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スペインのチョリソを作る(1)
僕は家族と一緒にスペインに行く機会があり、奥様の修行の関係で年に1度、1か月程度滞在する。その時僕は「よく休み取れますねー」とか言われるけど、実際はPC持ち込んで仕事してますし、ネットワークさえあれば働けるので、非常にそこはありがたく、また周りへの誤解を生ませているのが何ともむずがゆく、ほくそ笑んでいる(性格悪い)。
新婚旅行はもちろんスペイン。その時に滞在したヘレスのピソの大家さんがふるまってくれた食事にレンズ豆の煮込み(レンテハ)があり、あまりにもおいしかったことから2杯も平らげ、その夜は食べすぎて臥せったのも懐かしい思い出。
あの味を思い出したときに「何が味の決め手なんだろうか?」とさまようこと数年、実際に自分でスペインで作った時に気づいたのは「チョリソ」だった。
おまえか…
おまえだったのか…
ゴン
ということでそれからというもの、僕はチョリソに首ったけになった。
寝ても覚めても豚ひき肉。あの赤い色はなにでつけているのか。
塩分濃度はどれくらいか、乾燥はどれくらいか、燻製は必要なのか…
あまりにもオーバーヒートした結果、僕はチョリソを実際に作ってみた。それが昨年の2月。キンキンに冷えしきる自宅の部屋に吊るされたチョリソに特別の愛情が込められた。結果、おいしかった。ほぼ、そのままだった。
これは…いける…いけるぞ…っ!!!!!っ!!!!!
確信に変わり、もう一度作るぞ!となったら時はすでに3月で部屋は温かくなってしまった。干すと腐るやつですね、ええ。
それから1年の時を経て、今年の正月に早速準備を始めました、とさ。
材料
豚ひき肉 1.5kg
塩 12g
砂糖 8g
ピメントンドゥルセ 大さじ3くらい
チョリセロ 大さじ1くらい
フランクフルト用ケーシング(天然豚腸) 1個
にんにく 3かけ(すりおろして入れます)
ローリエ 3枚くらい(ちぎって散らばせる)
白ワイン 150cc
赤い粉はピメントンドゥルセと言って、パプリカパウダーを燻製したやつ。これのあるなしでだいぶスペインっぽさが変わります。ないとただのフランクフルト。さらに今回は現地で調達した「チョリセロ」というもの。これもパプリカパウダーのペーストで、チョリソを作るときに入れたり煮込みに入れたりするそうです。これが前回との違いその1。もう一つはひき肉をあらびきではなく、普通の細びきにしました。
これについては吉兆わからないです。前回のあらびきもおいしかった。肉がごろごろしていて。でも現地のはもっと細かかったように思うので、これもお試しです。ゆくゆくはブレンドしてもよさそう。でも豚の脂は追加してもいいかも。もっとじゅわっとセクシーにしたい。
全部混ぜたら冷蔵庫で2日寝かせます。その間、2回くらい混ぜ込みます。なじませるの、大事です。どんどん冷蔵庫がニンニク臭くなります。その後、部屋がニンニク臭くなります。僕はニンニクになります。
詰めると美しいですが、その工程はまあしんどいです。握力やられます。ちょっと空気が入ったりしてムラがあるけど、それは御愛嬌。
窓全開にして室内干し。今日なんて-4℃でしたから、外。キンキンですよ。凍えそうなほど、狂いそうなほど、切ない夜にはそっとチョリソを干します。
だいたい1か月くらい干しますかね。その前に半分くらい味見しますが、それはまたこの後のお話で。