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コミュニティの「規範」と「作り方」

昨日のお題は「コミュニティ内コミュニケーションのオンラインとオフラインの使い方」。

コミュニケーションにおける「オン」「オフ」の違いで気になることの一つは、リアルな場だと伝わる非言語の情報共有の有無などによる「情報の伝達量の差」。しかし、今後は基本的には生じなくなると思われます。なぜなら、ツールが発達したからです。「差」が生じるとするならば、参加者間のツールを通じたやり取りへの「慣れ」や「リテラシー」の差です。幹事やコミュニティ運営をされる方は、そこを埋める努力や工夫が必要になると思います。

加えて、「オン」でも「オフ」でも「このコミュニティは自分をさらけ出していい!」といった『安心感』を作ると、いずれのコミュニケーションの方法でもスムーズに進むと思います。

今日のお題は「コミュニティの規範とその作られ方」
コミュニティは、共通の興味関心の「旗」のもとに集った「仲間」が、継続して行う「活動」と「役割」ある場、です。そこで大切なのが「仲間」と「活動」する際の「規範」です。

そもそも「規範」とは

京都大学デザインスクールの山内裕・平本毅・杉万俊夫共著「組織・コミュニティデザイン」は、このように書いています(以下同)。

規範とは、想定可能な行為の集合のこと

「想定可能な行為」とは「そのような行為が行われても不思議でない行為」のことです。とすると、「規範に沿っていないと思われる行為」とは、どんな行為でしょうか?

「えっ、うっそー」としか言いようのない行為

ゆえに、どのような行為がなされたら「えっ、うっそー」という反応をするか、をコミュニティ内でどのように決めて、どのように共有していくか、がコミュニティ運営の肝、と言っても差し支えないと思います。

規範の作り方

■コミュニティの立ち上げ期
少ない関わる人たちにより、日々のオン・オフの両方のコミュニケーションの中で交わされる「言動」を通じて、規範が無意識の中で生まれていくと思います。

■コミュニティの立ち上がり後
その言動によって決まった活動で、旗に向かって行きます。その中での「行動」を全うする「役割」の中で「えっ」に気づき、改めて無意識が意識化され、意識が言語化され、「規範」が作られていきます

■「規範」の前に「前提」を決めておくのもアリ
もちろん、立ち上げ期に「嘘をつかない」「約束を守る」「人の嫌がることをしない」といった「幼稚園で習うこと」レベルのことを、規範以前の「前提」として決めておくのもアリです。上述の「安心感」の礎ともいえます。

規範を運用していると…

McMillan&Chavisの「Sense of Community」によれば、人々がコミュニティを実感できるのは次の時、とのことです。

メンバーがお互いの存在に価値を感じ
自分の貢献がほかの参加者にプラスに波及すると信じられる状態にある時

これは「貢献する」時の「規範」が共有されているからこそ、できること。「えっ」という行動がないと、このような「状態」を作りやすくなると思います。

規範の運用がうまくいっている事例(6curry

本稿でよく例に採り上げる「カレー」を軸に、新しいコミュニティを生み出していくブランド「6curry」の規範である「6rule」です。

恵比寿店と渋谷店というリアルの2拠点がありつつも、昨今の事情に鑑み4月いっぱいはリアル店舗をクローズする代わりに、オンライン店舗「Zoom店」をオープンする、という素敵な取り組みを決めました。

こうした動きも「6rule」の中の「新しいものを作っていく」の体現の一つ、と会員は理解して一緒にどう盛り上げるか、を考えて、動いています。そのように動けるのも「6curry」自体が日頃から「言っていること」と「やっている事」が一致しているからこそ、です。この点も、大事です。

6curryは毎日店舗(キッチン)で、その時にいる常連さんが、6curryのコンセプト、活動、そしてこの6curryについて、説明します。そして上述の通り、日々のスタッフの方々の会員への接し方や、会員同士の関わり方を通じて、規範の通りの活動を行っています。違った行動が見られた場合は、きちんと「違う」と言える関係でもあります。こうした「言動」と「行動」の一致により、コミュニティの秩序を維持しています。

ありがとうございます!頂いたサポートで、コミュニティ活動&幹事で知見を得て、また、共有します!