スノーケルとか餃子とか

 でも実際にこうして、静かな家の中で時計の針を読めながら、何かが起こるのをじっと待っていると、「武器よさらば」とは違って、食欲なんてまるで湧いてこなかった。そしてそのうちにふと、食欲が湧いてこないのは、あるいは僕の中に文学的リアリティーのようなものが欠如しているからではないかと思った。自分自身がまずく書かれた小説の中の一部になったような気がした。お前はぜんぜんリアルじゃない、と誰かに糾弾されているみたいだ。あるいは実際にそのとおりなのかもしれない。

村上春樹『ねじまき鳥クロニクル 第2部 予告する鳥編』

〝お前はぜんぜんリアルじゃない、と誰かに糾弾されているみたいだ。あるいは実際にそのとおりなのかもしれない。〟

スマホの標準カメラからOCRしてコピペで引用ができる。便利な時代だと思う。テキストに対する愛とか切実さとか、そういうものが失われたような気もする。
二階堂奥歯だったらどんな反応をするだろうか。

朝6時前に目が覚める。とりあえず歯だけ磨いて外に出る。自転車に乗って浜へ。スノーケルをする。朝の冷たい海に身を浸して目が冴える。ごく小さい(僕の両腕を広げたくらい?)マンタを見かけ、ついていこうとフィンをバタバタしばらく頑張るもあっさり振り切られる。ゆったりとした動作から想像する何倍もはやく彼らは海中を移動する。歯が立たない美しさだと思う。

40分くらい泳いで陸にあがる。缶コーヒーとサンドイッチで朝食。浜のすぐ後ろの現場では早くも解体業者さんが忙しげに働いている。

少しだけ日光浴して体の水気を切り、家に帰って風呂に湯を張り、入浴。


フジロックの配信を観るので久しぶりに昼から酒を飲む。枝豆と豆腐、玉ねぎみじん切り、カッテージチーズ、オリーブオイル、レモン汁等をぐちゃぐちゃに混ぜてツマミとする。オリジナルのレシピは空豆だったのをアレンジしているのだけれど、気に入っている。やはり白を飲みたくなってカヴァを買ってくる。

チルドの餃子を焼く。少し焦がす。元恋人は餃子を焼くのがうまかった。手作りで餃子を包んだりすることも、もうしなくなった。

hedigan'sがかっこよかった。EPの注文をする。


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