「FXの聖杯」公開に向けて 18 それは、聖杯じゃないよ
「FXの聖杯」に関するインターネット上の見解を見渡すと、そのほとんどが聖杯の本質を見誤っています。例えると、「月指す指」の指ばかり見ているのです(広くは仏教語ですが、ここでは禅語として捉えておきます)。今回は、聖杯でないものをあげつつ、聖杯に至る視点を解説したいと思います。
1 月指す指(指月のたとえ)
「月指す指」(指月のたとえ)とは、「月を示そうと指さしても、肝心の月を見ないで指を見る。道理を説き聞かせるのに、本旨を理解しないで、文字や言葉の端々にばかりこだわることをい」います(goo辞書参照)。
「月指す指」は、下記サイトがわかりやすく解説しています。
上記のように、「FXの聖杯」を探す方は、指ばかり見て月を見ることができないのです。
それゆえ、次項であげるような間違った「FXの聖杯」を主張することになります。今回は、間違った聖杯の典型的なものをあげていきます。
2 間違った「FXの聖杯」
2.1 自分だけの聖杯を作りだす
「FXの聖杯」に関するインターネット上に出てくる典型的な主張ですが、「FXの聖杯」は、「自分だけの聖杯を作りだす」ものではありません。
「FXの聖杯」は、「誰がやっても同じ結果」、「誰がやっても同じ答え」とならなければおかしいのです。
考えてもみてください。「誰がやっても同じ結果」にならず個人ごとに異なるのならば、それは、聖杯ではなく、ただの「個人の才能」です。
「FXの聖杯」は、そのようなものではありません。「誰がやっても同じ結果」、「誰がやっても同じ答え」だから聖杯なのです。
例えていうならば、禅の悟りがしっくりとくるでしょう。
釈尊と同じ悟りが、人によって異なるならば、それは、悟りではなく、個々人の見解の違いにすぎません。釈尊と同じ悟りは、ただ一つです。
2.2 スワップポイントのアービトラージ(サヤ取り)
くりっく365は、どの業者も、スワップポイントが同じなため、この手法を使うことはできません。
スワップポイントは、「FXの聖杯」が導く「時間的優位性」と「資金的優位性」の話です。
2.3 ナンピンのマーチンゲール法
勝つまで「ナンピン」で倍賭けする「マーチンゲール法」は、相場の予想をできることが前提ですが、相場はランダム・ウォークですので、相場の予想をできることが前提の同理論には、確率的優位性がありません。
むしろ、破産リスクが高いので、読者は手を出さないことをおすすめします。
2.4 両建て
両建ては、○○○○○○と○○○○○○では機能しませんので、聖杯ではありません。
2.5 テクニカル分析
テクニカル分析が、聖杯でないのは、本ブログの読者には既知のことです。
3.1 FXの聖杯に至る視点
(1) 郵便ポスト問題
FXの聖杯に至る視点を身につけるには、下記問題に取り組んでみるのもよいでしょう。答えは『全勝FX』に載せています。今回の記事ではヒントまでにしておきます。正解の分からない問題に取り組むことは、聖杯の答えが分かった後でも、実際のFX取引の戦略で何度もいかすことができます。相手を出し抜く深い思考力を身につけましょう。
ア 問題
あなたは、著者と郵便局の前に立ち「郵便ポスト」を見ています。
すると隣にいる著者から、「あなたは、実際には、郵便ポストを見てなどいませんね」と指摘されます。
①「あなたは、実際には、郵便ポストを見てなどいませんね」と指摘されたのは、なぜでしょうか。
②著者に、あなたが「郵便ポストを見ている」と納得させるには、どうすればよいでしょうか。
イ この問題の本質
この問題の本質は、「月指す指」と同じです。この問題が分かれば、FXの聖杯に至る視点も分かります。禅の公案、無門関第二十九則「非風非幡(ひふうひばん)」とも共通します。
ウ ヒント
あなたが、見ているのは何ですか?
本当に見ていますか?
本記事で使っている「月の写真」の真の意味は、何でしょうか?
なんとも禅問答のようです。
さて、『全勝FX』(仮称)を読み「FXの聖杯」の答えを知ったとき、
読者は、本記事で使っている「月の写真」の真の意味を理解し、「かつての自身のFXの取り組み方」にきっと苦笑いすることでしょう。
けれど、それは、読者が未来において、FXに勝利しているからこそ「微笑ましい思い出」となるのです。
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