#三四郎ANN武道館 を観た、聴いた。
私の最愛のラジオ番組である、「三四郎ANN0」のラジオイベントが昨日、行われた。詳細なレポートについてはちゃんとした人が書いた上記の記事があるので、そちらを参照してください。
私はあくまで、このイベントを通して感じたことをただ書いていきたいだけ。観終わってから溢れる想いを一気に放出してしまいたいだけ。
そもそも私の記憶容量で詳細なレポを書こうなんて、土台無理な話だ。メモなんて書く余裕はない。その空気を余すことなく自分の中に取り入れようとするので精一杯。私の好きな空間の中に出来るだけ浸っていたいから。
この番組の私が一番好きなのはオープニングトークのところだ。そこはいわゆる"ノリ"が中心で、なにか明確な着地点がある訳ではなく、よく分からない設定に入って話し始めることもあれば、何かひとつのワードでめいいっぱい遊び始めるような内容だ。……内容と言えるような内容は特になく、ただ何となく音を楽しむような、そういう良さがある。
それだけに、なんでこんなことになったのかはあとから思い出せず、なんだかよく分からないパワーワードだけが残っていく。流れ星のような一瞬の煌めきを楽しむラジオだ。
そこにリスナーのリアクションメールが届いてまた思いも掛けない展開になることもあり、混沌を極めている。でもその混沌さこそ、このラジオの良さで、この煌めきだけを覚えて、みんながあとで困惑するところまで含めて、良かったりする。
そして、みんなが覚えてないという前提でみんなが楽しんでいるので、私が詳細を覚えていなくても許される、そういうゆるい連帯みたいなものに救われている。「これを覚えてないなんて真のリスナーじゃない」みたいなものがないことで、私をそっと受け止めてもらえて心地よい。覚えてないなんてリスナーじゃない、と言われても、パーソナリティすら覚えていないのだから。
こんなにゆるい連帯でありながらも、皆寡黙に粛々と動く軍人リスナーたち。大イベントにも関わらず静かに入場し、静かに開演まで待つ姿はまさに軍人。イマジンスタジオでのステッカー配布の時にも感じた静けさが、そのまま。
武道館、という大舞台にも動じない。きっと昂る気持ちが胸の中にはち切れそうなくらい詰まっているに違いないのに。(私も、そうだった)軍人と言うよりは熱心で敬虔な信者、にも見える。とにかく、驚くべき自制心を備えた集団なのだ。
武道館でもいつもと変わらないのはリスナーだけではなく、パーソナリティである三四郎も同様だった。
なにか特別なことをする訳ではなく、当日副音声を担当した都築さんの「ちっちゃいスペシャルウィークの詰め合わせ」(細かいニュアンスはうろ覚え)という言葉がピッタリくるくらい、ずっとラジオをしているのだ。
慣れたゲストたちと、ひたすらステージのラジオブースでトークしていく。お馴染みのやり取り、お馴染みのトーク。公開収録と言っても差し支えないほど、いつも通りのラジオだった。 なにか特別な映像や、凝った幕間や特別なコーナーがたくさんあるわけでもない。間違いなく"ラジオイベント"だった。
様々なラジオ番組の単独イベントが行われるようになった昨今、ここまでラジオに徹したイベントはあるのだろうか。私はあまり他のラジオに触れてきていないので分からない。どちらがいいという訳ではなく、こういういっそ無骨なラジオイベントもとてもいい、と思えた。
ノリ禁止、と前日まで言いながらもノリたっぷりで、いつものメンバーでいつも通り盛り上がる。最高の時間だ。私はこれが好きでこのイベントに来ているんだ!と思うし、周りの人がそのノリを理解した上で笑っていることが嬉しい。亜空間、と三四郎はよく言うけれど、この亜空間にずっと留まっていたい。こんなにたくさんの人が同じものを楽しめているのだと、私は何度だって噛み締めたい。
最後に、その場で二人だけで行われるノリ。相田さんすら理解していない知らない人の名前が急に現れたり、無軌道に繰り広げられていく。それでありながら、いままでを振り返るような内容で、ああ、これがこの先も続いてくれるんだ、と、思えた。
小宮さんが言っていた、「15周年のイベントは気が向いたらってことで……」という言葉。私はこの言葉がこのイベントの中で一番心に残った。後ろ向きなようでありながら、私が先程挙げた「ゆるい連帯」を感じて嬉しかった。たとえ離れても、いつでも戻っていいし、忘れたっていい。そういう空気感に私はずっと救われていて、いつだって深く呼吸をすることが出来る。頭を空っぽにして、ただ亜空間に浸り続けられる時間。ずっと、なくてはならない場所。
先輩パーソナリティがやっているイベント観に引きずられることなく、三四郎のペースで、いまの気軽さで、ずっとずっと続けていて欲しい。規模がどうとかじゃなく、ただ三四郎ANN0をずっと続けていて欲しい。いかなる場所でも。もちろん番組自体も。
たまに、タイムカプセルを掘り返すようにイベントでノリを堪能しつつ、振り返って欲しい。私たちはいくらでも、そういうものに心を熱くされるから。