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気が付けば13年目の共同アトリエ

中秋の名月、皆様見られましたでしょうか?
私はアトリエからの帰り、坂道を自転車押し押し息を切らしながら見ました(’∀’)

そう、こんなに暑いのでうかうか夏だと思ってしまいますが
もう9月も18日。
あと2か月で個展、日に日にアトリエ滞在時間が長くなっております。

題名に悩んでいる石と水の絵


今回は利用しているアトリエのお話です。


そういえばまったく触れていなかったアトリエの話



言われてみれば13年目


アトリエ、利用者の出入りばかりで来客はほとんどありません。

が、先日
コンコン…「すみませーん」(インターホンがない当アトリエ)

いそいそ出てみるとそこには

おまわりさん(’∀’)!


いえ、ただの巡回連絡でした。
先月に2階にお住まいの方が熱中症で搬送されるということがあったもので、すわ!と身構えてしまいましたがなんのことはない。

ただ「このアトリエは何年前から?」と尋ねられまして
「じゅう…12年前です」

ほぉ、ということは13年目。

自分がいちばんびっくりです。



意外と多い共同アトリエ


はっきりとした数はわかりませんが、共同アトリエは京都市にいくつもあります。
学生の街・京都、美大生も多ければ作家活動している方も多い。

「制作も生活もできる物件を見つけたい」
「作家どうしで協力しあいたい」

色々あると思いますが

なるだけ安く、
少々汚しても不規則な生活をしても遠慮のいらない環境がほしい。

これに尽きるかと思います。

で、だいたい彫刻や工芸など立体造形の人は人里離れた静かなところか、
もしくは工業地帯へ。
絵画などの平面勢は自宅か共同アトリエに安住の地を求めます。



うちのアトリエのすごいとこ


そんな中、うちのアトリエ
まぁまったくもってオシャレではございません。
南海トラフ級の大地震がきたら諦めようかな、という感じです。

ただ手前味噌で恐縮ながら、うちのすごいところ。

広い。

安い。

ただただ安い。


どのぐらい安いかというと、
パッとネットで見つける京都市のシェアアトリエの半値です(共益費込)。

しかも24時間使い放題、駅から徒歩3分。

そして天井が高い。


12年前の検分時


天井高が2.8mあるんですね。

一般的な住居だと2.4m、きりきりだと2.1m。
それだと高さ2mの絵はなかなかどうしてってなもんですよ。(というか搬入出が絶望的)


横長サイズもひろびーろ



6人で共有


そんなアトリエ、6人で共有しています。

1人去れば1人募集する。
欠員が出れば、運営費の不足分を折半する。
いたってシンプルです。

そしてうちの特徴として、すこぶる安いの他に

干渉しない。


仲が悪いわけでなく。
挨拶もすれば長い付き合いの人とはご飯も一緒に食べますが、

イイ感じに「内向的」な人ばかり(’∀’)


個性的な古さのある非オシャレ物件に
「安い・天井高い・24時間使える」ことを目当てに集まってきている。

類は友を呼ぶの法則。


完全に仕切られていない周回できる独特構造



ですので、制作中は誰も一言も発しません。




13年目を迎えて


ここまで書いて、干支も一周した間になにかあったかしら…とふりかえったものの、ほぼ変わりありませんね。
気が付けばただ年月だけが過ぎ去っていった…という感じです。

とはいえ、だいぶ体裁はととのいました。

退所者が出れば募集をかけ、運営費の見直しをし、プールが出たら還元もしくは設備投資…

そんなあれやこれやを必要最小限の手間でとどめおき、
マニュアルも作成(退職前の有休消化中にやった)

これでいつでも去れる!


実のところ、最初にここを立ち上げた時
心中ひそかにあったのは「なるだけ早く去るべし」


立ち上げ当初、利用者全員で顔合わせ&下見をした際、
自然と私ともう1人で仕切るような雰囲気になっており、その時思いました。

この人が出ていったら

全部わたしの肩にのっかってくるなぁ…と。


結局、当初メンバーで残っているのは私とその人なのですが
まぁ何かあって去ることになっても、うまいこと運営はしてもらえるでしょう。


これだけモノにあふれているので、退所は考えておりません。


知人から譲ってもらった美術関係の書籍も大量に(;’∀’)



内向的なメンバーで粛々と続いているアトリエですが
それでも時には友人・知人が立ち寄ったり、
業者さんとの打ち合わせがあったりとひそやかに周知されています。
最近は知人と「月イチ運筆部(半分遊び)」などもしています。

とりたて何もない12年間といえど
人が集う場所には自然とその年月分の空気が感じられますね。
私自身この12年、この場所がなければ全く違ったものになったと思っています。

居場所とはそういうものなんだろうなぁと
改めて感じた13年目のアトリエでした。




おまけ

7年前くらいの骨洗い写真が出てきました(机に飾っているシカの骨)


アトリエの人から梨をいただいた。日本酒と梨は私の中で最高の贅沢です(*’∀’)



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