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2020年ふり返り

いろいろあった2020年。自分のためにやったこととか印象的だったことを書き留めておきます。


1月 Podcast「YMKラジオ」をはじめる


昨年の12月から自分の本の宣伝でTwitterをガンガン使っていて、この頃すっかりTwitterに疲れてしまった。佐々木に相談してみたら、じゃあラジオやろうよと誘ってくれてPodcastをはじめてみた。最初は照れくさいような気持ちもあったけど、人の声って文字では伝わりきらないたくさんの情報を含んでいて、限られた文字数でひとり歩きする情報に違和感を持っていた自分にとってはとてもよいメディアだった。

聴いている人のことを意識しすぎると話し方とか様子がへんな感じになってしまうから、とにかくいつも通りの感じで話すことがラジオを続けるポイントだと思う。内容はただの雑談だけど、対話をすることで自分の考えてることや、今ひっかかっていることが明瞭になるし、ラジオだとその記録までできてしまうので、やってよかったなと思う。(ラジオを通じてあたらしく友達もできた!)


2月 小説すばるにエッセイ「灰色の街」を寄稿

あこがれの文芸誌に寄稿させてもらってうれしかった。どうしても好きになれなかった地元のことについて、”書ける”ようになったことに時間の流れと心理的な距離を感じた。メールで編集の方から『私の証明』を読んで、依頼をしたいと思った、と連絡がきて、自分の本がちゃんと誰かのところに届いているんだとわかって安心した。

3月 ひとり暮らしをはじめる

3年間暮らしたシェアハウスから引っ越しをして、久しぶりにひとり暮らしをはじめた。あかりちゃんと、たかこさんと暮らした日々は自分にとってとても大切な時間だったから、ばらばらになることはさみしかったけど、自分で自分の生活や、たのしさをつくることにちゃんと向き合いたいとどこかでずっと思っていたから、いいきっかけになった。

↑シェアハウスで暮らした日々についてShe isでエッセイを書いたのでこちらもよかったら読んでください。

引っ越しをして、すぐにコロナウイルスが広がって、人と会えない日々がはじまった。

4月 在宅勤務や時短勤務になる/noteに日記を書き始める

どうしても出勤しないとできない仕事があり、もやもやしながら電車に乗って出社していた。引っ越したばかりでWi-Fiが使えなくて、一週間目で速度制限になった。やることもないので、ひたすら空を見たり、絵を描いたりして過ごす。

この頃noteに日記を書き始めた。

当時書いたものをみると、ずいぶん息苦しそうな感じ。何かに怒ったり、悲しんだりしてみることで、実態の掴めない不安感を昇華させた気になっていたようにも感じる。

5月 「Maybe!」に短編小説『声になる』

小学館の雑誌「Maybe!」でポカリスエットとタイアップの小説『声になる』を書かせてもらった。わたしは小説(フィクション)を書いたことがなかったので、最初はどうなることかと思ったけど、実際に書いてみたらとても楽しかった。

フィクションといえど、自分の中にあることしか(自分は)書けなくて、今まで触れてきた小説家の心の中にはどんな風景があるのだろう、と思いを巡らせた。目の前の有り余っている時間を、空想の世界のために使えたことは、自分にとってとても有意義でありがたいことだった。


6月 TOKYOVOICE/『音楽 完全版』書評

レンナさんがインタビューしてくれた。

思ってることや考えてることって、書いても書かなくても批判してもすごい自由なのに、なんでみんな牽制しあっていなきゃいけないんだろうっていう気持ちはずーっとある。みんな正しいっていうよりは、みんな間違ってるって思ってるんですよ。その前提に立って好きに発言すればいいし、その上で好きに生きればいいっていうことは示したいなと思っていて、じゃあ自分が何ができるかってなったら、こういう方法をとることだった。

ここで話したことはずっと自分の中で一貫しているな、と思う。このインタビューの中でいちいち語気がつよいのは何でだろう……

『音楽 完全版』書評

大橋裕之さんの『音楽 完全版』の書評を書かせてもらった。大橋さんの漫画(超好き)について自分の語彙で言葉にしていくのがとてもくるしく、大変な作業だったけど、資料として漫画をたくさんいただけてラッキーだった。


7月 会社を辞めると伝える/相澤さんとトークイベント

5月くらいから東京にもう居なくてもいいかな、と考えるようになって、なんとなく自分の誕生日の日に会社を辞めたいと伝えた。次にやることとか、住む場所とかは決めていなかった。辞める理由を聞かれて、「なんとなく」と言うわけにもいかなかったので「実家に戻る」と言った。

トークイベント

相澤さんとトークイベントを行った。渋谷のBAGONEという書店でやらせていただいて、来てくれた人が全員マスクをつけてこちらを見ていて、すごい光景だと思った。オンラインで見てくれたひとが結構いたらしくて、本屋さんにすこしでも利益がでたとのことで安心した。


8月 夏休みこっそり帰省する

夏休み、東京にいてどうしても息が詰まるような感じがして帰省した。親からはPCR検査を受けて欲しいと言われて、その気持ちもわかるけど、実際に言われるとショックだった。結局、両親はわたしと会わないように祖父母の家へ泊まっていたので、実家ではひとりで過ごした。自然の近くで暮らしたいという思いが強くなる。

9月 移住を決める

ご縁があって、地方の銭湯で働くことが決まった。12月初週には引っ越すことになり、9年目に入った東京での暮らしに突然終わりが見えてきた。ひとり暮らしをはじめて1年も経たないうちに引っ越すことになる。

10月 上高地で不思議なおじさんに出逢う

GoToキャンペーンをつかって上高地に行った。泊まったペンションのオーナーが博学な人で、宇宙とか、地球の起源、ノアの箱舟などの話を一晩中してくれた。ペンションの外はほんとうの真っ暗で、途方もなく大きな話を聞いていたら、宇宙にからだごと宇宙に投げ出されたような感覚になった。

そういえば今年は、目に見えないものをすごく信じて、感じるようになったと思う。

11月 退職/会いたい人に会いまくる日々

2年弱働いた出版社を退職した。

週末の限られた時間で、会いたい人にたくさん会った。友だちから変な餞別をもらってうれしかった。

12月 引っ越し/あたらしい生活

引っ越し当日になってもあまり実感が湧かないまま、自分の荷物はトラックにすべて載せられていった。空っぽになった部屋を見て、空っぽが似合う部屋だなと思った。

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内見せずに決めた新居に、見覚えのある荷物が運び込まれて、突然あたらしい生活がはじまった。翌日から銭湯の朝掃除があり、気が付いたら高校のジャージとTシャツ姿で浴槽をゴシゴシ磨いていた。現実のほうが夢みたいだなあと思いながら、ホースで水をぶちまける。


まとめ

こうしてふり返ってみると案外いろいろなことをやってたし、心境も暮らしも変化の多い一年だったように思う。(1年で2回引っ越ししてたのか…)

このタイミングで東京を離れることは自分にとって自然なことで、流れに身を任せてたらここに辿り着いていたという感じがする。

これからはもう距離とかは問題ではなくなると思うので、近くても遠くても共振できる人たちとたのしく暮らしていきたいです。

今年もお世話になりました。



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文月
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