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きみはザ・リーサルウェポンズを知っているか

きみはザ・リーサルウェポンズというアーティストを知っているだろうか。

ザ・リーサルウェポンズとは、黄色いオーバーオールにヘルメットを着用した敏腕プロデューサー、アイキッドと、彼の手によって生み出された人造人間(という設定)、サイボーグジョーの二人によって構成されているロックユニットである。

そんな彼らが生み出す音楽は、1980年代をイメージした、どこか懐かしさを感じるものばかり。
まずは以下の動画に目を通してみてほしい。

…いかがだろうか。

軽快なメロディーと共に80年代の名優を紹介していく楽曲、「80年代アクションスター」
この曲はまさにザ・リーサルウェポンズを象徴する一曲となっている。

この曲の大きな特徴として、コールアンドレスポンスを前提とした絶叫パートが入っていることが挙げられるだろう。「アニキ!アニキ!」「エイドリアン!エイドリアン!」などが良い例である。

これはツイン怒号システムと呼ばれ、「ザ・リーサルウェポンズはあくまでリードボーカルと観客によるツインボーカル体制である」という信念の下に作られたものだという。(出典:Wikipedia
これにより、視聴者は単なる観客ではなく、より主体的に音楽を楽しむことができるようになる。要は乗れるのだ。

例えば、「ホッピーでハッピー」という楽曲ではこのツイン怒号システムが大いに生かされている。

We like it ホッピー(ホッピー) ホッピー(ホッピー)
Everyday 吞んじゃう Go to Heaven
ウィーアー(ウィーアー) ハッピー(ハッピー)
焼酎割んなら1:5

「ホッピー」という飲み物(主に焼酎と割って飲むもの)をテーマに作られたこの曲の魅力は、何と言ってもその明るさだろう。明るいメロディーとシンプルな歌詞は、聞く人の心を離さない。単純に楽しい、そんな曲だ。筆者個人としてもお気に入りの一曲である。

しかし、ザ・リーサルウェポンズの魅力はただ「楽しい」だけではない。
時にブラックシニカルな楽曲もまた、ポンズ(公式略称)の大きな特徴である。

続いて、以下の動画を見てみてほしい。以前にTwitterでバズっていたため、目にしたことがある人もいるかもしれない。

きみはマザーファッカー 頭がマッスルヘッド
きみもファッキンサッカー さよならサノバビッチ

曲名「きみはマザーファッカー」
恐ろしいほど口の悪い歌詞に度肝を抜かれた方も少なくないだろう。

ザ・リーサルウェポンズのもう一面の魅力は、ハッピーでキャッチーなメロディーから放たれるシニカルなフレーズである。

シニカルな歌詞は「きみはマザーファッカー」だけではなく、他の様々な楽曲にも見て取れる。

例えば、「プータロー」という楽曲では以下のようなフレーズが耳にできる。

敗戦処理の set upper みたいな life

すげえパンチライン。
筆者が初見の時、めちゃめちゃビビった覚えがある。

続いては、「シェイキン月給日」という楽曲だ。
この曲も明るいながら、どこかブラックなフレーズが散見される。

通信制限 解除できない
I don't pay the 借金返済
現代の奴隷 派遣社員
So admire the bubble generation

以上の歌詞からは、「現代の生きづらさ」が切実に感じられるだろう。

このように、ポンズの大きな特徴はその歌詞にあると筆者は思っている。
明るいメロディーからは想像もつかないような歌詞がポンポンと出てくることの衝撃。それでいてその歌詞がメロディーから浮かず、馴染んでいることの快感。

メロディーを楽しみ、歌詞を聞き込んでさらに楽しむ。ポンズの魅力はその二面性にあるのではないだろうか。



ちなみに今年(2022年)の秋、大型ライブやるらしいです。
筆者はこれだけ言っておいてライブ未参加なので、今回こそは行ってみたいと思います。

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