相澤冬樹

元NHK記者、大阪日日新聞。赤木雅子さんと共著【私は真実が知りたい 夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?】文春文庫【メディアの闇「安倍官邸vs.NHK」森友取材全真相】。週刊文春、ハーバー・ビジネス・オンライン、ヤフーニュースなどに記事掲載中。大阪・上本町~谷町9丁目が根城

相澤冬樹

元NHK記者、大阪日日新聞。赤木雅子さんと共著【私は真実が知りたい 夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?】文春文庫【メディアの闇「安倍官邸vs.NHK」森友取材全真相】。週刊文春、ハーバー・ビジネス・オンライン、ヤフーニュースなどに記事掲載中。大阪・上本町~谷町9丁目が根城

最近の記事

表参道の薄~い本屋さんと支援学級の息子を結ぶ思い出

 東京の表参道交差点の角にある薄い薄い本屋さん「山陽堂書店」についての思い出です。  創業明治24年(1891年)の由緒ある書店ですが、東京オリンピック(前回のね)で青山通りを拡幅するため敷地を削られ、現在の薄~い姿になったのだとか。そんな由来を教えてくれたのはNHKの番組「ブラタモリ」でした。13年前の2008年放送です。  このお店は代々家族経営で、タモリさんが店の前をよく通った40年前(今からだと半世紀前)、当時の店主におんぶされていた赤ちゃんの女の子が、4代目の店

    • アニキとのお笑い対談 ちょっぴり真剣

      我がアニキ分、鎌田靖さん NHK週刊こどもニュースの、池上彰さんの後任の元“お父さん”として知られる鎌田靖さん(現在TBSひるおび!出演中)。私の6年先輩の記者です。1993年にNHK神戸放送局で兵庫県警キャップになった私は、警察担当デスクとして東京社会部から着任した鎌田さんと出会いました。2年後、6434人が犠牲になった阪神・淡路大震災の取材報道をともに経験します。  それから8年。私は大阪府警キャップとしてNHK大阪放送局に着任し、大阪の報道統括(大阪報道の仕切り役)だ

      • ジャクソンさんって誰や?

         ミュージック・マガジンで連載中の「相澤冬樹のロック記者人生」。今日3月19日発売の7回目のタイトルは「ジャクソンさんって誰や?」。はて、誰でしょう? これだけでわかる人はまずいませんが、「ジャクソンさん」は「マイケルさん」です。これでわかりますね。そう、「キング・オブ・ポップ」です。  マイケルのことを書いているのに、「ビリー・ジーン」も「スリラー」も「ブラック・オア・ホワイト」も、ムーンウォークも無重力傾斜も出てこない。というか、曲とダンスの話題が一切ありません。それで

        • 【予告】森友事件発掘秘話 真っ先に被災地へ向かった赤木俊夫さんの3・11

          震災10年 見つかった発掘写真 東日本大震災から1か月ほどの被災地で、被害を受けた人の話を深刻な表情で聞いている、冒頭の画像右側の男性。この顔に見覚えがありませんか? 左腕に「近畿財務局」の腕章を付けています。  この6年後、森友学園との土地取引を記した公文書の改ざんを迫られ、それを苦に翌年、命を絶った。財務省近畿財務局の職員、赤木俊夫さん(享年54)の震災直後の姿です。  赤木俊夫さんは財務局で被災地への派遣を志願し、真っ先に支援におもむきました。画像は被災地で罹災証明の

          こどもニュース「お父さん」にして「我がアニキ」鎌田靖さんとほぼ同時に本を出す偶然

          週刊こどもニュースの「お父さん」は元エース記者 鎌田靖さんと言えば、NHK「週刊こどもニュース」で、あの池上彰さんの後を継ぎ、2005(平成17)年から2009(平成21)年まで第2代「お父さん」を務めた。その後、解説委員としてNHKスペシャルなどに出演し、2017(平成29)年にNHKを退職。今はTBSの「ひるおび!」にニュース解説者として出演している。多くの方に「テレビに出演する解説者・コメンテーター」として認識されているだろう。  でも鎌田さんは元々、NHK社会部で検

          こどもニュース「お父さん」にして「我がアニキ」鎌田靖さんとほぼ同時に本を出す偶然

          真実に迫る原動力は「信頼」

           大学生から取材を受けました。この記事の 真実に迫る原動力は「信頼」という表題は、学生が自分たちの記事に付けたタイトルです。  取材したのは、東海大学の公認団体、東海ジャーナリズムプロジェクト(JPOT)に所属する1~2年生の学生たち。日本ジャーナリスト会議(JCJ)が主催するJCJ賞の贈賞式(去年10月10日)を彼らが取材し、後に冊子にまとめるという話は、事前に聞いていました。 大学生が取材、教授や記者OBが手助け 東海大学 文化社会学部広報メディア学科の羽生浩一教授が指

          真実に迫る原動力は「信頼」

          「真実をつかむ」

          本ができました。 「真実をつかむ 調べて聞いて書く技術」(角川新書)  表紙には「20年後にわかった事実、見逃したスクープ情報、赤木雅子さんから託された夫の遺書 記者として歩み続けた私の取材手法をすべて明かします」と書かれています。  裏には▶相手を大切に思う気持ちが特ダネを引き寄せる ▶普段からの蓄積が偶然につながる ▶事実をもって権力を対峙する ▶「迷惑をかける」「嫌われる」は、やらない言い訳 ▶努力は人を裏切らない。そのときは成果がわからなくても 「記者が何を考

          「真実をつかむ」

          土佐の旅 驚きと喜びの再会と決意

           関西の酒好き男女5人が酒呑みの本場・土佐で酒蔵と酒場を巡る旅。初日は山あいの「桂月」の蔵、土佐酒造を訪れ、夜は高知の街でこっこ亭、珍々亭と桂月の銀杯(昔の二級酒)を出す店を巡り、〆は屋台安兵衛。ここの餃子が旨いのだ。「たっすいがはいかん!」のキリンビールとよく合う。いつも人気でこの日も行列ができている。私たちは「しゃーないやんな」と言いながら列の一番後ろについた。  すると前に並んでいたご夫婦がこちらを振り返った。その男性の顔を見て私は思わず「あっ」と声を漏らした。私がN

          土佐の旅 驚きと喜びの再会と決意

          維新を勝たせるのは反対派

           大阪市の政治決戦、大阪市廃止・特別区設置 住民投票。11月1日、投票日の朝は爽やかな秋晴れに恵まれました。投票の出足はどうでしょうか? (住民投票の日、大阪市の朝焼け)  聖徳太子の創建と伝えられる日本最古の名刹の一つ、四天王寺。その四天王寺の隣りにある大江小学校の投票所では、有権者が長蛇の列をなしていました。こんな光景、見たことありません。市民の関心の高さが伺えます。  投票所の前では投票を呼びかける人々がプラカードを掲げていました。「反対」を呼びかける人ばかりで「

          維新を勝たせるのは反対派

          【関西を元気にする”真の大阪都構想”】

          《10月21日大阪北ロータリークラブでの卓話より》  本日はお招き頂きましてありがとうございます。相澤と申します。 1/大阪人以上に大阪を愛するが故に 私は九州出身で大阪とは縁がなく、親類縁者もいないところだったのですが、今から17年前にNHKの転勤で初めて大阪放送局にやってまいりまして、それから5年間で大阪がすっかり好きになりました。その後、また東京に転勤しますが、どうしても大阪に戻してほしいと上司にお願いして、また大阪に戻ってまいりました。そしてNHKを辞めて大阪日日

          【関西を元気にする”真の大阪都構想”】

          僕らはラ・サール・タイムズ編集部(自己を見つめる連載⑦)

          [冒頭はおそらく高校2年生の時の写真] 【2020年9月28日配信】  前回、中学でロックと友だちが人生を救ってくれたことを振り返りました。生きる力を取り戻した僕が高校で出会ったのが「記者の仕事」です。私の人生を決定づけた新聞部の体験を記します。 (本記事は、9月27日に配信した「ロックと友だちが人生を救う」に続く、連載7回目です) 《高校進学時の“格差”が生んだ部活の重要性》 その前にラ・サール学園について余談を一つ。前回、「中高一貫のラ・サールでは高校受験がないので、中

          僕らはラ・サール・タイムズ編集部(自己を見つめる連載⑦)

          ロックと友だちが人生を救う(自己を見つめる連載⑥)

          [冒頭画像は寮の庭で寮母さん舎監さんを囲む中3同級生。卒寮時か] 【2020年9月27日配信】  前回、中学で寮の先輩から受けた性被害と、それを「なかったこと」にして中1中2の記憶をすべて欠落させてしまった自分を振り返りました。そんな僕がどうして中3から記憶を蘇らせたのかを記したいと思います。ロックと友だちが人生を救ったのです。 (本記事は、9月26日に配信した「それを“なかったこと”にしたから…」に続く、連載6回目です) 《ロックバンドへのお誘い》 中学3年生。寮で最上級

          ロックと友だちが人生を救う(自己を見つめる連載⑥)

          それを「なかったこと」にしたから…(自己を見つめる連載⑤)

          [冒頭の画像は12~13歳頃の僕。この頃の写真はほとんどない]【2020年9月26日配信】  前回、ラ・サール中学に入り成績劣等生になった僕が、アスペな言動で寮の先輩たちに目を付けられ、いじめられるようになった姿を振り返りました。続いて起きた事件と、それに僕がどう対処したかを記したいと思います。 (本記事は、9月25日に配信した「42年間封印されていた性被害の記憶」に続く、連載5回目です) 《1学年の違いが大きな差を生む年頃》 小学校高学年の頃を思い出してください。この時期

          それを「なかったこと」にしたから…(自己を見つめる連載⑤)

          42年間封印されていた性被害の記憶(自己を見つめる連載④)

          【2020年9月25日配信】(冒頭画像は鹿児島・城山から臨む桜島。ラ・サール学園の目の前にそびえていた)  前回、我が幼少期を思い起こしながら「アスペな子」の成長を小学生まで振り返りました。続いて中学時代のアスペの記憶を思い起こす前に、4年ほど前のある出来事から記したいと思います。 (本記事は9月13日に配信した「アスペな私が幼稚園になじめず小学校になじんだワケ」に続く、連載4回目です) 《男性の性被害に関心が強かった私》 私がNHK大阪報道部で司法担当になってから森友事件

          42年間封印されていた性被害の記憶(自己を見つめる連載④)

          アスペな私が幼稚園になじめず小学校になじんだワケ(連載③)

          [冒頭画像は昭和42年(1967年)5月17日。幼稚園の遠足]  酒での大失態以降、飲酒、躁うつ、アスペルガー、そして記者の仕事について自らを見つめ直す記事を書いています。まずはどうしても酒の話が中心で、次いで躁うつの話題になります。  しかし人生で現れた順序としては「アスペ」がそもそも持って生まれた障害としてあり、それに付随する形で後から「うつ(後に躁うつとわかる)」や「飲酒癖」が現れたはずです。前回の記事の後、「アスペルガーのことも書いてほしい」というご要望もありました。

          アスペな私が幼稚園になじめず小学校になじんだワケ(連載③)

          日本ジャーナリスト会議賞受賞に思う「人の不幸」の取材

          《受賞御礼》 財務省近畿財務局の赤木俊夫さんが死の間際に書き遺した、公文書改ざんの実態に迫る「手記」を公開し、真実を知りたいと国などを相手に裁判を起こした、妻の赤木雅子さん(49)。忘れられかけていた森友事件に世の関心が再び集まりました。  その赤木雅子さんと、手記を報道した私に連名で、日本ジャーナリスト会議賞(JCJ賞)が贈られることになりました。受賞決定を受けて大変多くの方からお祝いのメッセージを頂戴しました。さらには先に私が酒で大失態を演じた時にも多くの方からお叱りと

          日本ジャーナリスト会議賞受賞に思う「人の不幸」の取材