秋の夜更けに日々のあれこれ
10月に入り、ようやく秋らしい気候になってきた気がする。
庭で育てていた夏野菜たちが、酷暑から解放され息を吹き返したかのように元気を取り戻して再び実をつけ始めた。
一つ隣の畝にはサツマイモのつるが盛り盛りになっているというのに。
異常気象は、こんな小さな庭にも異常をきたしている。
こんな小さな変化がそこかしこに散らばっているんだから、大丈夫なわけないよね。
しばらくきゅうりの漬物は困らなさそうだなぁ。
季節の変わり目なので、またうちのおチビが風邪をこじらせるのではないかと心配したが、今度は鼻水垂らす程度ですみそうだ。
体もぐんぐん大きくなって、すこしの風邪ぐらいなら自分で抗う術を自然に身につける。
本当に赤ちゃんの成長には驚かされることばかり。
離乳食が始まってからというもの、生活にメリハリができてきて、ふとしたときに、自分の時間をもてることが少しずつ増えてきた。嬉しい。
読みかけていた本も一気に読破し、ストックも無くなってきたから、古本屋に出かけてみたら、読みたかった本が一気に揃い、袋がはち切れそうになった。
前職を辞めてから、落ち着いて本を読む機会が増えて本棚がいい感じに埋まってきた。
本当は、ずっとずっと前から本を読みたかったんだけれど、退勤後も休みの日も電話が鳴るような日々で常にアンテナを張っていたから、本に集中することができなかった。
だから、読書家としては本当に初心者で、好きな作家さんもまだ数える程度しかいない。
三十路も過ぎたのに知っている作家さんがこれしかいない~なんて思っていたから、本好きの人に作家さんについて詳しく聞きたくても、なんとなく聞けずじまい。
…だけど、先日母と隣町の図書館に行ってみたら、小説の数の豊富さに圧倒された。
母と「この本が面白い」「あの本は映像化された」なんて話をずっとしていたら、ふと、私の知らない世界が、あんなにも奥の棚にまでぎっしり詰まっているのだと思ったら震えた。
わくわくして。
三十路だから。だとか、恥ずかしいからなんとなく。とか、勝手に自分に蓋をせずに、素直に聞いときゃよかった、なんて後悔に似た気持ちすら湧いてきた。
幼いころに好きだと思った物やこと。
成長するにつれて蓋が重くなって、開けてあげることができなかった。
ここ数年で少しずつ軽くなった蓋が、徐々に開け放たれて、中身がふわふわと浮かび上がってくるこの感じ。
大切にしたい。
始まりに早いも遅いもない。
あぁ、こないだ古本屋で見つけた「コクリコ坂から」のサウンドラックが好きすぎる。
武部聡志さんのピアノが身に染みる。
歌がある音楽も大好きだけど、最近は楽器だけの音楽も素敵だなあと思うようになってきた。
本もだけど、音楽もまだまだ知らない世界があるんだよなぁ。
秋っていいなぁ。