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週末には、ほんの少しのスパイスを。

朝から茶色い液体を煮込んでいる。
木の皮のようなものや枯れた木の実のようなものを大量に入れてグツグツ煮込んでいる。
部屋の中に、何とも言えない異国のような香りが立ち込めている。

事の発端は、昨日の夜。
ペッパーミルに黒胡椒のホールを詰め替えようとしていたが、例のように昨日はウイスキーでいい感じになっていたので、手元が狂ったのかテーブルにぶちまけてしまった。


黒胡椒は同じ重さの金と交換されていたこともあるほどの貴重品。今はスーパーで300円で買えるとはいっても、貧乏性なので掃除機では吸わない。一粒たりとも逃がすな。出会え出会えー。
夫と息子にも手伝ってもらいながらとりあえず回収。

とはいえ、一度ぶちまけたものをまたミルに入れるのも衛生的に…。どうにか活かせないものか…。

というわけで冒頭に戻る。

作っているのはクラフトコーラシロップ

香りの強いものが好きなので、スパイスやハーブ、薬味や薬膳なんかも もちろん大好き。
ふらりと立ち寄ったカフェなんかで、「クラフトコーラ」の文字を見つけると必ず頼んでしまう。普通のコーラよりもスパイスが効いていて美味しい。
牛乳で割ってもチャイみたいになってまた良い。


昔スパイスやハーブの瓶がキッチンを圧迫しているのを見かねた夫に買ってもらったスパイス棚から、基本のシナモンとクローブとカルダモンに加え、唐辛子、コリアンダー、ローリエを取り出す。

それらを、大量の黒胡椒が入った鍋の中に入れる。
薄切りにした生姜と実家で採れた冷凍無農薬レモン、バニラエッセンス数滴、そして水と砂糖をドーンと入れて火にかけるだけ。うーん簡単。

こういうお菓子とかシロップとか果実酒を作るたびに砂糖の量に戦慄する。でも長期保存するためには必要なものだからしょうがない。何より甘いは幸せ。せめてもの償いとしてきび砂糖にしておく。

ここに私がちょっぴり加えるのが山椒。
以前、広島汁なし担々麺の名店に行った時に買った香りが爽やかで痺れが強いものだ。山椒を少しだけ入れるとピリッとした刺激と果実のような香りが加わる気…がする。


10分程度火にかけたら、火を止めて粗熱を取り、ざるでこして出来上がり…。のはずがどうにも色が薄い。色付け用のカラメルシロップを忘れていた。

…。まぁ味は変わらないので…。
一日は冷蔵庫で寝かせて味を落ち着かせるので、飲むのは明日のお楽しみ。


平日は、どうしても仕事も家事も料理も効率重視になりがちなので、休日には、たまにこうやって少しだけ手間をかけて料理を作る。一つ一つの工程を丁寧に行うことで、次の日からの自分のことを少しだけ丁寧に扱ってあげられる気がする。
こういう手間も、休むためには確かに必要なのだ。


さて。実は、まだ残った黒胡椒が残っている。
…とりあえず冷凍して近いうちに胡椒餅でも作ろうかなぁ。







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