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ドサ健ばくち地獄(下)の登場人物

下巻はそれほど人間ドラマはなく、登場人物たちが破滅へと向かってゲームが先鋭化してく様が描かれている。

<浜辰>
本名、浜中辰吉。手本引き史上5本の指に入ると言われる男。また実力だけでなく、仕事師(いかさま師)でもある。子分を連れて、全国の賭場に顔を出す。ドサ健も一目置いており、無謀を承知で勝負を仕掛けた。

<チン>
浜辰の実の弟。兄弟仲は良くないらしい。福島に住み、中学生の息子がいる。専門は兄と同じ手本引きだが、麻雀も不思議な勝負強さがある。当初は女郎屋の工藤と組んでいた。

<工藤>
本名、工藤幸一。女郎屋の2代目。父親の代からばくち打ちに顔が利く。千本塚の賭場を本拠地にしている。チンに賭場や相手を紹介し、勝たせることで自らは上がりをかすめ取ろうと目論むが、上手のチンに立ち回られ、同盟は消滅した。その後は、自身の博打で次第にきつくなり、店の売上を差し出すことを条件に、利之助に金を借りようとするが、すでに何重にも抵当に入っていることを見抜かれ、去っていった。

<利之助>
千本塚の賭場の常連。どんなときでも自分のペースで安定した博打を打つため、ドサ健にも認められている。また、玄人同士で潰し合いをしても旨味がないため、素人相手に稼ぐことのメリットを説くが、さりとて自分から退くことはしない。

最後に、上巻にも出てきた人物たちの悲惨な顛末を紹介する。

殿下・・・皆にたかられ廻銭が出せなくなり、主催する賭場は自然消滅した。かつての同僚だったバーテンの滝に裏切られ、強盗に入られる。ただし、資産はそれなりに残したと思われる。

堤・・・殿下との温泉旅行で腹上死した。

株屋の大木・・・殿下の賭場の客。一家心中した。

葬儀屋・・・奥さんを使って自分が脳症で半身不随という噂を流し、ヤクザからの借入を、他人への廻銭で相殺することに成功した後、雲隠れした。

滝・・・借金で首が回らなくなり、殿下のマンションへの強盗を首謀し、界隈から追放された。

春木・・・愛人と一緒いるときに自動車事故を起こし、全身包帯巻きとなった。終盤は博打でもかなり負け込んでいた。



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