【20240712】振り子

エッセイストになりたい。品田遊のように。穂村弘のように。
とはいえ、書くことがない。私の人生は平坦ではないものの、面白い起伏もないのだ。

俳句も、短歌も、小説も、エッセイも書けない日は、何をしたらいいのか自分でも分からない。「書きたい」という気持ちだけが宙ぶらりんとなって、私の脳裏を振り子のようによぎる。ぼーん、ぼーん。


人と話したい、という欲求が日々募っている。
最近は人と会う機会が多く、以前と比べればかなり口は動かしている方なのだが、それでも何か物足りない気持ちがある。文学の話をしたいのだ。
もちろん、それ以外の話も楽しい。天気などの世間話から始まり、好きな映画や音楽の話、相手の話、真面目な話。どれも悪くないし、自分から振る程度に関心もある。だが、それでも私は、「マニアックな話」というものへの憧れがあるのだ。

マニアックな話は、その内容が深ければ深いほど、その人の知識の広さ、もっと言えばその人の人生経験を窺い知ることができる。
私は圧倒されたいのかもしれない。知識人の底知れなさに。


以前、別名義で書いていた小説の扱いに迷っている。
というのも、その名義のアカウントを削除したためだ。別のSNSで運用していた名義だったが、そこはチャットルームのような場所で、常に誰かがエアリプで会話しているような場所だったのだ。私は壁に向かって独り言をぶつぶつぶつぶつ呟き続ける方が性に合っていたため、どうも方向性の違いを感じていたのだ。しばらく馴染んでいた時期もあるにはあったが、それでも馴染みきれないというか、居心地の悪さは依然としてあった。今思えば、だけど。
よって消しました。なんというか、インターネット上の人にあんまり関心が持てないからかもしれない。自分に関心のない人間を好きになれないというか……。

小説の話に戻ろう。案としては、
①名義は変えずに、冬野から宣伝する
②名義を統一して、冬野から宣伝する
③名義は変えずに、宣伝もしない
の3つが挙げられる。

どれも悩ましい。
名義を変えてまで宣伝するほどのものでもないが、しかし一方で、せっかく書いた作品群を宣伝することもなく腐らせてしまうのも勿体ない気がするのだ。
前述した通り、その名義のアカウントは消してしまった。今から作り直すのも億劫だし、そんなに発信するようなこともない。その名義はネットの海で溺死したということにしたい。死体は見つかりたくない。

小説については、今後更新することがあったら考えようかなあ。
一応プロットや設定は考えているし、いつかまた書けるようになったら書くかもしれない。書かないかもしれないけども。

とりあえず現時点では、「読みたい」って人には教えようかなって程度。わざわざ宣伝するほどの量も質もないから、自分からは言わない。
とか予防線を張っておく。

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