胸の良性腫瘍が大事になった話3 診断結果と入院手術、病名確定編

※この話の当事者は医療従事者でもなんでもない記憶のあやしい一般人の回想録です。症状諸々に心当たりのある方は早めに病院へ※

翌週、検査結果が出揃ったので溶けたネイルを引っ提げて夫と共に病院へ。

診察室に入ってすぐ、医師は開口一番「葉状腫瘍で間違いありません。手術の適用ですが、いつにしますか?」だった。

出来れば手術したくない派だったのだが、悪性化する腫瘍を大事に体に入れておく必要も無いので、5月頭に手術することにした。

入院は3泊4日の予定、後日入院説明とPCR検査をクリアしたら晴れて入院の身である。

後日の入院説明で館内にWiFiが通っていないことをしり驚愕を結構な大きさの病院なのに…ネットで、ポケットWiFiレンタルしました。

バタバタと過ごしていたらあっ問うまに入院の前日となり慌てて荷造りをする。

夜、改めて胸の腫瘍を触ると固くなっている?大変嫌な予感がするが明後日取るので色々考えずに就寝。

夫に病院へ送ってもらい重い足取りで午前中、入院をしに病院へ

予約していた個室が、運良く空いてたので案内される。

こう言っては何だけど、冷房テレビ完備で快適である。(WiFi飛んでないけど)

しかもご飯が美味しい、編み物やポケモンをしながら時間を潰そうとしたが、担当看護師、オペ室看護部長、麻酔科部長、栄養士、病棟担当医と次々来客があり、ゲームどころではない。

皆一様に励ましてくれるのだけど、
印象に残っているのがオペ室看護部長の言葉で私の「外来担当医は腫瘍のある胸のボリュームが多少落ちるといわれたが、葉状腫瘍の資料が無さすぎて、術後胸の形がどうなるか分からない。」と、軽くボヤいた。

取らねばならぬのは分かるのだけれど、資料や術後の写真があまり無い。まぁ、胸なので写真が少ないのはしょうがない。(私とて有料記事にしてもあげられない)

が、オペ室看護部長はもの凄い迫力でキッパリと『再建したほうが良いです、確かに希少腫瘍の分類なので、資料が少なくイメージしにくいと思いますが、例え少しの変化でも我慢せずに再建したほうが絶対良いです』

心を見透かされた様な気がしてドキッとした。

私は胸が大きい方なので(しかも腫瘍が有る方が1カップ大きい)検査の為に周りの脂肪も取ると言われても、元々が大きいので再建するほどではないかと思っていや、思おうとしていた。

思うことで大した事ないさ、と自己暗示をかけようとしていたのだけど、例え元々が大きくても本当は少しでも胸の形が変わるのは嫌だったので、キッパリと言ってもらえて少し気が楽だった。

手術中は、まな板の上の鯛なので、他に心配することは無い。

その後、外来に呼び出され胸に切り取り線を書かれ、開放される。

そういえば執刀医が誰か効いていなかったので、外来担当医に聞いたら「僕ですよ」だった。(はよ言ってや…)と思いながらも。いつもこんな感じで一言足りないので気にしない。

私が浮かない顔だったからか医師が「多分、大丈夫ですよ」と言ってくれたのだけど、私の顔が浮かないのは手術に対する不安じゃなくて、いつも足りない一言だった。

そんなこんなで、いつの間にか夕方になっており、これまた美味しい夕飯を食べ風呂に入り、オタク友達ともくりで話しながら日付が変わるまでポケモンをして遊んでいた。(見回りもなく大変快適であった)

翌朝、外来担当件執刀医に起こされる。朝8時だった。
「寝れたのであれば良いです」と、言って颯爽といなくなった。

私のオペ順番は3番目、15時〜の予定だったのでオペ後までは絶食である。(入院中これが1番キツかった)

顔を洗い身支度して時間を潰し、忘れもしない午後1時。

ポケモン、ルビー版を再開し、封印された災いポケモンでも狩りに行きますかね、と思っていたところに笑顔の看護師が「オペ時間が繰り上がって14時からになりました。今から点滴して13時30分に移動します」ときた。封印されたポケモンの釘を抜いている暇ではない。

慌てて着替え、点滴をしてアレヤコレヤでオペ室へ。
名前と手術名を伝えオペ台へ、麻酔をかけられながら「嫌だな〜」と、思っていたら。

隣から『トータル出血量5ccです』の声が聞こえる。いつの間にか手術が終わっていたようなのだけど、このとき裸眼(両目とも0.01)で何も見えない。
視えないながらもキョロキョロしていたら、前日に話した麻酔科の声がする「胸のサイズ、見た目は心配するほど変わってないよ😊」と言われたので「良かったです、先生、ドレーンと尿カテは付いていないようですけど…」と懸念事項(コレがあると入院が伸びる)を伝えると「おっ!私が分かる?ちゃんと覚醒してるね。ドレーンも尿カテもついてないよ。お疲れさま、病室へ戻ろうね」だった。

病棟の看護師が迎えに来てくれてベッドで移動するのだけれど、ベッドだと頭が揺れて気持ち悪い。コレが地味にキツかった😥

部屋に戻ったのが17時前で、1時間後に夕食ですと言われたので、各所に手術が無事に終った事を連絡する。

携帯をポチポチしていたら病棟担当医が様子を見に来たので、待っていましたと、まくし立てて言う「執刀医がドレーン付かなかったら翌日帰っていいって言ってました!!!明日帰りたいです!!!!!」に、「えっ?ドレーン付いてないの?」だったけど、「付いてないです!トータル出血量5ccです!!!」と、引き続きまくし立てたら、服をペロリと捲って確認し執刀医に連絡し始めた。

会話2〜3語で電話は終わり、翌日退院のOKが出たので早速夫に連絡したら「えっ?もう?」だったが今すぐにでも帰りたいのを我慢しているので翌日の午前中帰ることにする。

「冷めたから、温め直したけど熱すぎるかも💦様子を見ながら食べてね☺️」と、看護師がお夕飯を持ってきてくれた。夕方の忙しい時間だろうにわざわざ温め直してくれたなんて、本当にありがたい。

点滴を外し油淋鶏定食、常食白米200gもペロリと食べあげ食器を片付けてテレビを見る。

麻酔は切れていたのだろうけど気になるほど痛みもない。やることも無いので23時就寝。

翌日、前日と同じ様に回診に来た執刀医に起こされる。「痛みはないでしょ?」だったので、大丈夫な旨を伝えると「今日からシャワー浴びれる様に防水シート出しときますね、じゃ2週間後に外来で」と、颯爽といなくなった。2週間後?こっちの予定も聞いてよ、である。

朝ごはんを食べ終わった頃、事務員が退院と次回診察のアレコレを説明してくれたので、事なきを得る。

説明ホント大事

全てが終わり、ナースステーションへ挨拶をして午前10時前に無事退院。

迎えに来てくれた夫曰く「色んな患者さんの退院の見送りをしたけど、めのうさん程嬉しそうな顔の人見たこと無いわ」とのこと。

良いじゃない、嬉しかったのだから。

無事に病院から脱出したので、行きたいと騒いで、家から1時30分の場所にあるお気に入りのうどん屋へ車で連れて行ってもらう。

大好物を食べて、帰りは車の中で爆睡する。(夫、ホントにありがとう)

家に帰り着き、一息ついて。夫と改めて胸を見てみる。術後で腫れてはいるものの見た目は全く変わっていない。
腫れが落ち着いたらサイズも変わるのだろうけど、そこまで心配しなくても大丈夫そうでホッとした。

問題の傷は横に7cm程なのだけど、下乳部分なので胸を捲らなければ分からない。

なんにせよ、痛みも無く食欲もあり、元気に動けているのだから良しとする。

3泊4日の入院予定を2泊3日で切り上げたのだから、流石に疲れてその日は泥の様に眠った。

それからバタバタと過ごし、いつもの如くあっ問の2週間。

術後初めての外来日、朝9時から診察だったのだけど、相変わらず患者が多く1時間程待った所で、次の診察番号が私の番号となったが呼ばれない。
15分待っても呼ばれない。

ここで確信した。『腫瘍が悪性だったな』と。

診察室で上がってきた検査結果を読んでいるのだろうと。

25分程たった所でやっと呼ばれたので入室する。
まずは腫瘍のあった胸をエコー。その後、説明だった。

何時になく難しい顔の医師は「遺伝子分析の結果、腫瘍は良性〜境界悪性。腫瘍の中から見つかった病名は非浸潤性小葉癌です。周りの乳腺や脂肪からは、この結果は出ていません。非浸潤性ですし腫瘍は完全に取り切っていますが、葉状腫瘍は再発率が高いので、次は半年後に受診して下さい。取り切ったので、放射線やホルモン治療などの治療はありません。」

だった。私の「先生、コレ癌だったんですか」に対して

「癌だけど僕たちは癌とは思ってないです。まぁ、ネットとかでも色々出てるんで見てみてください」だった。
時間も押していたし、お礼を行ってさっさと退散する。

会計待ちの時間で、非浸潤性小葉癌について調べるも頭に全く入ってこない。

むしゃくしゃしたので、ネットで買物をし散財したら、入院手術代と併せてエライ額になった。
支払い後、悪性だったら電話するね。と話していた夫に電話する。
いつもは繋がらないのに2コールで出で逆にビックリする「診断名が出たよ、非浸潤性小葉癌。先生は癌だけど癌だと思ってないって🤔なんのこっちゃだけど、追加治療もないし今回はコレデおしまい。半年後に再診だって」を伝えると労いの言葉と早く帰って休むように言われた。

頭がいっぱい、いっぱいで、何も考えたくはなかったのだけど、急ぎ加入している保険会社へがん保険の申請をして帰宅する。

参ったの一言である。術前のカルテには葉状腫瘍(良性)だったのが、開けてみたら境界悪性だった。危なかった。早く取り出せて良かったと、思う気持ちと恐怖感でゴチャ混ぜになった。

夫が帰ってくるまでふて寝し、帰宅後、2人でカップラーメンを食べながら話をする。

結論は、結果的には良かったが(ステージで言うならステージ0の状態)良性と境界悪性ではモチベーションが変わってくる。
今は気持ちが落ち着くまで、のんびり過ごして欲しいとのことだったので、遠慮なく過ごしていたらあっ問うまに、もう9月末で再来月には再診もある。

のんびりし過ぎた感は否めないが、現状、胸の腫れも落ち着き、傷の痛みもなく術前と変わらない日々を過ごしている。

終わりに

葉状腫瘍の体験記って少ないんですよね。稀な腫瘍らしいですし。

だから書きました。

何の足しにもならないかもしれないけれど、1人でも多くの人に早い段階で病気を食い止めて欲しいから。

もし胸のしこり、過誤腫や葉状腫瘍で調べてこのnoteにたどり着いた方がいたら直ぐにでも病院へ行ってください。

そして手術が出来る状況であれば、早めに手術をして下さい。

このnoteを書いている人間は、今の段階で片胸に7cmの傷がついただけですが、初診は過誤腫でした。結果的には誤診でしたが(乳腺は診断が難しいとのこと)、良性が半数の中、術後、葉状腫瘍良性〜境界悪性の診断が出ています。
何があるか分かりません。

過誤腫のまま放置していたら乳がんになる恐れだってありました。

ハッキリ言って、年に一度の乳がん検診は面倒臭いです。受ける年によっては費用は高額ですし、何より時間がない方のほうが多いでしょう。

ですが、良性や脂肪腫、大事でなければそれで良いと思っています。

私の拙い体験記が、どなたかの役に経てばと思い長々と書きましたが、これにて終了。

お読み頂きありがとうございました。