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起立性調節障害のおはなし会に参加して②

前回はおはなし会の会場の雰囲気をお伝えしましたが、おはなし会の内容も残しておこうと思います。配布された冊子には次のような項目がありました。

  • 起立性調節障害はどんな病気か

  • 診断方法と病院受診のススメ

  • どんな人がなりやすい?

  • 朝起きられない、学校に行けない理由

  • 起立性調節障害の多様性

  • 治るために必要なこと

  • 起立性調節障害だったサトル君の体験談

これらの項目に沿ったお話もありましたが、先生や先生の元に訪れた経験者の方の体験談を交えたとても濃いお話でした。美保先生のお話から、私が同じようなお子さんの体調で不安な方や、病気のことをあまりご存知ない方にお伝えしたいと思った事を残しておきたいと思います。

起立性調節障害がどんな病気かについてはこちらでもチェックリストをあげています。

これらの循環器、消化器症状のほかにも、メンタルや生理不順などの婦人科症状、小学生から高校生、大人に至るまで、原因も症状も様々な疾患です。

まずは、中学生までなら小児科、高校生からは内科で起立性調節障害を診てくれる先生を探すことが大切。

また、頭痛など気になる症状があれば、脳外科などを受診し、隠れた別の疾患がないか検査することも大切だということです。

また、特に高校生では体調の悪い時に受診をして、病院の診断書をぜひもらってほしいとのお話がありました。

高校は単位制で進級や卒業が決まります。この際に、単位が足りなくとも、起立性調節障害の診断書があれば、校長先生の裁量で進級や卒業は決まる可能性があります。

実際に、2割休むと進級できない学校で、診断書の提出、レポート提出など学校との日頃のコミュニケーションや本人の努力で、3割もしくは5割休んでしまっても進級、卒業できた例があったとのことでした。

進級、卒業については高校の校長先生の判断によるところとのことですし、そこは親としてやってあげられることがたくさんありそうですね。

教育委員会に病気の相談をしてから、学校に問い合わせるとスムーズとのお話もあり、とても参考になりました。

私の経験もこちらに書きましたが、日頃から朝の具合の悪い状態の時にも、子供に先生と電話で話してもらう事は、息子にとっては安心につながり、先生にとっても息子の体調の理解に繋がったように思いました。

今や中高生の10人に1人が起立性調節障害と言われていますが、どんな人がなりやすいかというお話では

性格について

  1. 真面目で適当に物事を処理できない

  2. 完璧主義で自分の理想にこだわりを持つ

  3. やさしくて自分より他人を優先させる

  4. HSP傾向があり、集団や人付き合いに疲れやすい
    (HSP...繊細さんとも呼ばれる、「敏感な人」
    感覚が鋭い、人の気持ちに敏感など、普通の生活を送るのに多くのエネルギーを必要とする。マイナス面だけでなく非常に優れた才能、センスを併せ持つ傾向があるので同級生を幼く感じることも。)

体について

  1. 胃腸が弱い

  2. 手足が冷える、貧血、生理不順

  3. 急に体が大きく成長した、または人よりも小さい

ということが挙げられていました。

当てはまるお子さんも多いと思いますし、それは誰にでも起こる可能性があるということが考えられます。成長期の心と体のバランスが崩れた時に起こりやすいという事を私も常々感じています。


学校に行けない理由としては、この病気がまだ世に知られていないため、遅刻や早退をする際に心ない言葉をかける先生や友達がいると、身体だけでなく心の不調へと移行していき、回復への道のりがより複雑になることがあるとのお話がありました。

この悪循環には私と息子も本当に悩まされました。病気の周知、理解がスムーズな回復にもつながるという事を感じています。

起立性調節障害は、怠け病ではなく、気合いや訓練で治るものでもありません。

原因は多種多様ですが、共通しているのは、「ギリギリまで頑張った結果力尽きた」ということです。

そんな先生のお話を聞いて、今までの息子との出来事が思い出されて、経験者でもある美保先生ご自身の思いと共鳴するものがありました。

会場のみなさんも、親としてのご自身やお子さんの気持ちをそのまま言語化してくださる先生のお話にどんどん引き込まれていくのが伝わりました。

美保先生も、ご自身は医学部に通っておられるような方ですし、娘さんもご自身と似たような道に進んだとのことですが、勉強が好きでもなかった息子さんに対しては、諦めのような気持ちが出ていたところがあったかもしれないし、それを息子さんが受け取っていたのかもしれないともおっしゃっていました。

ちょっとした焦りやストレス、心配事が、成長期の不調の引き金になることがある。学校に行けなくなったことによる家族や学校との関係の悪化が更なるストレスを引きこおす。

しかし、起立性調節障害は病気というよりは、そういった症状を起こしやすい体質であり、それは現代の食生活が大きく影響しています。

そういった意味で、西洋薬での治療は難しく、食事や漢方で体質改善をする事で、根本から心も体も元気にしていくことができる、というのが美保先生が全国のおはなし会を通してお伝えしたい事なのだと思います。

しかし、体ばかりの問題ではなく、心も大きく関わってくるため、起立性調節障害はとても複雑であり、誰1人として同じ症状、治療法の人はいないとのお話もありました。


次回にまた続きます。



今日も読んでいただきありがとうございました。


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