じゆうのとりとあんていのとり
至って普通の話
「お母さん、あの話聞かせて!」
彼は無邪気に母で有ろう彼女のもとに寄り添いとある話をねだる
「いいよ、よーく聞いてね」
優しい声で言葉を返し一瞬の沈黙を貫き、息子に語りかける。
私もつい妻の話に釘付けになった
妻曰く、妻の父が作った物語らしい
とある鳥が二匹いました、二匹は兄弟でとても仲良しでした。
ある日、兄は空へ羽ばたき、自由に生き始めました、そしてもう弟は空を飛び出さず近くの餌を食べては戻るを繰り返していました。
兄は偶に帰って来るのでその時に、弟は兄にとある質問をしました。
「兄さん、なんでそんなに飛んだのかい?ここにいる方が安全だよ?」
すると、兄はこう答えました
「楽しいからだよ?場所に縛られないし生きたい様に生きれるもん」
兄の回答に少し怒りを覚えました、それは何だか覚えてる?
「うん! 巨大生物に殺されたらどうするの?だよね?」
「そう、よく覚えてるわね」
兄はその怒りをしっかり受け止めた上に答えました
「確かに襲われることもある、でもそれだけでではないんだ」
「何があるの?」
「宝物が手に入ったり色んな生き物と仲良くできたりね」
と嬉しそうに兄は語る中、弟はまた疑問を投げました
「ふーん、でもそれまでが大変なんでしょ?」
「そうだけど、それなんてどうでも良くなる位には毎日が楽しいんだ、お前もやってみろよ」
それを聞いて弟は嫌な顔をしてこう答えました
「嫌だよ、それは兄さんだからできたんでしょ?」
「いいや、できるよ、知識をつければね」
と話はここまでらしい、ここで終わるのか…
「兵太ならどうする?」
「僕ならねぇ………」
その話を聴いて俺も少し思いを馳せてみた。
「俺なら………」
では質問ですあなたなら下手したら死ぬかもしれないリスクを取ってまで兄と同じ位の自由を手にしますか?
それとも今までのように安全に生きてから死にますか?