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高橋ヨシキさんと見るツイン・ピークス

高橋ヨシキさんという映画評論家をご存知だろうか。20年ほど前からSFやホラー、「モンド映画」と呼ばれる類のものまで、いろいろな映画を評論してきたベテランだ。そんな彼は今、ブラックホールというYouTubeチャンネルで活躍している。友人の評論家2人とともに毎週、主に金曜日に2時間ほどの生放送をやっている。映画好きの人なら見たことがある人もいるのではないだろうか。
ヨシキさんは個人のチャンネル、「クレイジーカルチャーTV」も運営している。しばらく更新があったものの久しく動画の更新はなく、今は3ヶ月に一回ほど、ヨシキさんが思いついたときにゆったりと生放送形式での動画の更新がされるのみだ。
ところが、もうほとんど使われていなかったチャンネルではあるものの、徐々に生放送の頻度が上がっていき、ついに「ツイン・ピークス」の同時視聴企画が始まった。
これは大ヒットドラマ「ツイン・ピークス」をヨシキさんと一緒に再生し、リンチマニアでもあるヨシキさんの解説を聞きながら見られるというものだ。実はまだ第一回が終わっておらず、というのも今まさに「ツイン・ピークス序章」の実況中なのである。
「ツイン・ピークス」は非常に独特なドラマシリーズだ。映画監督のこれまた変わった人物、デイヴィット・リンチが制作したドラマシリーズである。
アメリカのドラマは人気が出ると10シーズンくらい長く続くイメージがあるが、「ツイン・ピークス」はたったの3シーズン。しかもその3シーズンそれぞれがまた違った特徴を持つ稀有な作品なのだ。
今回ヨシキさんが実況している「序章」はパイロット版であり、ドラマ企画に本格的なGOが出る前にお試しで作られた話である。
だから作品の雰囲気はドラマ本編とは若干違う(ように思えた)。個人的にデイヴィット・リンチは好きなのだが、いまいち話の筋が読みづらいところがあり、好きだけど苦手という相反した感情を持っていた。
そこで見た「ツイン・ピークス」はリンチの不思議な世界観とメロドラマの成分がうまく融合していて、とても楽しく鑑賞できたシリーズだった。なのだが、「序章」に関してはいささか映画のときのリンチの雰囲気が強く、どうしても見ている途中にあくびが出てしまう話だった。
そして「ツイン・ピークス」を見返そうとしたときに、必ず最初に来るのが「序章」なのである。別に最初から見なくてもいいじゃん…。とも思うのだが、しかし変なところで生真面目な性格なので毎回「序章」をみてはくじけていた。
だからこそ、今回のヨシキさんの企画はうってつけだった。本当に面白いところはこれからだ。ぜひ、リミテッド・イベントシリーズ(第3シーズン)最終話まで同時視聴を続けてほしい!

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