【web写真展】文旦の成長をめぐる写真展
2月13日は土佐文旦の日。
その日にちなんで、
2021年2月13日/20日/27日/3月6日の
4日間限定で行ったイベント
『PERIOD TO ENJOY BUNTAN!』で
大北果樹園の文旦の成長を追った写真の展示をしました。
黄色くなって食卓に届くまでの成長過程。
ほんの少しのキャプションではありますが、
展示した写真とともに
全てこちらで公開します。
よろしければご覧ください。
-春-
春の芽吹き
冬の蓄えを
次に成る実たちへ
届けるために
元気いっぱいの季節
一番花
一番初めに咲く花は
ほとんど実にはなりませんが
この花の咲き具合で
今年の実が元気かどうかがわかります
梵天(ぼんてん)を使って
一つ一つ手作業で花粉付け
めしべの形を確認して
次成る実の形を想像する
大切な作業です
空に向かって
はっぱと一緒に背伸びをするように
咲いていく白い花
文旦の花はあまり知られていませんが
とっても良い香りがするんですよ
-夏-
ハートのはっぱ
文旦特有のはっぱ、
実はかわいいハートのかたち
1回目の摘果作業で
形のいいもの 悪いものをを選びます
この工程で全ての木から
4分の1程度の量が摘果
夏の初め、
この頃はこんなにも小さく
掌にコロンと乗るサイズ
2回目の摘果でさらに
実になるものを減らします
真夏の頃の文旦は
まず縦に大きくなって
その後横に広がり、
あの見慣れた形になっていきます
摘果が済んで仕上げ前の文旦たち
真夏の暑い時期が終わりに近く頃には
ほぼ成る位置、成る量は決まっています
-秋-
まだらもよう
全体的に緑から黄色へ
今年(2020年)は秋のはじめ、
雨が降っていない時期が続いたので
水不足で葉っぱがくるりと巻いていました
雨が降って はっぱもしっとり
まだらもようも黄の割合が増えました
ふさなり
すっかり大きくなった文旦の重さに
木からぶらりと垂れるよう
実は文旦って
グレープフルーツの兄弟なので
ふさなりに成るんです
自然に成ったハートの木
来年はどんな形になっているんでしょう
-冬-
待ちに待った収穫
あたり一面
幸せ色に包まれます
花の頃からすっかり成長した文旦たち
2日間かけて
成った実全て収穫します
カゴの重さはありがたい重み
成長を肌で感じる瞬間です
おいしくなあれ
収穫した文旦は
山なりにしてビニールかけて、わらかけて
もうひと月寝かせることで
しっかり追熟されます
のがこいをめくって
追熟具合を確認
準備万端の文旦たちを
ひとつひとつ大事に運んでいきます
おばあちゃんの手
選果機にかけて
文旦のサイズを分けていきます
おばあちゃんの目利きが光る瞬間
この写真にまつわるエピソード⇩
https://note.com/g0mash1o/n/n502500ec7509
我が子のように成長を見続けてきた
大切な文旦たちを
ひとつずつ丁寧に
食べてくれる人たちに届けます
以上が、
文旦の成長をめぐる写真展で展示した全ての写真です。
一年密着しましたが、撮影、といったかしこまった形ではなく、どの工程も作業を実際に体験させてくれ、その中のやりとりで自然に撮影したものばかりです。
今回、写真に添えたキャプションは、
あくまで簡易なものにして、
展示した4日間は
園主自らイベントに来訪してくれた方々に
補足をしてくれました。
大北果樹園園主 大北 和さん
出会いは2020年の冬の終わり。
撮影に至ったきっかけは、初めてお会いした時に見せた以前私が撮影したトマト農家の知人の写真でした。
『手を撮るのが好きと言っていたことと、写真を見させてもらって』
その言葉とともに、一年の文旦の様子を撮ってほしいと依頼を受け、
2020年5月の花粉付けから収穫・梱包までの過程を全て撮影させていただくことに。
文旦への愛が溢れんばかりの青年で、毎回丁寧に工程を説明し、体験までもさせてくれ、貴重な経験となりました。
幼い頃にこの果樹園を継ぐことを決め、ひとつずつやりたいことを叶えていく彼と会う度に、自分も頑張ろう、と言う気持ちになります。
わたし自身、幼少期から文旦は好きでしたが、
この撮影を経験するまでは考えたこともなかった成長過程。
この年で、知らなかったことを知るきっかけを得られるのは、とてもとても貴重なことです。
全てを知ることは無理かもしれませんが、
その物だけじゃない、
背景も、どんな人が作っているかも知ることが
もっともっと美味しさを引き出すと私は思います。
そして、知ることで自分自身も豊かになると思います。
ありがたいことに2021年度も引き続き、
撮影ならびに様々なことでお手伝いができることになりました。
私自身もとても学びになり、挑戦させてもらった一年。
今年もまたお手伝いできることをとても嬉しく思います。