レスポールの配線材を変えた
いわゆるリペア日記、ではない。だってやってることが正しいのかわからないし結果ある程度納得はしたけどもツメが甘いとかで誰か詳しい人から怒られるかもしれない。一応やってみた、って実録です。
細かい経緯とかこのギターが自分にとってどういうものかとか全部すっ飛ばして、音がこもる。リアとフロント切り替えても違いがわからないくらい、丸い音がする。「ギター 音がこもる」で検索すると同じような症状で悩んで知恵袋に助けを求める投稿がみられるけど「アンプのセッティング等を教えて下さい話はそれから」みたいな回答で一蹴されており腑に落ちない。そんなんで変わらないから困ってんの!弦高やピックアップの高さも変えたりトーンポットのクリーニングも試したけどダメ。おまけにストラト並みにノイズが乗る。
具体的にはこんな音
弾き手がショボいとかは一旦置いといてくれ。
ディストーションかけると忽ちメタボリックな音像に。特にブラッシングのとこでノイズの酷さが伺える。ノイズゲート付きの歪みなのにそれをもってしても防げていない。まぁプロデュース目線で言えばこういうラフな音もアリかもしれないが、プレイヤー的には気持ちの良いものではない。
うーんやっぱオーバーホールしかないのか、面倒くさ…そのまま触らなくなって4〜5年が経った。
で最近。急に、配線を一新することに興味が出てきた。こいつで試してみるか…?しかし僕は自作シールド一本を導通させることすらままならないほどのはんだ音痴だ。出来るだろうか。いや、やってみて失敗して嫌になったらまた放置でいいじゃん、とりあえずやってみよ。
まずは現状どう配線されているのかを確認する
うーん既に面倒くさい!どこがどうなってるのかサッパリ。配線図はYGのメンテ特集に載ってるし、全部外しちゃえ。
外しました。はんだ吸い線がみるみるペッカペカになってゆく…
ピックアップも引っこ抜く。
で、ここで気づいたけど、凄く汚い!キャビティ内やピックアップのテープにこびり付いたホコリのみならずコントロールノブ裏の何これカビ?みたいなのとか、油の劣化したようなドロドロとかを拭き取ってく。開けっ放しでないにせよ放置してるとこうなるのか…他のギターの現状を想像するに恐ろしくなるな。
どっかの改造記事にあった「ハムバッカーのショート線は無駄に長く出してるとロスが大きい」という情報を鵜呑みにして根元付近からバッサリ。上にあるのが切った方。フロントのは元からホット線しかなかった。
こいつはディマジオなので白と黒をショートしてビニールテープを巻く。緑とコールド線をくっつける。これを延長のシールド線のコールドと繋げる。その後同様に絶縁処理。(熱収縮チューブはもう少し太いのしかなかった。)
トグルスイッチ周りを配線…この時、どう入っていくかを考えずにはんだ付けしたためかなり無理ムリな格好になる。まぁ入ればいいのよ。
で、これら全部をピックアップの方へ通しつつコントロール部へもってくのだけど
その上でピックアップからの線も通してくの、無茶では?入んのこれ?すわドリルで拡張工事か(このままで入りました)。
リアはさすがに無理では?今度こそドリル?(何とか入りました。)
で、まぁその後2日くらいかけて(暑いし)コントロール部を配線。経過写真もなく大幅に省略。
できた。汚いけど、もういい加減飽きてきたのでよしとする。これでOKそうならナットとかネジとかを締めて終了…!ダメならまたしばらく放置だ。
では、いざアンプにジャックインー
ビーーーーーーーーーーーーーー
わはは、そうか。じゃあまたいつか…
っていうのもさすがに惜しいのでツマミとかこちょこちょ弄ってみる。一瞬、ノイズが出なくなるポイントがあるな。そんでその状態だと音が出るな。ってことはどっかグランドに落ちてないのか。
裏を見ると今しがた付けたばかりのポット裏はんだが外れていた。このくらいならチョチョイのドンだぜ、てなわけで修正&再確認。
[Music]
(↑Youtubeの自動生成字幕風)
出た。ノイズも少ない。音は若干丸いか?いやでもこの程度ならピックアップ高とか諸々の調整で賄えそう。良かった!この後菊ワッシャーをはめるときにブリッジアースが外れたのでやっぱ色々甘いと思うがとりあえずはOK!終了!
ナットを締めつつ原因はなんだろうと考える。そういやツマミが一個足りないっていうか一個外しっぱだったな、たしかトーンが回らなくなって…これが一番怪しい。まぁでも回らなくなったの片方で両ピックアップこもってたし、何ならいま回らないやつのまま配線してまともな音出てるけど。案外、汚れを取ったのが効いただけだったりして。
こんな音になりました。
本来の音!まだ色々詰められるにせよ大分マシになった。リアのパキッとした感じもだけどフロント(ファクトリーセットのまま)でこんな瑞々しい音出たのに驚く。配線材の効果か?
うん、全然違う。スマホで再生だとわからないかもだけどかなり締まった重さになった。ブラッシングのとこのキレも顕著。
音が前に出てきた感じ。
一応スペアナで前後比べてみたんだけど周波数的には微妙なとこかな(赤が前、青が後、測り方間違えてるかも…)。ただ術後の方が600~6kHzあたりちゃんと出てるっぽい。
まとめとして、もしこもった音が気になって、弦高、ピックアップ高など調整しても思うような結果が得られなかったら…一度トーンカットしてみるといいかも。配線材をグレードアップとかしなくても一旦シンプルに組み直すことは有効かと。そんで配線材をグレードアップすることは音自体より自分のモチベ体力をつけるために重要(少なくとも自分の場合は)。あと今回やってみてレスポールって構造上凄くロスが多いと感じた。トーンコントロールをあまり使わないならトーンカットしてトグルスイッチにした方がいいかも。あくまで個人的な好みだけどね。
まともな音出るようになるとゲージとか換えたり他調整したりって気も出てくる。あとやっぱ治ったの嬉しくて他壊れてるのも治そうかなってなるね。鉄は熱い内に打てというが、さて続くのか…とりあえず今回はここまで。
2019.11追記
この記事へのアクセスがじわじわ伸びていて、まさかと思いつつ冒頭の「ギター 音がこもる」で検索したらこの記事が1ページ目に表示されるようになってしまった。どうしよう…いやどうも出来ないのでもやもやしてる。すみません、訳もなく謝りたくなる。
ついでに宣伝をつけるとこの改造後のギターを使って弾いた曲をリリースした。キングクリムゾンのアルバムデビュー50周年を勝手に記念したKC風オリジナル楽曲コンピ『Court of the Disciples』2曲目の「Belphegor」という曲だ(主に右側をこのレスポールで弾いてる)。秋M3で頒布しBOOTHで通販も行っているので、よかったらきいてね。
2020.11追記
上記アルバムのbandcamp販売を開始しました。試聴できますので是非。