反面教師
なにしろ初めての子育てですからね。
いろいろ試行錯誤します。
まちがいもいっぱい。
しっぱいもいっぱい。
でも、そのひとつひとつがいい経験になるし、
いい思い出にもなってる。
今となってはそう思います。
まぁ、渦中にあっては、そんな悠長なこと言ってられないんですけどね。
だから、今、子育て真っ最中で、キーーーっ!ってなってるママさんたちに心から言いたい。
ちょっと立ち止まって深呼吸。
少し離れて、見てみてほしい。
ふりかえって、鏡を見るように、自分を見てみてほしい。
もしかして、わたし、怒りすぎてないかな?って。
電車のなか、公園、デパート、いろんなところで、いろんなママさんたちがまだヨチヨチの子供たちにマジギレしているのを見ます。
怖い顔のママを見て、子供も火がついたように泣きます。
胸がね、ほんと痛いです。いたたまれないくらいに。
ママの気持ちが痛いほどわかるから。
怒ってしまって、大きな声あげてしまって、叩いてしまって……
後で(いや、今も?)山のように後悔して、自分を責めて、でも、子育ては休めないわけだからどうしようもなくて。
イライラするから、また怒鳴ってしまって……いやー、ほんと。わかるんだわぁ。
今日、公園でのこと。
まだ遊んでいたい女の子が「まだあそぶううーーまだぁーーまだぁーー!」ってぐずってます。
その子に、ほんと般若みたいな顔で「何言ってんの!ダメダメ、早く帰るわよ」と、けんもほろろに言うお母さん。
「やだぁぁぁ、まだぁーーまだぁぁーー!」って、女の子の声も大きくなってお母さんの手を引っ張ります。
すると、お母さん、その手を振り払って(女の子反動でよろけて尻餅ついちゃった)
「じゃあ、わかった。ママはもう行くから。あんた、ここにいなさい!」
と、スタスタ大股で歩いていってしまう。
「やだぁぁやだぁぁぁぁ!!」と、女の子の叫ぶような声、泣き声……。
泣きながら離れていく母親を追いかけ、手をつなごうとする。
でも、その手を邪険に振り払って、
「いいわよ、もっと遊んでるんでしょ。来なくっていいって言ってるでしょ!」
「やぁだぁ、まぁまぁー、ごめんなさいぃぃー、ごめんなさいぃぃー」
こんな光景はわりとよく見ます。
客観的に見れば、子供を脅しつけたりしちゃだめだってわかる。
怖い顔で言っちゃ逆効果だっていうのも。
それ、ずーっと何度も続けてたら、それが普通になっちゃうからね。どんどんエスカレートするしかなくなってく。
そういうのもぜんぶ承知なんだけど、なかなかうまくいかない。
わたしはあの頃、どうしてたっけ……。
たぶん、思い出は美化しちゃってるだけで、きっといろいろあったと思う。
わたしだって、「もういい!ママは先に行ってるから!」ってやっちゃってたんじゃないか……。
わたしは自分の母親とうまくいかなかったという思いが強くあって、
だから、子供をもつのが怖かったんです。
でも、世の中にはとってもいい言葉がありまして。
「反面教師」
そう。うまくいかなかった自分の過去……母との葛藤を「反面教師」として、娘と対したと思います。
それに、失敗してももう終わりではなくて。
その失敗してしまった自分も含め、「反面教師」にすればいいんですよね。
そして、これは子育てに限ったことでなくって、全てにおいて言えるんだなーって、つくづく思います。
ま、私達作家にとっては、全てがネタになりますんで。タダでは起きない!を信条にやってきたんですけどね!(そう言わないと、やってられない!!)
理不尽なことにがっかりしても、「勉強になった」って思って乗り切るしかなくって。いつこの勉強が終わるのかと言えば、ずーっと終わらないのかもしれませんね。