雪まつりで旅行者が多い北海道での話
派遣添乗員してた時のお話。
大手旅行会社のツアーはたいてい派遣会社の添乗員を使ってました。今はどうかわかりませんが、私も様々な旅行会社の添乗員になりました。Jさん、Kさん、Hさん。主にその3社かな~。
当時のバスの定員は55名。11列か12列のシートで45名か49名乗れるのよ…。
添乗員は2列目の2人席にたいてい1人で座るのだけど、超満席だとひとり参加のお客さんが隣にいらっしゃるバージョンもありましたね…キツキツ…
時代の流れや事故、コロナで45名、49名、なんてことはもう絶対ないと思うけど…。(25年ほど前の話だもの…)
1台のバスにそんだけお客さんが乗ってたとして。
大手旅行会社がめっちゃくちゃ安いツアーでバンバンお客さん集めて、バスも3台口、5台口とか言って台数連ねてめぐるケースもあって。全国各地から北海道にバンバン人が流れてツアーが催行されるとしたら…
添乗員が足りんくなるのですー!
そうすると、派遣会社の北海道支店から長期滞在の添乗員をよこせ、とお呼びがかかり、しばらく北海道ステイとなる【ドナドナ隊】が召喚されるのです。あ~る~晴れた~ひ~る~下がり~
大阪でアサイナーに「北海道行ってくれへん?」とお願いされ、私も一度だけ行きました。半月?1か月?まぁそんくらい。Hさんのお仕事です。
連日あらゆるところからのお客さんをお迎えして、2泊3泊くらい北海道周って空港でお見送り。さようなら、の後飛行機の離陸まで見届ける、と。→天候不良で飛ばなくなったら、また一仕事あるのでね。
そんな日がず~っと続くのです。
よく働いたな~私。でも、正直あんまり記憶がない。忙しすぎて、観光地すらもそんなに記憶なく。私は観光地よりもいつもお客様のことと時間を見ていた。気にかけていた…。添乗員は旅程管理主任者なもので。ガイドさんとはまた違うお仕事なのです。
マンションの一室の合宿所みたいなところで寝てた時のこと。初日だった気がする。慣れないところでの起床に失敗しました。
時計を見たら、完全に寝坊でした。お客様の集合時間に間に合いません!
ひぇ~💦慌てて用意して出かけます。気が動転してた💦
6階?くらいだったと思うんです。
部屋の外に出て、エレベーターを待つも、その待つ時間も惜しくて非常階段があったので扉を開けて非常階段を下りました。
タッタッタッタッタ・・・・1階まで下りて、また扉を開けて外に出ようとしたら、その扉、開かないのーーーーーーー!!!
外に出られないのーーーーー!
ええええええええええええええええええええええ!
って、何回「え?」って言っただろうか。
2泊や3泊する荷物を手に持ってるんですよ?
これからわくわくで北海道をめぐるお客様をどうして待たせることができますか?!派遣会社に、旅行会社に、お客様に、めっちゃ迷惑かけます。
ああああああ!どうしよう!?→「助けてー!」って、叫んだのを覚えています。
慌てて戻ろうとして2階に上がったその時、ここから飛び降りれる、って思いました。だって、雪が積もってるからそんなに高そうに思わなかった。
下をのぞくと「いけるわ」と判断したので、
まず、荷物を落としました。ぽいっ!
続いて、パンプスを投げました。ぽいっ!
そして私。
えいっ。→着地成功。さすが北海道。さすが雪。やわらかい。もう、体は汗だくですよ。
あ~懐かしいなぁ。考えてたら当時がよみがえるなぁ。
でね、でね、汗だくになって知らない土地でよ?走ろうにもよれよれして、でも、さぁ、道どっち?って前に進もうとしたら、目の前に信号待ちしていた空車タクシーが止まっていたの。
すごくない?
雪まみれの焦りまくった24歳女子が泣きそうな顔で乗り込んできたタクシーの運ちゃん、びっくりしただろうなぁ。
そこから集合場所に直で向かってもらったら、もちろんお客さんは待たせたけれども20分ほどの遅刻で済みました。
そりゃ、20分だって貴重な旅行者の時間を奪うことは許されないことだけど、今考えたら、それだけで済んだことがほんと奇跡だったな、と。
当時のよく頑張った私をほめてあげたい。
そういえば、そのマンション、お化けが出る、っていう噂もあって
お化けの祟りかと思ってえええええ?の前に「キャー!助けてー!」と叫んだ記憶も今、たった今よみがえってきました。笑
誰も助けに来てくれんかったけど!!!!!
最後のタクシーの運ちゃん、最後の最後に助けてくれてありがとう!!
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