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借景自慢

書こう書こうと思っていました我が家の借景、枝垂桜のお話です。
おそらくヤエベニシダレかしらと見当をつけてみましたがどうでしょう。




さて、
昨夏から住み始めた我が家は市の西はずれにあります。

駅から15分ほどの坂道をキュッと上がり切ったところ
小道をはさんで竹藪がサワサワと風に揺れ、
少し行けば渋めの観光名所のお寺がある。

早朝にはお犬様の散歩道、
休日にはお寺めぐりの方の遊歩道、
野良猫、ときどき狸、
ものすごくたまに猿と相まみえる、素敵な所です。

毎朝9時ごろには亀を散歩させている素敵な女性もいらっしゃる。


そんな住まいの向かいには大家さん宅。
我が家の書庫の窓からは、その広々としたお庭が眺めます。

まだ寒々しい初春の頃。

この出窓から眺める樹木。

これは枝垂桜であろう!

と、昨年より楽しみにしておりました。

なにせ立派な枝ぶりです。
自宅にいながらにして観察ができるロケーション。
絵を描くものとしては嬉しい限り。

そして飲酒を好むものとしては

これ以上ないくらいの花見席を得たも同然。


つぼみが膨らみ、色づいてきました。



ぬくたくなり、早咲きの桜が満開を迎える頃
少しずつ枝垂桜もその蕾をほころばせます。


そして今月初めに満を持して咲き誇る枝垂桜。

ご立派!
満開です。
この後ウマさんは別の場所に移動させられ、枝垂桜の盛り中は日陰で過ごされました。



あまりの見事さに震える。

これは枝垂桜の期間中、
家賃が上がる仕組みではなかろうか…



管理会社が間に入っていない直契約。
もしやこの借景料が上乗せされるのではないだろうか。

「見ましたよね?」

「堪能していますよね?」と詰め寄る大家さん。

「イイヤ、書庫の窓は完全に塞いでいます!」と

鉄壁の養生目隠しをするワタクシ。


そんな妄想に耽るものの、いやこれは払ってでも見ちゃうなぁ。

まぁそんなことはなく通常通りのお家賃ですが、
それにしてもこれは見事。
堪能しなくてはいけません。


年度替わりの疲労後

疲れ切って逆に浮かれた挙句、

握り寿司を注文して花見の席を設けました。



勿体ないくらいの花見席でした。



さて、
ここからは私のモゴモゴした話よりも画像でご堪能ください。

京都、2023年4月初旬の枝垂桜です。


咲き始めの頃


赤みの強い花弁


こぼれるように開いていきます。


蕾の濃い色が綺麗です。


さあ満開。


枝垂れは縦画面で撮りたくなります。


糸が垂れるような細い枝もまた良いもので。


これはイイ資料。


八重の花弁が華やかです。


見上げれば天蓋のような覆い



あらためて画像で見返しても実に見事な咲きっぷりです。


夜桜も綺麗だったのですが、全然上手く撮れませんでした。



枝垂桜はすぐに散らないのか、
まとまった期間で愛でられたため眼福・満腹でした。

満ち足りるあまり

もういっそ大家さんに謝礼をお持ちしようか。


という気持ちにまでなる。
実に平和です。


我が家だけではなく道行く人にも愛でられていたこの枝垂桜。
ある日、坂をゆっくり上ってきたおじいさんが息をつき、見上げて一言。

「立派に咲きましたねぇ」

まるで孫に「大きくなったねぇ」と言うかのような温かな響きでした。






さて、今回も最後まで読んで頂きありがとうございます。
それではまた次回の投稿で。




おまけ

盛りを過ぎて出窓に戻してもらえたウマさんです。

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巳白
応援、ありがたく頂戴しております。いただきましたサポートで、また1日長く絵に専念できます(о´∀`)