パラレルリセット 第2話「二重人格」
昨日のことを思い出そうとするが大幅に忘れている。
この感覚でどこか危機感を抱いていた。
忘れてはいけないが思い出しようにも思い出せない。
とりあえず記憶に残っているのは誠太ともう一人の"誰か"と何かをしていたことのみである。
誠太にラインで昨日のことを振り替えるていで聞き出すことにした。
(誠太昨日何したっけ?)
既読はつかない
朝食等のルーティンを一通り済ましたあと、インターホンがなぜか家に鳴り響く……
ピンポーン
「はい、なんですか?」
「あなたは本田啓介ですよね?」
「はい………」
なんで警察がここにいるんだ?
まぁ、パトロールかそんなことをふと思う
「警察庁のものです、少しお時間頂いてもよろしいですか?」
後ろに誠太の両親らしきものがいる
「え?なにかしましたっけ?」
とぼけたように答えるが本当に覚えていない
「とぼけないで!」
後ろにいる女性が怒りをあらわにするが周りが抑える
しかしなにも思い出せない
そして、取り調べ室に入れられ「ここで待っといて下さい」と訳の分からないまま待たされることになった、しかし今日はどんな日なんだ?
昨日のことが思い出せないのはもういいとして朝起きたら突然警察がきて事情聴取って………
ガチ、ガン!
という真空の空間に空気が入ったような感覚と音が鳴ったとこをみるするとなんとも人が良さそうな顔立ちと服の男性で一気に緩い空気になった
「どうも、こんにちは君が啓介君ですか?」
「あ、はい」状況をつかめないな中、あっきらかんと返す。
「あ、じゃあけいちゃんだー僕は武田 ヒトシといいます、好きなように呼んでくれていいよ~
」そういわれると逆に何と呼んだらいいのか分からなくなる
「だいじょーぶ、時間はたっぷりあるからゆっくり雑談しよ」
思っていた事情聴取とは少しいや、大分と違う。
「けいちゃん、昨日のこと覚えてる?」
「いやぁ、覚えてないですね………何があったんです」
「うーん、覚えてないのか~それなら僕がけいちゃんの身に起きたことを僕が知ってる範囲でいうね、あのこれはまず昨日起きた事件なんだけどざっくりいうと葛城 誠太君がが何物かに絞め殺されたんだって」
「!?」
「まぁまぁ、落ち着いて、で、犯行現場はカラオケでそこに一緒にいたのはけいちゃん君だよ」
さらに訳の分からない、嘘にしか聞こえない、しかしどこか罪悪感があった
「でもまだけいちゃんが犯人と決まった訳じゃない、けいちゃんが見つかったのはその翌日で山の洞窟の中で見つかったの、そこのしたには20年前のブドウジュースの空き缶が寝ころがってたりいろなものがあって、おそらくけいちゃんたちの子供時代の秘密基地かなってこっちサイドは、おもってる」
秘密基地そういえばそんなものがあったような………
「うん、その様子だと記憶が完全に消えてるね………」
「はい………」そういえば何も思い出せない、、、俺は一体何物なんだ?
「大丈夫、ちょっとずつ思い出せればいいから」
「はい」
一旦ここで事情聴取は終わり、一時的に釈放となった、それからちょっとしたあとふと思い出した、佳奈美と誠太の関係にどこか嫉妬していた感情と蓮司と拓也との思い出、そして首を閉めた感触
もうなにも分からなくなって残るのは罪悪感のみ
………
まって、蓮司と拓也ってだれだ?
そんなことを思いつつなんとなく俺の足は佳奈美の家に向かう彼女は一人暮らしだったはず
「あれ?啓介………どうしてここに?」
暗めの表現でこっちに質問を投げ掛けてくる
「ああ、何か昨日のことを思い出せなくてなんだか忘れてはいけない気がするんだ」
同様した口調で返す
「誠太が死んだそして啓介が誠太を殺したこれは事実」
「………」やっぱりかと心が沈む、深海にでも
潜り、水圧で押し潰されそうな気分だった、そんな感情は誠太の死を知った直後からあったがさっきより水深が深い。
「今すぐにでも啓介と心中させたいそんな気分よ………」
彼女は怒りを抑え切れない声を発する、ある意味俺の人生はここで終わるのだと脳は勘づく頃にはお互いにナイフを持っていた。
しかし、お互い手の力が緩みナイフを落とす。
彼女は泣き崩れ、俺はたったまま呆然とするお互い殺すも死ぬことも出来なかったようだ………
この世界がフィクションで誰かの描いた世界だと信じたいそうじゃなくても夢でもいい、しかし情景描写になりうる雨の音が聞こえないのがここが現実だと無言で主張する
………
蟲の鳴き声が微かに聞こえる、鈴虫だろうか世間は秋色に染まり、これから起こるかもしれない新しい喜劇を待っているから外は晴れているのだろう。
俺たちは夕焼けに焦がされつつさらに感情の海に溺れていく。
嗚呼、これが人が変わったようになる人はこんな思いしていたんだ………
『確かめてみねぇか?』
幻聴だろうかこの言葉が聞こえる。
何故かは知らないがとある都市伝説が頭によぎった、いちかばちかだが暗闇に日光が戻った気分だ。
「なぁ、この世界はこんな都市伝説があるだ」
「どうしたの?急に?」
「信じがたいがこの世界は一週間に一回だけ周期的に世界がリセットされてるらしい」
「だから?………何?」
「それに賭けよう」
「それに賭けてもどうせ戻らないでしょ」と苦笑した言葉が返ってくる
「それにどうやって確かめるの?」さらに言葉を追加させてくる
「それは分からない、だけど確信がある」
「………どうしてそういいきれるの?」
「思い出したんだ全てではないけど誠太と佳奈美意外の二人をさ」
「何をいってるの?そして誰なの?私達意外の二人って………」
「蓮司と拓也だといっても分からないだろうけど………」
「うん知らない」
しかし、なぜ俺だけ見ず知らずの名前と思い出を覚えているんだ?