見出し画像

薩摩オハラハー DAY4

-縦走3日目 苔むす森を歩く-

3/27(月)、縦走最終日は快晴。高塚小屋から下るルートは見所が多いので細切れに紹介していきます!

まずは高塚小屋から徒歩5分、屋久島のシンボル縄文杉。
早朝7:00の撮影だったので周囲に人はほとんどおらず、山の主たる巨樹と静かな時間を共有できました。

縄文杉

淀川小屋からご一緒した熊本の高校山岳部顧問の先生が仰っていたことですが、縄文杉を目標に森に入る人が多いおかげで、屋久島の他の森の環境が守られている側面もあるようです。
そうした意味でも縄文杉は屋久島の森の守り神なのでしょう。

屋久島の一般観光客は縄文杉往復をツアー利用で巡る人が多いので、この辺りから登山道が混み出してきます。

縄文杉を過ぎると、一気に道が整備されてくる

縄文杉から1時間ほど下るとウィルソン株。

ウィルソン株

それと知らなければ、見逃してしまいそうな切り株ですが、この中から上を見上げるとハート型に見える…スポット。この角度を見つけるのは結構難しくて、居合わせた登山者の皆さんと10分くらい試行錯誤しながら撮った1枚
です。

位置と角度が大切。ハートの角度は45度。

ウィルソン株から大株歩道に合流すると、最大8kmに渡って続くトロッコ道が現われます。

かつて山中で伐採された木々を搬出するために使用されたトロッコ道。今は登山道として使われています。
今回は白谷雲水峡との分岐まで4kmほどトロッコ道を歩くことに。

破壊と再生の歴史を持つ屋久島の森。それは一律に悲劇ではなく、時には薩摩藩の年貢として、時には生活の糧として、人と森が持ちつ持たれつの関係を築いてきた証でもあります。単なる「南の島」では収まらない懐の深さをもつ屋久島です。

トロッコ道から辻峠を経て縦走のビューポイントとなる太鼓岩へ。今まで縦走してきた山々を一望できるのはもちろんのこと、見渡す限り一面に山桜が満開でした。間違いなくこの旅最大のハイライト。

太鼓岩からの眺め
一面に咲く山桜

下山後に島の人と話していると、今年は例年よりも山桜の開花が早かったそうです。この記事を投稿している4月中旬には既に見られなくなっているそうなので、本当にいいタイミングで登らせてもらったと思います。これらの山桜は、かつて杉が伐採された後に成長の早い木として根付いたもの。今後、成長の遅い木が山桜よりも成長するとそれらに遮られて枯れてしまう運命にあります。人が森に手を加えてきた証を静かに物語る山桜。悠久の時の流れの中で今しか見られない風景をじっくり堪能させてもらいました。

太鼓岩からの景色を堪能した後は白谷雲水峡を下山。もののけ姫のモデルになった苔むす森を始め、どこを切り取っても絵になる森です。
天気のいい日に歩けてよかった。

水と緑に溢れた屋久島を代表する観光コースを歩ききり、無事2泊3日の縦走を終えました。

お疲れ様でした!
登山バスに乗って麓へ

この日は麓の宮之浦の民宿に宿泊。翌日は予備日で完全フリーにしていたので、レンタカーを借りて島一周をすることに。

縦走直後で疲れ果てていたので、近くのAコープで弁当を買って夕食を済ませました。カンパチの刺身なんかが安く売っていて有り難かったなあ…。

宮之浦港 ここから奥岳は見えません

まだまだ屋久島滞在記は続きます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?