小屋と私
ここ2、3日、風邪を引いて寝込んでいたのだが、今日は少し良くなったので、久しぶりに仕事場へ行った。
私の仕事場は集落の外れにある小屋である。もとは農機具などを入れるための小屋だったので電気も水道も引かれていない。水はその日使う分だけ近くの水道からバケツで汲んでくる。電気は最近になってソーラーパネルを設置して自家発電で賄えるようになった。絵を描くには十分な環境である。
日常生活と完全に切り離された「創作の為だけの場」を持つというのは、絵を描く人間、あるいは何かしらのモノづくりをしている人なら、誰もが憧れる環境だろう。私はたまたま移り住んだ集落で、誰にも使われず放置されているこの小屋を見つけ、そうした環境を得ることができた。これはとても幸運なことだと思う。
私は絵を描くことに関しては、いつも幸運に恵まれている。これはきっと、神様に「描け」と言われているのだと思う。いや本当の所はどうだか分からないが、そう思うようにしている。
小屋の中はとても静かだ。たまに近所のニャンタが様子を伺いに来る以外は、来客もほとんど無い。
明日も小屋に行くのが楽しみだ。
ふやよみ 青木薫
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