントに仕上がったとてもマズイ"不幸な風潮"をイヤイヤ食べて、マズイマズイと言いながらへらへら笑って誤魔化して太っていく

やだなぁって思う……

少女ファイトっていうスポ根漫画の名言があります

"お前がそう思うならそうなんだろう、お前ん中ではな"
あれです、あの漫画です 

自分が本当に救われたのはこれ!

生きてて心がもやもやすることはあるし、なんならわたしなんかその場で悪態をついてケンカしたりもする…

なんとか濁流を踏み留まって、自分の、そして周りの幸いのために光芒を見いだすかの如く

わたしはひたすら創作をするのみです



「今年はどうでしたか?」

劇団の活動の一区切りとして、最後にでかい花火を打ち上げました。
イラストで商売を始めました。
先輩が結婚しました。
仲間が増えました。
寝床が快適になりました。
ソシャゲのギルドが雰囲気いいです。
昔お世話になってたところに遊びに行きました。
かつての恩師とサシで呑みました。
猫によく懐かれました。
星のカービィディスカバリーは名作でした。

振り返ると、そんな一年でした。

「いやいや、そういうんじゃなくて、もっと不幸な話をしてください。別に、あなた個人の話じゃなくてもいいんですよ。もっと主語を大きくして、未来を嘆いて、希望を捨てて、絶望を育てて、これからを担う子供達の方へは一切目を向けず、危機感を煽って、なんならガソリン撒いて爆発させてくださいよ。バズると気持ちいいですよ。バズればそれで満足、いまやデモ活動もネットの短文でみんな満足!  ハッシュタグの数で満足!  目の前で元首相が暗殺されても、三日後にはみんな忘れてる!  凄いですね、この防御力!  どうしてかって?  我々メディアのおかげです。SNSのおかげです。戦争が起きても、誰も戦わないし逃げ出さない!  断言しますよ、"これからの時代に革命は絶対に起こりません!"  目の前で仲間が虐殺されても、無抵抗でへらへら、戦わない、悲しまない、考えない、落ち込まない、反省しない、鍛えない、そんな従順なペットには餌をあげましょうね。さぁ、また不幸が起きた!  事件が起きた!  人が死んだ!  さぁさぁ、皆様の意見をどうぞ!  なんなら私共でガイドしますよ!  言い争え、憎み合え、分断しろ。そうすれば一層バズるから!!  あ、でも、アニメと声優だけは守ってあげますね!  なぜって?  なんか、そういう"風潮"ですから!


そんな、勝ち誇った悪魔の声が聞こえるんだよね

もちろん幻聴だけど


わたしにはわたしの守りたい世界があるんです

そのひとりぼっちの世界には、"風潮"なんて要らないんです

世間で起きていることが、本当にどうでもいいんです

もともと、一人ひとりの心の中にそんな風景があるはずなのに

おとのないせかい、おとなのいないせかい

そう口に出して叫びたい
でも、胸ぐらを掴んで叫び倒す相手が居ないから

結局ひとりぼっちで、静かに涙を流しながら祈るしかない 

そう、静かな世界に行きたいですね


誰も居なくて、静かで、過ごしやすくて

そんな世界に腰を掛けて、目一杯考えて落ち込むことが出来たらいいのに

牢屋みたいだけど、ほんとうの自由がある、みたいな

と、ここまで書いてて物語が浮かんだので

今日はっていうか今年はこれで締めますね

来年もおねがいしますね

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