イカロスの翼
憧れや願望に向かってひた走るのは悪いことではないと思う。
ただ自分の限界を超えて行き過ぎるといつかは力尽きてしまう。
目指す場所へ羽ばたこうとしても、御粗末な翼では目標の眩しさにやられて辿り着くことはできない。
自分の足で歩ける場所で大人しく過ごすのが性なのかもしれない。
何の話をしているのか分かりづらいと思うが、これはギリシャ神話の「イカロスの翼」になぞらえたものだ。
人の傲慢さを表しているとも言われるこの物語を私はなかなか気に入っている。
教訓というか、戒めというか、そのような系列のものとして私はずっと記憶のどこかに刻み込んでいる。
私が高望みをしなくなったのはおそらくそれのせいであろう。
眩しすぎるものに対して近づきすぎることもなく、一歩後ろからただ眺めている。
そのくらいが私にとって心地が良いことの方が多い。
そう思い込んでいるだけなのかもしれないが。