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人間は愚か故に、AIと異なる道を辿る【エッセイ】

時代の変化が著しい昨今。
特に変化が激しいのは、やはりAIだと思う。
皆さんの中にはAIの躍進を危惧している人もいると思う。
だが、自分は問題ないと考えている。
なぜなら、人間にはAIが不可能なことができるからである。

自分はChat GPTをよく利用している。
その度に実感する。
こいつらはとても賢い、そして便利である。
知識量も思考スピードも人間では太刀打ちできない。
その上、情報を常にアップデートし続けている。
おかげで普遍的な回答をいつでも返してくる。
なんとも優秀である。

人間はどうだろうか?
賢さ、知識量、思考スピードは個人差があるとはいえ、基本的に勝てないだろう。
ハードウェアを追加するだけでスペックを上げれるAIとは戦うだけ無駄である。
では、便利さを考える。
これも厳しいだろう。
少し前であれば複雑な命令を正しく認識できなかったが現在は違う。
AIは曖昧な指示だとしても、ある程度理解してくれる。
なんなら人間は口を開けば文句を言ってくる。雇用主はいつも頭を悩ませている。

何より問題なのが、情報のアップデートである。
多くの人間はアップデートなんてしない。
己の常識に囚われている。
昔の自分が作った常識に囚われ、何十年も変わらずにそのまま停滞する。
その結果、偏見や差別がなくなることはなく、今日も今日とて過ちを繰り返している。
AIに比べると、どうしても愚かと言わざるを得ない。

人間とAIの大きな違いはこの愚かさなのではないだろうか?
自分はそう考えた。

人間とは実に浅薄である。
凝り固まった価値観の中で生き、全ての人が己の正しさを信じている。
故にすれ違いや争いは無くならない。
だが、生きていると本来であれば変わることのない価値観に刺激を与えるような「気づき」に出逢うことがある。
出逢い方は人それぞれだ。
結婚や出産、就職、進学、病気、恋愛、転職が一般的だろう。
他にも本や映画、音楽などのエンタメがそれを担うこともある。

ではAIはどうであろうか。
AIには「気づき」が存在し得ない。
あるとするならば、アップデートによる差分くらいだだろう。
差分から違いを理解することができるかもしれない。
しかし、それは客観的に正しく公平に理解される。
そう、AIには主観が存在しない。
故に、特定の事象のみに重きを置いたりはできない。
ならば、価値観を変えるような「気づき」には至らないのである。

自分はこの「気づき」こそが人間の強みなのではないかと考えている。
人は「気づき」によって考え、反省し、行動する。
そして、自分自身を成長させていく。
誰かに求められた自分ではなく、
客観的に正しい自分ではなく、
自分がなりたい自分になっていく。

しかし、せっかく「気づき」に出逢えたにも関わらず意固地になり気づかないふりをする人は多い。
これは非常にもったいない行為である。
次の「気づき」がいつやってくるかは分からない。
だからこそ1つ1つ向き合っていくべきなのだ。

我々人間は素直に生きよう。
そして、己を問い直す勇気を持とう。
自分の犯した罪に気づくこともあるだろう。
ならば償うべきだ。
その償いこそがAIには成し得ないことなのだから。


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