座って帰りたい(出かけたい)という乗客のために設定しています。
有料の座席指定車、いわゆるライナー。
関東地区では当たり前の世界線です。
関西で最近新快速の9号車にAシートという指定席を組み入れた列車が走っているそうです。
実は京阪でも4~5年位前からライナーの運転とプレミアムカーの連結を特急と快速急行、さらにノンストップ便で行っていました。
私からすると関西でもそういう動きが出始めたかと思いました。
とはいえ関東地区ではごくごく当たり前の話ではあります。
古くは国鉄が東海道線・横須賀線のグリーン車、その後の湘南ライナーから始まったライナー列車(後に全て特急へ変容)と始めていました。
関東の私鉄では有料タイプの特急が充実しており、その手の列車が中々なかったのですが、その手のが走っていない京急がウイング号として当時クロスシート車だった2000形を使って走らせ始めました。(車両は2100形へ継承)
そして2008年に東武東上線にTJライナーが走り始めると、京王線で京王ライナー、西武で拝島ライナーとS-TRAIN、東急大井町線でQシートが設定されました。
東武もスカイツリーライン(要は伊勢崎線)から東京メトロ日比谷線向けにTHライナーが走り始めました。
Qシートこそ編成の1両だけというAシートと同じスタイルになっていますが、それ以外は専用の車両を用意しています。
普段はロングシートですがライナーで走るときはクロスシートに変えさせるもので、元祖は近鉄のLCカーでしょう。
ちなみに、TJライナーと京王ライナー、拝島ライナーの下り列車は途中駅から無料で乗れるようになるため、その最初になる停車駅では客がガルルガルルと待っています。
一番凄まじかったのは下りTJライナーのふじみ野でしょうか。
あの圧は凄まじかったものです。
客の目は皆血走っていましたし。
あと京急も平日以外に土曜休日の一部の快特でウイング・シートを1両設定しています。
2つドアのうち三崎口寄りのみ乗降の取り扱いをして(品川寄りは開閉扉はするが幕で閉鎖)、乗車している乗務員に予め申し込んだQRコードを提示します。
飛び込みでも乗れますが、キャッシュのみで空いてるところへ座れ!だそうです。
私も乗ったことがありますが、本当に天国と地獄を味わえます。
ウイング・シートは2号車に設定されますが前後の車両は押し合いへし合いになります。
それも三崎口に向かってですとだいたい横須賀中央くらいまではそうなります。
という私の住んでいる中央線沿線でも特急あずさとかいじに混じってライナーが設定されていました。
1991年(つまり20世紀の頃)から運転を開始し、車両が183・189系からE351系・E257系に替わり、列車名も変えながら走っていました。
その時はグリーン車、普通車とも定額制でしたので、よくグリーン車のお世話になっていたものです。
183・189系の普通車は簡易リクライニング車とフルリクライニング車が別れていた頃でグリーン車は2+1列でした。
さらに特急で喫煙車だった車両に割り当てられたこともありその時は地獄でした。
ビューカードを作ってからはえきねっとで普通にチケットレス予約をしていました。
それが中央線の特急が全列車E353系に切り替わったタイミングで特急に変更されてしまい、定額制のライナー料金から従量制の特急料金に変更されてしまいました。
これでメンドクセー事が起きてしまったのですが。
私鉄でも有料タイプの特急を設定していた会社では平日の朝や夕方~夜はライナー的な指向でダイヤを組んでいる節が見て取れました。
その最たる例が京成のイブニングライナー、モーニングライナー、小田急のホームウェイでしょうか。
京成だとスカイライナーが走らない本線を走りますし、小田急では停車駅を気持ち多めにしていますし、何ならGSEも充当しますし。(過去はVSEも入っていました)
東武で言うと元々その手の特急を入れていなかった東上線にいち早く導入したのですが、後にスペーシアやリバティ、りょうもうが設定されているスカイツリーライン(いわゆる伊勢崎線系)でも日比谷線向けにライナーを導入しています。
ちなみにそのライナーはガラガラらしいと聴いたことがあります。
設定に無理があったかどうかは東武鉄道しか分かりませんけど。
そのシートとて大きく2つに分かれています。
総合車両製作所系と日立系。
前者は京王、東急、京急(のル・シエルと呼ばれている車両)、後者は東武、西武に。
前者は特急のシートに近いのですが、後者はちょっと・・・という感覚があります。
近鉄のLCカーも乗っていますが東武、西武ほど酷くはなかったなと。
で、COVID-19を越えたあとに各社課金による客席サービスに活路を見いだしているようです。
特に京王などは土曜休日での高尾山輸送向けにライナーを導入していますし、終日京王ライナーの設定を考えているみたいです。
京急のウイング・シートもそういう考えでしょう。
あとは乗客のマインドの変化でしょうか。
ゴミゴミした中乗っているより確実に着席できて立ち客もいない環境であれば、数百円も惜しまないと言うことでなのしょうし。
それが遠距離であればあるほど。
さらに週に数日くらいしか出勤しないような形式であれば。
その流れが関西にも及びつつあるようです。
京阪のプレミアムカーだけだったのが、JR西日本が一部の新快速がAシートの導入したのに続き、阪神でもトライアルながら昨年末に着席専用車を臨時に設定して走らせましたし、阪急もその前段としてなのか快速急行を準特急に種別を変更していますし。
私も京阪のプレミアムカーに4~5年前の秋の日曜日の午前中に枚方市から京都・出町柳まで乗ったことがありますが、非常に快適でしたし当時の特急が殺人的な混雑でしたのでこれもアリなのだろうなと思いました。
何せ当時の京阪特急は京橋から結構な混み具合になり、枚方市では押し合いへし合いになっていましたし。
普通に定期客が減っている中各社が有料サービスを収益源として視野に入れ始めているようですし、今後はどのように展開していくのでしょうか。
ちなみに謎なのは、東横線の東急車の10両編成の数本に2両分設置されているQシート車でしょうか。
ただその運用が始まっていませんし、そもそもその東急車は乗り入れ範囲が広域なのです。
西武は飯能、東武は森林公園、みなとみらい線は元町・中華街に加えて、相鉄では海老名と湘南台まで走り、相鉄線内では線内輸送の運用にも入っています。
今は乗り得車にはなっていますが、いずれ何かをするのでしょう。
ただ運用の難易度が上がっているだけに東急がどうするのかは注目していますが。