季雪
寒い冬、雪は降り注ぎ、町並みはいつもより賑わい、温かい空間が広がっている。
そんな夜、賑やかな町をたった独りで歩く。
特別な日なんて只の共通の認識にある空想でしかない。
そんな考えを持ったのは何時からだったのだろう。
頭のモヤモヤを整理してみようとする、こんな時に限ってネガティブな情報が中心に来る。
いざ、整理しようとすると今一番最初に来るのは、やはり将来のこと、生活は安定してもない、支えてくれる人もいない、片や他界片や鬱でほぼ動けていない。
弟もメンタルを潰し、辛くもいとこのとこに泊まってる。
生活自体は奇跡という言葉が適切なくらいに人に恵まれなんとか食費などはバイトの給料で賄えていおり保険や退職金、会社関係で亡き父が買った株で生活固定費が払えている
この事情を自体未成者がやっている祖母達はがいなかったらホームレス待ったなしだっただろう。
10代から20代後半までは一人暮らしだったり恋人ができたりなどがあるのが一般的で寧ろ有るべき姿なのだろう。
それから色んな経験が生まれる事だってある。
無論、それだけではない。
そんなことは分かってるし思っている………はず………だが、
そんな余裕はほぼないに等しい。
自分の身に起きたことを整理すたびまぶたに水が貯まった感覚がする、だが出したくないのでそのたびに考えることをやめてしまう。
一旦、脳内を空白で埋め、まぶたの水が引くのを待つ。
無心で行き先も無いまま足を進める。
賑やかな音が遠くに行った位の事、ふと目に映ったのは白い粉が数多に降り注ぐ景色。
積もった雪、ここら辺で見れるのは中々無いのでせっかくだし雪で遊んでみる。
雪を踏む時の音を聞いたり、ただ眺めたり、座って雪化粧に触れた。
それだけ
小さな雪だるまを作るなどそれらしい遊びは脳内で幼い頃の自分になりきり、無邪気に遊び、満足し、思わずちょっと微笑んだ。
「さて、」と言わんばかりの立ち方をし、ポケットに手を入れ、歩き出した。
どこまできたのだろう さっきまでの賑やかな空間は何処へいったのかと、思わず言いたくなる位の静かさで薄暗い場所についた、自然が豊かで見渡す限り田んぼだった、ある意味本来の姿なのかも。
そんな静かな空間にどこか、安心感が芽生えた気がした。
それと同時にここまで来てしまったのかとも思った。
それでも、足を進め、どうでもいい位の素朴な疑問を自分に投げてみる。
もしも、自分が本当に出来ないを打ち明ける事が、出来ないまま事が進み、それが後々明るみに出たとき相手はどう思うのだろ。
あるときは怒りを感じるのか、悲しいく感じるのか或いは両方か。
そんなことを他人にいっても「何を言ってる?」で終わる。バカとしかいいようがない疑問なのだろう。
だが、そんなことは今はどうでもいい、思考を続けよう。
どうせ結論は自己完結だし、どうせ馬が会うのは自分しかいない。
どちらにせよ、お互い辛いのは目に見える。
人は不完全になるように出来ている、意図せず出来ない事を増やす事もある、例えば、人間関係や過去のトラウマ、病気だったりする。
主に前者は植え付けられた思い込みが多いがそれが結果そうなるだけで何とかなるだろう。
そんな単純に完結するは駄目なのだが、今回は一旦こうしておこう。
問題というよりは気になるのは後者である、確かに前者にも関係はあるときもあるが自分がかかった事のある病気は重症であればあるほど中々打ち明ける機会がない。
例えば、病気の事とか全く共有しないのが普通の会話なわけで、それって、生物的にはかなり変な感じもする。
というのも、重大な病気に掛かるとそれを防ぐという意味でも共有して………
あ、でもそうか………思い出すと辛いしな………
感覚的に話さないようになってるのは解るような気がするな。
こう言うのはやっぱとあーでもない、こーでもない、とか語れる相手が欲しいな
ふと夜空に視線をそらすと満天の星空と満月が共存しているるという珍しい光景が広がっていた。 その光景を見た私は思わず。
「羨ましいなぁ………」
といったかもしれない、少なくとも思ったのは事実。
雲などの光を遮るものなんてもの何一つもない美しい夜。
その光景を背景に脳が映し出したのは両親の焼かれる前の眠った後の姿のみ。
私は少し涙ぐみ
「帰ろう、両親があるお家に・・・」
と呟いた
私の人生は正常ではないのは断言できる。
私は人と居ることに感覚的な恐怖があり恋人がいない。
と言っても人と話すこと自体は何気なく出来るので実はそんなに怖くはないのか、はたまた別のなにかにおびえているのか…
人が集まると孤立者が出るのは当然、その上、孤独は自分や他人を殺す。
ずっとそうやって人は生きてきた。
どうせ何を思っても自分に毒を貯める行為にしか繋がらない。
他人は愚か、話せる友もいない、いたとしても話せたとしても解決や解消には至らないだろう。
孤独から生まれる止めれない破壊欲求の矛先なんてたった一つ私はどうせ生きてないのと同じだしどれだけ傷をつけても何も問題ない自身の心や内面。
自殺も視野に入れたこともあるがどうやら実年齢的にも生存本能が強く、死ねなかった。
だから父が逝ってから数ヶ月間自分の中にもう一人の自分を作り拷問をする事で我慢していた。
だけどそれすらも最近はやる気もない、帰るべき場所ないのかもしれない。
帰れる家はあれど、この傷を癒やすあの家には還れない。
居場所や逃げ場はあれど私にはそれが安心や癒やしには繋がらないらしい寧ろかえって傷を抉る場合もよくあった。
考えを変えたら良いのかも知れないがそこまで器用ではないし強くもない。
そんなことをしているとたどり着くのは退屈と根拠もない恐怖もしかたらもっと酷い状況があるかも知れないが…
そうこうしていると夜に現る昼となった街にまで戻って来てしまった、希望を見つけ出すことができれば、これがいい情景描写にはなるのだろうがそんなことをするのは作者の都合によるもの。
ここが小説の世界なら作者はどうやら私を苦しめたいらしい…
『続いて明日以降の天気です。最高気温は10℃、最低気温がー5が続くでしょう、また、乾いた風がふくと予想されます、皆さんは風邪対策バッチリしてくださいね。』
このままだと心まで冷え込むじゃないか。
そんなことを思いながら彼は街の中を通り越したのだろう
その後も彼の姿を認識したものは誰一人としていなかった…
まるで家の中から見た道路に吹く、静かな乾いたかぜのように…