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『つらい』と『面白い』は両立し得る 2025新春神楽まつり①義経 平氏追討:琴庄神楽団
あけましておめでとうございます!
2024年はクリスマスに山王神楽団の鈴鹿で締めましたが、
2025年の始まりも早速神楽を観に行きました。
・まず頑張ってたどり着こう
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2025年の始まりは県民文化センターである新春神楽まつりに行こう!
大体これ自体が毎年恒例の様で、第○回とかは書いてないけど
正月2日と3日にそれぞれ4公演(午前午後に2公演ずつあって完全入れ替え2部制)で開催されておるみたいです!で
今年は2日※私(17)の誕生日!!!に琴庄と宮乃木
3日は大塚と上河内との事。ワァ~
両日、なんなら全通したいのはやまやまですが
財布と体力の都合というもんがある。という訳で
演目との兼ね合いも考えて、2日の2部のチケットを取りました。
あぁーーーー誕生日に神楽とかちょーーーーー嬉しい
元々ドルヲタが長かった私だが、
正月2日にコンサートはファンになった直後では確か横アリ開催だったかと思う。正月から横浜…というので見送ってたら、
いつしか正月開催は無くなって久しく
そんで野球はまあ当然と言おうかシーズンオフですし。
冬生まれの悲しさよねとか思ってたけど、いやあここへきて巡ってきましたねえ!!!!!!
2部は13時開場13時半開演という事なので、そして今回は全席指定です。
場所は定期公演でおなじみの県民文化センターだが、市内どまんなかの立地で護国神社の近く。人出…
なんか大晦日のニュースでは、予想では護国神社の三が日の初詣客は60万人の見込みといっていた。まじか~
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文化センターはバスで行く方が近いけど、そのバスだってめっちゃ混みそう。まあ降りるのは終点なんだけども
中心部で渋滞とかしたら困るな。…と考えて、
それなら電車で新白島まで出てそこから歩いていけばいいじゃんっ
ちなみに新白島から広島城(護国神社周辺)までは徒歩概ね20分程度で、
まあそこまで遠いという事はない。…
だけど冷静に考えたら更に文化センターまで移動しますよね?
その時の私は、正直そこの距離感が頭から抜けておった。まあ30分見とけば余裕っしょー!
時間余るかもしんないから開演前に平和公園のガンジー像見てからいこっかな!
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広島城からそごうまでが思ってたよりはあるやんけ。
そうだったなんか近いイメージあるけど、いやまあ近いっちゃ近いがでも印象よりは歩くんだったネッ
そんでそこから県民文化センターですよ…!
それぞれは近いんだけど、でもなんか焦っちゃった!!!
結局それでも開演10分前とかいう常識的な時間には到着できた。世間ではそれはギリギリと
よかったね!!!職場から来た年賀状の返事投函するの忘れてたけどね!!!
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・開演前
そうした訳で、そこそこ焦りながらも結局は間に合ったな!とか思いながら会場入り
モギりのおっちゃん定期公演と同じ人やんけ…あけましておめでとうございます…
入った所でプログラムと出演者の記載された紙を取ってくださいね~と言われ
プログラムは売り物でなく配布なのか…売ってたら今回こそ買おうと思ってたんですが、ありがとうございますっ
物販というのでは神楽グッズとかDVDもあったりとかする。でDVD…フフ…
でも今はちょっと時間と余裕が(私に)無いから、その辺は終演後に…という訳でそそくさと客席に進むのだった。早く座りてえとか思ってた気も…
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ぴあで取ったらD列のかなり上手ヨリ
D列はそこから傾斜が始まるから見やすいし、普段は下手に行く事の多い私には嬉しい席です!ありがとうございます
ほどなくして司会の斉藤裕子さんが壇上に現れて間もなく開演というご挨拶が始まった。あけましておめでとうございます!
1部から通してご覧の方もいらっしゃいますね~などと客いじりを挟みつつ、
そんで今回感じた事には、まあ定期公演はほんと外国人観光客多いナ~!と思うんですが(ツアーに入ってるのかな)
今回はなんというかガチ神楽好きの年寄りが多そう!
一方小さい子供の姿も結構見られた。親子で神楽ファンって感じかなウフフ
定期公演の時は開演前のアナウンスも上演中にも、それぞれ英語通訳があるのだが今回はソレは無し
という事は…。
私が口上を理解出来ない時、上の平易な(?)直訳英語字幕を確認するというのも出来ないのか…
まあ英語字幕を見ても、いろんな意味でやっぱ分かりませんですわとなるのがほとんどだが※私は英語出来ません!
今回2つ演目がありますがどっちも初めて観るというか、
正確には宮乃木のほうは12月にケーブルテレビの神楽放送で見てたんだけど予習として。生で観るのは初めて
琴庄のは全くゼロの状態。大丈夫かな?(私の理解が)
まあ理解が追い付いてなくても面白いのが神楽ですが、子供に人気があるのもそこだろう。
だけど分かったらもっと面白いよねぇー!!!
私はもういい大人(17)なんだから…。という訳で開演いたします。楽しみだ~
・義経 平氏追討:琴庄神楽団
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少し遡ってもろて先ほどのプログラムの表紙ですが、
その向かって左の白髪の。そちらが今回の演目から、手にもってるのは錨。
(ちなみに右は3日の大塚の『大江山』酒呑童子かな)
チケット取るにあたって上演予定の演目を見た時、義経かぁ~!
史上に於いてどの辺りのエピなんでしょうと思っていた。
正月だし、なんかこうまだ頼朝との関係がよかった頃の景気のいい話なんかなあ。って
全然違った
のっけから壇ノ浦で平家の軍勢は乱れた黒髪の姿。
舞台後方、追い詰められた二位ノ尼があの有名な言葉を残して入水(安徳天皇の直接的な描写は無かったが)
その後は平知盛が自身に大きな錨を結び付けて海へ…
なんやいきなりつらいんやが…
しかし、同時に私は知盛の白い甲冑ってひょっとして過去にも何度か拝見した事あるんでないかなあ。と考えていた。(※プログラムの写真とは別の鎧です)
具体的には昨年10月の定期公演の塵倫で仲哀天皇が着けていらしたのと同じでは…って。ワカランけどたぶんそうであろう…
義経と弁慶はしかし、平家を滅ぼしたぞというので
都へ報告へ!とひとまずは喜びの舞なんですが
とはいえこちらもこちらで、先の展開を知る者として…どっちもつらい…
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義経主従がハケたのち…だったと思うが、場面は恐らく海底に移行しており(想像力)
舞台上には錨を括ったままの知盛の姿が…でも髪が白くなっている。
そして恐らく波に翻弄されてといったような描写なのかなと、
ゆらゆらした静かな舞がしばらく続いたのちに
義経への恨み言を述べながら怨霊へと変化していく訳ですが、
ここなんか凄かった。ゆっくり変わった。?
神楽では舞いながら面を着けて鬼へ早変わりというのが定番で、
ほんと一瞬すぎていつ変わったの!?てなってそれが見せ場なんですが、毎回ピュアにビックリしてるよね!
しかし今回は舞台に伏せていた知盛はゆっくり起き上がり、そしてその流れでそのまま怨霊になっていた。伝わらない。
いつもはパッて変わるのに、今回は客席の目を集めたままでそれらしい動きが無く、でもなんか怨霊の面の姿になっておったのです
イヤそういう表現もあるんですか~…
技術が高すぎて理解が追い付かないが、でもすごいのは分かる。
自身は怨霊となり義経に復讐するみたいな口上から、
そこからの展開はやや急っつかあらすじにある通りなんですが…
場面が変わり今度は義経主従と義盛に静御前も加えた四人で、
後白河法皇に嵌められて兄とも関係修復は難しそうだみたいな(※後白河法皇と頼朝は口上の中でだけ出てきます)
こうなったら奥州平泉へ船で参ろうこんないい天気だし今の内に…というような事を言っておると
しかし急に空が暗くなってきた。これは急がないと、という所に知盛の怨霊が現れて。といった流れ
弁慶は法力、静はなんだったかなこちらもなんか法術みたいな感じだったか
ここ義経がそれぞれ指示するのがかっこええな~と思ってましたヘヘ
そして義盛と義経は知盛と直にバトルというので激しい舞になるが…
ところでこの静御前が見た目にも線が細くて、
顔はいわゆる市女傘というもので隠れてるのでよく見えないけど
エッもしかして本当に女性なの?と当初は思ったんですが…、
チラッと見えた輪郭とか、それから声などから判断するにやっぱり中の人は男性ではあるのかな?(お名前はどっちとも取れる感じだが)
まあ線が細いってのは周りが結構ゴツい出立ちの男性ばっかりだから相対的に…というのもあるとしても、
しかし動きも例えば足幅が小さくて所作がいかにも女性のそれ。
ハァーすごいな…と思いました。舞台上の表現の素晴らしさに反比例して私の語彙力ときたら…
まあ野球ファン的にはオリックスのマスコットのバファローベルの動きが、しばしばアレは絶対中の人は女性でないと出来んだろ!て言われとるけど
でも足の細い男性でも演技というもんを学べば…とか思っていた。閑話休題と致しまして。
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バトルというので激しい舞となる。
いつもなら、ワァ――!!てのでキターーーってなる所ですが
今回は知盛も義経達もつれえなあ!!!というので、
ウウウでもやっぱり舞はダイナミックでかっこいい~~~ウウ~~~~情緒
間で知盛が更に大面に変化して、この時は早かったんだけどこれも凄かったですまあ文章(まして私の)では伝わりませんので、
神楽観てくれよなみんな。
知盛の怨念の強さに何度か追い詰められる義経主従ではあったが、
しかしそれでも最終的には。あ~~~
哀しかった。知盛の散り際。
義経ぇー…と、最期絞り出すような声と共にそのまま倒れて消えていった。つらい…
なんや正月から情緒がズタズタなんやが…
物語はここで終わりではなく、
義経と静の別れが描かれたのち「奥州平泉へ!」で舞があって終了。
私はアッサリまとめてますが内容的には全然そんな事は無いですので、今からまたなぞっていきますので。
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お互いを案じるがゆえに別れを選択するといった静と義経、
何度もしつこい様ですがしかしそれぞれのその後を思うと
だったらこの時一緒にいた方が結果は変わらなくてもひょっとしたら幸seとかって考えてしまうんですけどお!!!
それまでは感情を抑えていた風な静が別れ際は叫ぶ様に悲しみを訴え、義経もまた…だったんだけど
でもそこからバチッと空気が変わったのすごかったな。
まさしく未練をその一瞬で断ち切った様なっていうか、
なるほど上に立つ者としてのカリスマってこういうのなんやろうか。
「奥州平泉へ!」と、ここで幕。
だけど彼らはそこで最期…。情緒…
正月からなんちゅうもんを…
なんちゅうもんをみせてくれたんや…
この奥州平泉ってこちらも琴庄オリジナルでタイトルそのままの演目があるので、(前半は弁慶の勧進帳がメインで最後は弁慶の立往生で終わる)
内容的にもそれが完結になるんだろうなと思うんですが
昨年確か11月にケーブルテレビの神楽放送でやってたから、録画してDVDに焼いてある。…
たぶん今見たら今度こそ情緒が崩壊するからねえ!なんか間に景気のいい演目があるといいかもねえ!!
それにしても、ほんま情緒はめちゃくちゃだが素晴らしかったな!!ありがとうございます!!!
2025の神楽始め、えらい事になってしまった。そしてまだ次があるというよろこび
琴庄は午前中に『天岩戸』て、こっちはおめでたい演目やっとるから
1部2部続けて観てたら温度差でますます大変だったかもしれません。つか
1部後半の宮乃木の紅葉狩もまたちょっと独特なんだけども…
DVDになったら買おうと思いました(新年の決意)
・ちょっと別方向でときめいてしまった話
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なんか今回は撮影禁止という事で、そうなればこの目で!という感じで集中して観る(いつもは気が散っているという訳でもないですが)
そこで感じたが、ほんと常にどの場面でも決まってるなあ!ていう
そら写真撮っててうまくなったように錯覚しますわ。
舞台上の全員の型がピシッとしててほんとかっこいいなあ…と思う中でしかし、今回唯一というか
どの場面だったかは忘れたんだけど(たぶん知盛の臨終手前ではないか)(臨終つっても怨霊なんだけど…)
とにかく舞台中央に客席の目が集まっている場面で、後ろにいた義経が天蓋から落ちた紙切れを刀の先で端によけていた。
通常蜘蛛の糸とかあんだけバラまかれた中でもバンバン舞ってらっさるが…とは思ったものの、
まあ糸は細いしまとまるけど(敢えて絡めてまとめるのかなあ…て感じですもんね…毎回)
天蓋の紙はちょっと大きいし踏んだら危ないんだろうなあ~とか思ってたその後に激しい舞だったので。いろいろとこう。
神(シン)の方のそういう部分て舞台上で見る事はまずないため、私はウッカリときめいてしまったが
しかし同時に見せ場ではちゃんと見るべき場所に集中しよう!!!!とも思った…。
今回席がほんと上手に寄ってて、そんでも見づらいという事はないんですが
だけど目が行ってしまったんですよね。僕の悪い癖。
それから今回の席は恐らく舞台での立ち位置によっては、どうやら丁度視線が落ちてくる所で
そうですか!
そういうの偶然とか気のせいとか私は思わない
ファンサと判定致しますありがとうございます(でかい声)
2025年もこのくらいの図々しさで生きていきたいと思った正月そして誕生日、
情緒がやられておりますが次は宮乃木の『大和葛城』へ参ります。
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