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お湯割りの焼酎をのんだときのうた
わたしは牛になりそうだ。
あの、モウと鳴くやつだ。
モウモウモ~ウ
モウは左目がけいれんしている。
一昨日からずっと、だ。
お風呂に入ったり
長めに寝てもなおらないのは
黒魔術をかけられたからだ
と夢の中できいた。
黒魔術をとくには
自分にとってあたりまえだと
おもっていたことをひとつ
生贄にしないといけない。
あたりまえだとおもっていたことを
ひとつおもいうかべて
それを捨てる決心をする。
生贄は手足をじたばたさせて
悲しそうな声をあげる。
牛にはなりたくないと思う一方で
なってもいいかもしれないとも思う。
でも、寿命はのばさなくてもいい。
アオサの天ぷらがうたってる。
チーズカリカリもうたってる。
カツの卵とじはねむりそうになっても
ぐっと耐えている。
そとの風は冷たいけれど
眠りそうだと思っていたものは
長靴だった。
口の中が犬のにおいだけれど
仏は筋斗雲にのって
飛んでくるのだろうか。
遠いと思っていた君は
実はとても近くにいたのかもしれない。
もう手遅れだろうがね。
つながるリズムは
ガジュマルの木をゆらす。
ゆらすゆらす。
ゆれるゆれる。
みんなひっくるめて
めんどくせえけど大好きだ。
夜はねむくなるものよ。
おやすみなさい。
ふやよみ あおきさとみ