今、なぜ、コミュニティなのか?
コミュニティブームの状況
ここ数年、オン・オフのいずれの形態でも「コミュニティ」という言葉をよく聞くようになったと感じます。これは気のせい、なのでしょうか?
平成30年版情報通信白書(以下白書)に、日本の20代~70代のオフラインコミュニティとオンラインコミュニティへの参加状況として、ブームが到来していると言えるデータが示されています。
2008年度と2017年度の調査結果を比較してみると、2つの特徴があります。
【データ出所】2008年度調査:総務省「ユビキタスネット社会における安心・安全なICT利用に関する調査」(2009)、2017年度調査:総務省「ICTによるインクルージョンの実現に関する調査研究」(2018)。グラフは筆者作成。
1点目は、オンライン・オフラインのいずれのコミュニティにも参加していない人(参加数が0)は、2008年度は16.7%だったところ17年度は11.7%に減少しています。すなわち、何らかのコミュニティに参加する人が増加しているのです。
2点目は、参加数が「7〜9」個の人の割合が2008年度では5.9%だったのが2017年度には13.6%と大幅に増えています。
この変化の理由はなんでしょうか?
コミュニティに参加する人が増えている理由
白書は「ソーシャルメディアの発展」を挙げています。
ソーシャルメディアが発展してきたことによって、様々な形態のオンラインコミュニティが生まれており、オンラインかオフラインのいずれのコミュニティにも参加していない人(参加数が0)は、2008年度調査と比較して少なくなっている。
合わせて、スマホの普及によってインターネットによる「コミュニケーション」がより取りやすくなっていることや、ソーシャルメディアの利用が広がっていることも考えられます。2018年には、インターネットへアクセスするために使用する端末が、スマホの方がパソコンより多いという状況になりました。
スマホの普及率の伸びには、目を見張ります。2010年は9.7%だったのが、2017年には75.1%にまで伸びています。
【データ出所】総務省「通信利用動向調査」。グラフは筆者作成。
しかし、コミュニティブームの理由は、果たしてスマホの普及だけ、でしょうか?
コミュニティに参加する人が増えている2つの背景
僕はそれ以外に2つの背景があると考えています。
1点目は「当たり前の崩壊」、2点目は「個の力の台頭」です。
1点目の「当たり前の崩壊」とは、昭和から平成にかけて、一般的に生まれると家族、地域、学校、会社といった「複数の人がいる場」の存在が「当たり前」でした。しかし昨今は、最後に所属するコミュニティである「会社」の形態が変わっています。終身雇用が崩壊したり、雇用方法のフリーランス化が進んでいます。これにより「当たり前」が崩壊し始めました。
2点目は「個の力の台頭」とは、既述のインターネットやSNSの普及に連れて、個人の名前や力で生きていく風潮が強まりつつあります。しかし、同調圧力の強い中で協調性が求められる社会で生きてきたのに、急に「個の力」で生きよ、と言われるのも難しい話です。
この2点により、仲間と継続して体験を共有できる居場所が無くなりつつある中、不安を解消できる場所を確保するために、安心できるコミュニティを得たいという動きが高まっている、のだと思います。
まとめ
到来しているコミュニティブーム、ブームの3つの理由と言えるスマホの普及、当たり前の崩壊、個の力の台頭という流れは、止まらないでしょう。個人的には景気動向、働き方改革による勤務体系の変化、そして副業解禁の3つも、この流れをさらに後押しすると考えています。
(写真は、本文とあまり関係ありません。本稿執筆に必要なデータの出所である総務省の近くに立っている「霞ヶ関跡」の標識です)
今日のコミュ活
大学院同期と家族でランチ。
このような卒業後も続く関係とそうでない関係の差=同窓会が続く関係か否かは3つの理由がある、と思っています。
3点とは①在学時に高い目標にともに挑戦した関係だったこと、
②在学時にその目標が高過ぎや時間的に先だったため達成できなかったこと
③卒業後もその達成に向けて挑戦し続けていること
です。
ありがとうございます!頂いたサポートで、コミュニティ活動&幹事で知見を得て、また、共有します!