不通
2021年、もう一つの日本、某所
「速報です!ただいまロックダウンが国より発令されました!ただちに外に出ないでください!不要不急の外室が確認された場合、罰金10万円になります!」
スマホにも同じ事が書かれていた………
解除のタイミングも分からない、就活を始めようというのタイミングでこれはどうしよう‥‥…
まてよ、いま家にいるのは私だけか………
母が今入院して姉貴が病院にいる…暫く一人暮らしなのかなぁ‥…
ピンポンッ‥…‥…
LINE?姉貴かな?
『ごめん、ロックダウンで帰れんなった、金は出すからしばらくは我慢して』
あぁやっぱりか………ファプめ。
『うん、わかった』
『そっちはどうなの?』
『こっちは病院が住と食を提供してくれるらしいから心配しないでね』
『うん、お母さんは?』
『分からないもしかたらもう会えないかも知れない………』
このメッセージを最後に所謂、既読スルーをしてしまった………
もう会えないの・・・か・・・・はは・・・・・
………
せめて行っとけば良かったな・・・
もう両親がいないの?
母型の家系が全滅したまだ決まってないとはいえ、あの家系は僕の知る山柿家は二度と………
父は精神の病で自殺した、母は父の悪口を死後僕らにうっぷんを晴らすこのように毎日文句をいい、団欒と呼ばれる、掛け合いというものがなかった。
正直なとこ、皮肉なことに母がトウカというフジの病のおかげで家族というものや絆が見えてきた瞬間、これである。
俺はまた何も出来なかった、これで何回目なんだろう?
15年前俺が年中のとき位に祖母がトウカで死亡したことを始め、祖父、ペットや祖父母など身内の死を数えたら、切りがない………
しばらく思考を停止させネットサーフィンをする、Twitterやyoutubeに似たものを腕時計?からワンタップで画面が飛び出て表示される。
ネットを見て最初にロックダウンの解説動画に目をむける
日本にロックダウンが発令されたのは今回が初めてではないらしい…………
次に疫学、健康法、様々なものをみて特攻薬がないか見てみた。
よく考えたらそんなものがあればロックダウンなんて起きないのだが母に会いたくて………
🔎ファプ特効薬
壊れた精神、ありもしない、ことを調べだす始末。
ん?何々?
『万病に効く!?たったワンコインで疫病をこれでやっつけろ!』
このフレーズに一瞬で脳が何かしらの異常な反応が更に出てしまった。
ワンクリップのあと、無表情で手続きを済ます。
その様子はあまりにも自分が異常者で止めたくても止まらず意識と本心が離れたかのようだった。
即時日配送………か………はは
気持ちが高揚してきて意識が完全に飛んで意識以外は揃っているだけのもぬけの殻だった、そこからの記憶はあるが意識がトンデイタ
ずっと嬉しそうに笑い続ける自分という動物、理性が存在しないかのようにもの持ち上げ何かを壊そうとしていた。
記憶が正しいのであれば、それは写真たてや遺影だったのかもしれない。
なにを持っていたのかはよく覚えていない。
感覚としたら終始笑い続けながら暴れているようだった。
それほど全てに絶望とどうでも良さが両立していた。
そんな中にインターホンがなり響き、扉を開けてクスリを貰い母に渡すためだったはずのそれは・・・
トビラを閉め直ぐ、ぐいっといった。
何粒飲んだのかは知らないし感覚は粉薬だった様な気がした。
そこからは体から記憶も理性も全て消えた………
アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ………
もはや自分が何者なのか、どんな人生を送ったのかなんてことはどうでも良かった。
奇妙な感覚だ、0.1秒前以前の記憶はなくてまともに考えることはできなくて感じることだけが出来る。
ある意味全ての感覚が狂う自分を客観的に見れて忘れてまたみれての繰り返しは苦痛でしかなかった。
それから時間という無機質なものが気持ちをどん底まで落とし込んでくる。
体のダメージがここまで受けた痛みがメンタルと体の両方に押し付けられる。
またその辛さがあまりにもじわじわと来るもんなので次はもっと残りの小遣いを使い果してまで買った。
本来の目的も忘れ、自己満足以外のために使い果してしまった。
それからというもの毎日飲んでは楽しくなり、時間が経てばまたのみを繰り返し、その日はとても楽しっかった。
体のダメージは日に日に増え鬱症状が出ているなんて事は全く気にしなかった何故ならクスリがそれを無くしているからこれが無くして生きてるなんてありえないな………
時期にクスリが切れて買いたくても買えず鬱っけになり、個数日はクスリ以外を口にした記憶がなく、冷蔵庫を開けても全て賞味期限が切れてる。
正確にはなまものしかないから多分一週間位立ったのだろう
まだ誰も帰って来ない。
あれ?
誰を待ってたんだっけ?
「ま、いっかどうせ外には出れんしポチればいい」
あ、そっかポチろうにもポイントも現金もないのかー
玄関のそと周りを見てもなんにもないしお金は本当にないし食べないでどれだけ持つんかなー
・・・
退屈だ
これほど独りが暇なものだなんて・・・
今まで誰かと一緒にいたような気がするだけにこんなことに耐性がないのか………
一緒にいた人ってダレなんだろ?
それにしても暇だなそういや食事って結局なんの意味があったのかな?
周りは空腹を補うとか食べないといけないとか栄養を取るためとかいってるけど、本当なのかな?
実は建前で死ぬカウントダウンを楽しむものだろうか
そしてこの右腕にまとわりついてるものは一体…
要らない気がする…
得体のしれない、機械を放り投げる。
外に恐怖で出れないというよりこの閉鎖空間で一日ずつ死に近づくことに若干の喜びがあり、餓死を目指している自分しかいなかった。
空腹の感覚も知りたい好奇心と合わせて。
そもそも生まれつき空腹が分からないからお腹が空いて力が出ないとかは2次元的なものとしか捉えてなかった
恵まれてたのだろう、一食で粗食でもいい体質で育ったのは。
念の為、食べれないものを捨て、残ったもので食おうとすると冷蔵庫の中身は空になった
もういいや、そんな一言をきっかけに食を絶った。
あれから数日・・
なぜ、死なない?
餓死を目指し数週間も生きたような感覚があり、家は空そのもの、新築から何も持ち込まずに生活しているようで生活にちゃんとした楽しみがなく、ただ生きているだけ、意味が分からない者は袋に詰めて外に捨てた。
「!!」
何日かぶりに声というものを出してみた、響く、その声は言葉でも声でも無いようなものだった。
無機質な空間に汚れたような空気、何も感じない無限に続く虚無、正しく牢獄そのもの。
もはやここが何処なのかわからなくなって餓死も出来ない、体は次第に重くなり、取る行動は眠るだけで横になった体は心臓や脈の音を娯楽とし、脳は退屈を当たり前だと誤認し、感じる心を失わせた。
私自身は体に身を任せ、意識をなくした。
ある日、不思議な夢を見た、暗い空間でなにかを話している様なそんなあと光が刺し、影?がいくつかあってどうやらこちらを見ているよう。
こわかった…
これからされることがまるですべてわかるように
すき?というかんじょうがもうにどともどらないようで
これからくる、このからだのさいだいのくるしみをよかんさせるようで・・・
数時間がたち、ついにこの瞬間が来た。もう、生きれない…
じわじわくるあつさ、燃え移るカラダ
イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ…
鎮まったあと、
ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・
とというもののつかの間、体が刺されモゾモゾと動き出し一部がブチッと引違られる
ブチィーーー
喉のとこから始まり、指の先からゆっくりとじっくりと苦しみを少しでも楽しむかのごとくちぎっていく・・・
つま先、あし、、こかんせつ、こし、せぼね、あばら、あごをくだかれ、ほお、あたまをかち割られ、箱にしきつめられ暗い場所に閉じ込められた、抜け出すことも出来ない
目を覚めるともとの場所にもどっていた、顔右半分が濡れていいる…なぜなんだろ………
暗い気持ちになりつつもまたいつもの日常に戻る。
だけどなんとなく言いたくなったことばがたった一言が出てきた。
「ありがとう」