市立太田高生 プラン実現 不用な制服 再利用
市立太田高商業科の3年生3人は、サイズが合わなくなったり、卒業して不用になったりした制服を集め、別の生徒に販売して着てもらうビジネスプランを実現した。同校の今春の卒業生2人がアイデアを出し、昨年12月の「群馬イノベーションアワード」のファイナルステージで発表したプランを引き継いだ。家計を助け、環境や資源を巡る問題の解決にも結び付けようという発想が形になり、動き始めた。
◎卒業生から募り 格安で販売好評
3人は同科の「課題研究」の授業で一緒に学ぶ石井莉里香さん、桐生亜未さん、師田紗帆さん。1学年先輩で、昨年のGIAファイナリストの石川博基さん、茂木日向子さんのプランに関心を持ち、2人の許可を得て引き継いだ。
今春の卒業生に制服の寄付を募ったところ、ジャケットやズボンなど計50着が集まり、傷みの少ないものをクリーニングして販売することにした。
同校の制服は一式で女子約6万5千円、男子約5万5千円。これを女子1万円、男子8500円としたのをはじめ、ジャケット3千円、ベスト1500円など個別でも購入できるように設定した。4日に購入した生徒2人は「安く買えるのはありがたい」「再利用の取り組みに協力したい」などと話した。
傷みの激しい制服は再利用せず、繊維くずのリサイクルに回す。制服の販売業者と事前に調整し、新1年生には再利用品を販売しないという。
売り上げはクリーニング代などの運営費に充てていく。
3人は今後も制服の寄付を募り、校内販売する予定だ。「取り組みがまず校内に定着し、県内の学校にも広まれば」と意欲を示している。
〈2022年8月5日 上毛新聞より〉