相棒sea9.ボーダーライン
またnoteを始めたいと思ってとりあえず2021年に書きためていたものを放出する。
※()書きは今ほど書き足す。
小さい頃からずっとみてる『相棒』だけど、脚本家櫻井さんが注目を浴びてるなか(コナン映画の脚本を書いた)で達筆したいのが『相棒season9』の8話「ボーダーライン」。
中学生の頃に再放送されて見たとき凄いショックを受けたの覚えていて、未だに録画を遡って(最近はテラサを登録した。オススメです)は見てしまう相棒屈指の鬱回と称される神回。貧困ジャーナリズム大賞2011も受賞している。
ストーリーは、就職できず、家賃払えず、社会保障制度から漏れ、コンテナで寝泊まりしていたが追い出され、家族から見放され、犯罪に走り、無料の飲食サービスや試食を点々とするもプライドを傷つけられ、っていう所謂弱者男性が転落死したけど実は…みたいな話で、後味は悪いし、面白さなんて全然無くて本当に見てて辛くなる。
“貧困に苦しむ男性“の社会から溢れて、生を見出せなくなるところがリアルな“絶望“で、でも誰にとっても他人事じゃないことが上手く描かれてる脚本。被害者視点でも加害者視点でもこんな社会の一員であることを思い知らされた記憶だ。生活保護のあり方や新自由主義における自己責任論の冷酷さが問われ、右京さんの言う”手を差し伸べる勇気“をまだまだ持ち合わせられていない自分と向き合いたくなくて、目を瞑りたくなる。
コロナによって”最低限度の生活“の定義が揺らいだ今、大義名分を重ねて五輪開催に踏み込む前に目を逸らさずに考えないといけないことはこういうことなのかなと。救うべきもの、守るべきものを見誤りたくないし、大きく分けると加害者側でいることに責任も感じる。
「ボーダーライン」「ライフライン」「逃げ水」「冤罪」「殺しのカクテル」この辺の相棒神回の脚本をぜんぶ櫻井氏がやってると思うと、切実に相棒に帰ってきてほしい。相棒がただの刑事ドラマじゃなくて、社会への問題提起とか、組織社会での杉下右京の存在意義とかから見せるダークな部分を攻めれるのは櫻井進行ならではだと思うし、出雲麗音というこれまでになかったキャラを櫻井進行のなかで見てみたい。
#aibou
相棒は「ボーダーライン」「通報者」「監察対象杉下右京」「聖戦」「招かれざる客」とかめちゃくちゃ好きなのだが、わたしってseason9しか見てないのかな…「右京のスーツ」も「亡霊」も…
season9と櫻井武晴氏の作品が大好きです。
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