むかしがたり『白い象の野原』
私は子供のころに、この物語を祖父から聞いた。祖父もまた、この話を若いころにインドの山奥の小さな村で聞いたのだという。
祖父は冒険好きで、若いころはかなりの野心家でもあったので、戦争のころ――第二次世界大戦のことだが――中国奥地から遠くインドにまで旅をして、そこで大きな事業でも起こそうと考えていたらしい。
祖父は、インドの東、大きな川の上流近く、中国や東南アジアの国々と国境を接しているようなあたり――そこは、今でもインドや中国、バングラディシュ、ビルマ(ミャンマー)、少し