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コミュニティ内コミュニケーションのオンラインとオフラインの使い方

昨日のお題は「コミュニティ内の『コミュニケーション』」。

コミュニティ運営のポイントの一つが「コミュニケーション」の設計です。中でもコミュニティの参加者同士でコミュニケーションを自発的に生み出すには、共通の「ネタ」と「場」の設定が必要です。また、そのためのツールとしてはFacebookやSlackなどを、コミュニティの特性やメンバーのリテラシーに合わせて使い分けることをお勧めします。

さて、今日も「コミュニティ内のコミュニケーション」についてです。
今日は中でも「コミュニケーションのオンラインとオフラインの使い方」について、まとめてみます。特に、昨今の状況(=ウィズコロナ)でオフ(リアル)イベントが行えず、コミュニケーションが取りにくい状況ゆえ、特に気になると思います。ちょっと集まれば「クラスター」になりかねないためです。

これを考える際のポイントは①コミュニティを立ち上げてからの経過時間・②人数・③内容の3つです。特に「立ち上げからの経過時間」への考慮は、メンバーの信頼関係や安全・安心の度合いなどに影響するので、重要です。

イベント」のオンラインとオフラインの使い方

2月24日・25日の2回に分けて「コミュニティ内のイベントのリアルに集まらないと成立しないイベント、とは何か」としてまとめています。よろしければご笑覧ください。

イベントとは「複数の人が同時に関わって、それまでに無かったものが現れる機会」、中でもリアルでないと成立しないイベントとは「ラストワンマイルに人の手が介在する時間」と、ひとまず整理しました。

オンとオフで、「共有できる情報量」に差は生じる??

僕の現時点での見解は「かつては生じたかもしれないけど、今はほぼ変わりません」。なぜなら様々な使いやすいツールが登場し、一般的になってきたからです。

オンラインでのコミュニケーションは、動画・音声と、文字・画像に分けられます。前者の方が伝えられる情報量は多く、後者は文字ゆえの制約があります。

ツールは、前者はZoomやGoogle hangoutなどオンライン専用のやり取りや配信用のもの。後者は、Slackや(ビジネス向けですが)Chatworkなどがあります。古典的なメールもあります。また、両方を統合し、コミュニティ運営に使えるFacebookグループやLINEなどは、すでにおなじみですよね。
このようなツールの一般化と使い勝手の向上により、オンとオフによる違いで、一昔前に言われたような「共有できる情報量」に差は生じにくくなっていると思います。

オフラインの方が「空気感」や「気配」が共有できる、というのは、感覚的にはわかります。しかし、そこに差が生じる場合は、参加者間のツールを通じたやり取りへの「慣れ」や「リテラシー」の差だと思います。もしくは、そもそもの「コミュニティの立ち上げ方の経過時間の深浅」によるものかもしれません。これは昨今の事情でリモートワークになり、そのツールが使えないがゆえに「孤独感」を感じる人が生まれていることに象徴されるでしょう。

なので、運営側で「差」が生まれていると感じたら、使うツールを変えたり、その使い方のトレーニングの機会を設けるのも一案かもしれません。

コミュニティの立ち上げ時のコミュニケーション

特に最近、そして若者ほどオンライン→オフライン、の流れだと思います。

■オンファースト?オフファースト?
僕のようなおじさんは、まずオフで会って、その後の関係を深め、続けるためにオンライン、という流れを好む人が多い
気がします。

しかし、昨今の若者は事前にオンラインで会っておいてから、オフラインで会った方が、事前に情報を共有できて安心する。オンラインで自己紹介(どんな人が、何を目指し、何をしにやってきているのか)ができると、安全・安心を確保した状態で会える」とのこと。…僕には新鮮でした。
そもそも見ず知らずの人への声掛け、ってハードルが高くないですか?と言いつつ、これからのデフォルトは「オンからオフへ」だと思います。

■思えば、最近のコミュニティの立ち上げ方
オフラインでのつながりを作ってからや、その流れを踏まえて、というより、いきなりオンラインで「この指止まれ!」的に行うものも増えています(クラファンは、その流れに乗った資金調達方法と言えるでしょう)。合わせて「人の発言を否定しない」などの規範やルールも整えておく必要があります。

今の状況も、なかなかリアルに会えません。大学などの授業のように、まずはオンライン、そしてオフラインになるでしょう。その際に幹事は「このコミュニティは自分をさらけ出していい!」という安心感を「オンライン」で作る必要があります。

そのためには、上述の「規範」と、「自己紹介」などの「コミュニケーションの初期」の設計と運用が大切です。また、コミュニティと人数次第ですが、小グループなどに班分けするのもいいですね。

■「オンラインサロン」の動き
ここ3年程の間に立ち上がった「オンラインサロン」の動きを見ていると、この辺りがうまく設計されているように思います。

そもそもコミュニティをオンラインで立ち上げ、オンでお互いの「人となり」を知り、オフで会う際の「期待」を引き出します。その上で実際に集まると、繋がりが深まります

また上述のように、事前にオンライン場で小グループなどに分けて知り合っておくと、リアルで集まる際に顔見知りがいる(って、リアルに会ったことはないのにヘンですが)という「安心感」を確保できます。

コミュニティの立ち上がり後のコミュニケーション

ここからは「オン」が機能し始めます。
関係の「密度」は「接触頻度」×「濃度」で決まります
ゆえに、コミュニティにもよりますが、共通の小さな興味関心や、物理的な共通点(家が近い、好きなものが同じなど)のあるもの同士などで、日々「おしゃべり」できる仕掛けを作って密度を高めます

キモは「主役感」の醸成

特にオンラインで配信を使ったイベントなどを行う際に注意が必要な点です。主役感とは、参加してくださった方が持つ「その時間を作るために自分が参加した感」のこと。それを持てないと、離脱を生みます

そうならないようにするために、SHOWR OOMなど生配信を行う「ライバー」と呼ばれる人たちは、投げ銭してくれたり、会場に来てくれた常連などを見つけると「名前」を呼ぶのです。質問を投げかけたり、募集したりして、方法の如何にかかわらず「関わっている感」を作ることが大事です。

まとめ

コミュニケーションにおける「オン」「オフ」の手段の違いによる情報の伝達量の差は、基本的には生じないと思われます。なぜなら、ツールが発達したからです。「差」が生じるとするならば、参加者間のツールを通じたやり取りへの「慣れ」や「リテラシー」の差です。

コミュニティの立ち上げ時のコミュニケーションは、オンライン→オフラインの流れがデフォルトになりつつあります。特に「オンライン」ファーストの場合は「このコミュニティは自分をさらけ出していい!」という安心感を作るために、それを担保する規範やルールも整えておく必要があります。

オンでお互いの「人となり」を知り、オフで会う際の「期待」を引き出した上で実際に集まると、繋がりが深まります。関係の「密度」は「接触頻度」×「濃度」で決まります日々「おしゃべり」できる仕掛けを作って密度を高めます

オンでもオフでも、参加してくださった方が持つ「その時間を作るために自分が参加した感」=主役感をつくることが、離脱防止につながります。質問を投げかけたり、募集したりして、オン。オフの如何にかかわらず「関わっている感」を作ることが大事です。

これは「アフターコロナ」の世界では、より加速していくと思います。ドラッカー的にいうと「すでに起こった未来」だと考えます。

(写真は、とある日の6curry恵比寿店の様子です。「食卓を囲むこと」は、Zoom飲みがいくら普及しても、「ラストワンマイルに人の手が介在する」ので、リアルでないと成立しない時間、だと思っています)


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